これが教授の「裏技英語」じゃ!
前にも書きましたが、最近の学生さんが大学に対して抱く期待の一つは「英語が話せるようになりたい」です。しかし、期待するだけで勉強はしないので、実際には上達しません。で、その上達しないことを教員の責任に転嫁するのですから、困ったものです。 しかし、そうは言っても我々も教員として給料をもらっているのですから、なんとか彼らに英語を教えなければなりません。勉強しない学生に、いかに効率よく英語を教えるか。これが難しい!! 私も大学で教えるようになって10年以上が経ちますが、その間、随分と試行錯誤を繰り返しました。「速読」に力を入れていた時期もあれば、「音読」をさせていた時期もある。「TOEIC対策」でお茶を濁していた時期もありましたね。 しかし、どれも評判はいま一つ。そりゃそうでしょう、教えている私自身、「こんなんで効果あるのかなー」と思っているのですから。 でも、この2,3年、ようやく私も自分なりの英語教授法というものを確立できたのではないかと思えるようになりました。そしてそれには「ベーシック・イングリッシュ」という概念との出会いがあったのですが、そのことを話し出すと長くなるので、また別の機会に。 とにかく、ベーシックと出会ったことで、私自身、英語に関して二つの開眼をしたように感じています。その二つとは、「英語は名詞が重要だ」ということと、「英語では場所(または場所の移動)が重要だ」ということです。 どういうことかと申しますと、元来日本語というのは動詞を重視する言語なので、我々日本人はついうっかり「英語を話すこと」とはすなわち「日本語の動詞を英語の動詞に置き換えること」だと思い込んでいるフシがあります。しかしその考え方は実は間違いで、本当は「日本語の動詞を、英語の名詞に置き換える」必要があるのです。 たとえば英語で「座る」と言うには、「座る」という日本語の動詞を「sit」という英語の動詞に置き換えなくてはならないと日本人は思い込んでいるので、「座りなさい」と英語で言おうと思うと、つい「Sit down.」と言ってしまうわけです。でも普通、こういう場合、英語では「Have a seat.」と言いますね。つまり、日本語の「座る」という動詞を、「seat (=座ること)」という英語の名詞に置き換えなくてはならなかったのです。同じように、「決意する」といいたいのなら、英語のdecide という動詞に置き換えるのではなく、むしろ「決意」という意味のdecision という名詞に置き換え、「I made a decision.」というように言った方が英語らしいんですね。 動詞はできるだけ簡単なものを使い、名詞の方に変化をもたせることで、文全体の意味を変える。これが英語上達の極意の一つだと思います。「食事をする」なら I eat. ではなく、I have a meal. ですね。同じように、「思いつく」なら think という動詞を使わず、idea という名詞を使って I have an idea.と言った方がいい。ま、そんな調子です。 もう一つ、英語では場所(場所の移動)が重要だ、というのは、こういうことです。たとえば「私は寝る」という場合、I sleep. と言うより、I go to bed. と言った方がいい。この場合、主語がベッドのところまで移動しますからね。また、「おまえ、それ、やばいんじゃない」という場合、You will be in a big trouble. なんて言いますが、直訳すれば「あなたは大きなトラブルの中にいるでしょう」ということで、やはり「主語がどんな場所にいるか」ということが表現の要になっています。こういう場所の特定や場所の移動を伴う表現というのが、実は英語では非常に重要なわけです。 私は現在、「英語は名詞が重要じゃ!」というのと、「英語は場所が重要じゃ!」という2つの観点から英語を教えているのですが、どうでしょうか、面白いでしょ? これ、自分では結構画期的な教え方だと思っていて、もしこの日記でも好評なら「これが教授の裏技英語じゃ!」という本でも書きたいと思っているのですけど、どんなもんでしょうか。駄目かな? ま、とにかく、今日は雨模様だし、勉強してさらに英語教授法でもきわめるとしましょう。 さて、ここで少しアフィリエイトを。今日は音響製品でまとめてみました。 まず最初は、これなんだと思います? ラジオですよ、ラジオ。アルミの立方体に棒が刺さったようなモダンなデザイン。この棒一つで、オン・オフ、選局、ボリュームを調節します。こんなクールなラジオがあったら、部屋のアクセントになると思うのですが、いかがでしょう。 ↓ 次は話題のパナソニックMPプレーヤー。かつてウォークマンに涙した私たちの世代としては、現代のMPプレーヤーの進化にはただあきれるばかり。デザインもかなりいけてます。 ↓ そして最後は、DVDソフトをご紹介。これ、少し前に話題になった映画ですが、私も最近みて、すごく感銘を受けました。性転換したロックンローラーの悲恋をめぐる物語、なんて言ってしまうと全然面白そうではありませんが、主役のヘドウィグの悲しくも逞しい生き方に、誰しも感動せずにはいられない!! また音楽がものすごくよくて、私はサウンドトラックを買いましたが、最近買ったCDの中でもっとも「買ってよかった!」感が強かった。ほんとにいい映画ですから、教授も渾身のおすすめ! です。 ↓では、また明日もお楽しみに!