『ナショナル・トレジャー』を見た
昨夜、ニコラス・ケイジ主演の娯楽映画『ナショナル・トレジャー』を見ました。 ちなみに、いい大人の私が、この手の娯楽映画をわざわざDVDを借りてまで見るということには、深い事情がありまして。 実はこのところアメリカのテレビドラマ・『24』の第4シリーズを毎週2本ずつDVDを借りて見ているんです。1本のDVDには2話が収録されていますから、2本なら4話。で、これを4日に分けて見ているわけ。だってこのドラマ、もう毎回ハラハラ、ドキドキしっぱなしなので、一日にDVD一本分、すなわち2話まとめて見ると身体に毒なんですもん・・・。 ま、そんなわけでこのところ毎週2本のDVDを借りているわけですが、私の行きつけのレンタルショップでは、1本のDVDを1週間レンタルすると300円かかるのに、旧作を3本まとめて借りると500円で済むというサービスがあるんです。つまり、2本借りると600円だけど、3本借りれば500円という、まさに資本主義経済の根幹を揺るがしかねないような料金体系になっているんです。となれば2本の『24』の他に、もう1本、何でもいいから借りるしかないじゃないですか。 ということで、このところ毎週『24』を2本と映画を1本、合わせて3本のDVDを借りる、というのが習慣になっているんですな。で、その映画の選択ですが、何しろ週日、仕事の後に見ることが多いので、深い味わいの映画より、頭を使わないで楽しめる単純な娯楽映画の方がいい。とまあ、そんなわけで、この間たまたま借りたのが『ナショナル・トレジャー』だったんです。 さてこの映画、その題名の通り「宝探し」がテーマの物語です。世界各国から集められた莫大な宝を、アメリカの建国に携わったフリーメーソンたちがある場所に隠した、という伝説を信じた一族がいて、何代にもわたってひたすらこの財宝の在り処を探し続けてきたのですな。が、そもそもそんな夢のような財宝などあるはずがないとするアメリカ政府や歴史学会からは、この一族は爪弾きにされ、変人扱いされてきた。で、そういう世間の扱いに懲りた父親(ジョン・ボイト)は、そんな宝探しの夢からは手を引いているんです。 しかし、彼の息子のニコラス・ケイジは「お宝ハンター」としての一族の伝統を祖父から色濃く受け継ぎ、この財宝を探し続けて、ついにその在り処を探る上での重要な手がかりを見出すわけ。どうやら合衆国の独立宣言書の裏に、目指す財宝の在り処を示す秘密の地図があるらしいんです。とはいえ、アメリカで最も重要な書類である独立宣言書は、首都の国立公文書館に厳重に保管されている。これを盗み出して、どうこうするなんて、ちょっと無理な話です。 ところがそのことを聞き知ったとある悪漢が、ケイジに先駆けて独立宣言書を公文書館から盗み出すことを画策し出すんですね。で、そのことを知ったケイジは、独立宣言書を守るために、自らこれを盗み出さなくてはならないことに気づくわけ。何しろ当局は、宣言書を盗み出すことなど不可能と思っていますから、ケイジの警告に耳を傾けてくれませんのでね。 で、すったもんだの末、ケイジは悪漢よりも一足先に宣言書を盗み出すことに成功します。そして、そこから財宝の在り処を探り出すわけですが、敵もさるもの、ケイジの動向を見ながらしっかり後を追っかけてきます。しかもそればかりではなく、警察もまた独立宣言書奪還のため、捜査の手を伸ばしてくる。さて、ケイジは悪漢と警察の手を逃れながら、財宝を探し出すことができるのか? ま、そんな感じの映画ですわ。 で、もちろん上に述べた宝探しのメイン・プロットも、色々「謎解き」の側面があって面白いのですが、これに絡むサブ・プロットとして、ケイジとその親父であるボイトの「親子関係」というのが、なかなかいいんですね。「一つの手がかりを辿っていくと、別な手がかりに到達する。で、その新たな手がかりを辿っていくと、また新たな手がかりに到達する。そうやって、手がかりだけ与えて人間を弄び、その人生を狂わせてしまう。それが宝探しなのであって、財宝なんて実際には存在しないのだ」と喝破している親父・ボイトと、それでも財宝はあるのだ、とする息子・ケイジの相克といいましょうか。で、その相克のただ中で、否応なく息子の宝探しに巻き込まれてしまったボイトが、お宝ハンターの一族の血に再び目覚め始め、ついには親子協力して財宝の在り処を突き止めるようになっていく・・・。 「宝探し」が、「父親探し」につながる・・・ま、その辺が、いかにも健全なアメリカ娯楽映画の、「ぽい」ところなんですなあ。何せ、この映画の制作はディズニーですからね。作中、ほとんど人が死にませんし、親子で楽しめる宝探し映画でございます。 さて、そんな『ナショナル・トレジャー』に対する私の採点はと言いますと・・・ 70点、ギリギリ合格でーす。わざわざ映画館へ足を運ぶほどの作品ではないが、DVDでちょろっと見るくらいなら決して損した感じはしない、というほどの番付です。ま、それなりにおすすめですよ。 ちなみに、この映画でもう一ついいところはですね、もうネタバレもいいところですが、ケイジたちが探している「宝」は、実際に価値あるものとして実在する、というところですね。よくあるでしょう、「宝はあった。しかし、それは今となっては価値のないものだった」というような結末が。たとえば『ルパン3世 カリオストロの城』の結末のように、主人公たちが追い求めていた宝とは、湖の底に沈んだ古代ローマの遺跡でした、みたいな奴。ああいうのは、ちょっと、ね。やっぱり宝探しなんだから、実際に使える宝が出てきてくれないと、つまらんですよ。その点、『ナショナル・トレジャー』は、いいですよーん。 ところで宝探しといえば、実は釈迦楽家にも代々伝わる秘宝伝説がありまして・・・。しかし、その話をし出すと長くなりますので、今日はこの辺でおしまいにしましょう。またいつか、気が向いた時にでもお話しますね。それでは、皆さん、お休みなさーい!