河童橋道具街へ
「大きめ(30センチくらい)で、しかも軽いフライパンが欲しい!」という母の切実な希望に応えるべく、姉・私・家内の三人で東京下町・河童橋道具街まで買い物に行って来ました。 で、せっかくそこまで行くのなら、ついでに浅草寺をお参りしていくことにしたのですが、今日は土曜日、さすがに人込みがすごかったです。桜もそろそろ5分咲きくらいになっていましたしね。 で、仲見世を通り、途中「九重」のあげまんじゅうだとか、何とか言う店の「10円饅頭」なんかを買いながら浅草寺にお賽銭を投げ込み、その後とりあえず腹拵えをすることに。 ところが浅草でモノを食べるというのが、案外ひと苦労なんだ、これが・・・。 いや、もちろん店はそれなりにあるんです。しかし、ガイドブックで紹介してある店は、とにかく馬鹿高い! 裏通りの路地裏みたいなところにある小汚い洋食屋のランチが3千円? こっちの天麩羅屋は「創業明治三年」で、天麩羅懐石1万5千円?! 私の健全な経済観念からいうとこんな値段ありえませんが、それでも結構人が並んでいましたなあ・・・。 その一方、お好み焼きやだとか、一杯飲み屋みたいなのは沢山ありますが、何だか場末みたいな感じで、とても私たち一行が入るような店じゃない。それで散々迷った挙げ句、「江戸っ子」とかいうちょっとキレイめな、しかし値段はリーズナブルなお店に入ってみたわけですよ。 しかし・・・。散々待たされた挙げ句出てきた「天麩羅ランチ」は、小さな大正海老一尾を二つに割って、二尾のように見せかけた海老天とカボチャの天麩羅、それに具がタマネギだけのかき揚げ、それだけだったのでした・・・。こんなもん名古屋で出したら、一ヶ月以内につぶれるな。なのに、客は店の前に行列しているんですよ。まったくわけ分からん! 多分、「浅草値段」っていうのがあるんでしょうね。しょぼい具材をケチ臭く使ったものに、不当な値段つけて売って、それで下町・庶民の街でござい、というようなスタイルだけはとるという・・・。まったく、これだから下町って嫌いよ! さて、つまらんものでお腹を満たした我らは、気を取り直して河童橋へ。ここは噂には聞くものの、私も姉も、もちろん家内も初めて行くところなので、ちょっと楽しみ・・・。 しかーし。結果から言うと、大したことなかったですなあ。古本の世界における神保町、電機関係における秋葉原みたいなものを想像していたのに、そんなレベルのものではなかった。こんな程度で「道具街」を名乗るかねえ・・・。 大体、フライパン買おうってったって、種類がぜんぜんない。どこへ行っても同じような種類のものしかない。しかも、こんなの近所のイトーヨーカドーで同じのがもっと安い値段で売ってた、っていうようなものばっかり。もちろん、母の希望するような薄手で大きくて軽いフライパンなんてどこにもありゃしない。 ちなみに、母がこれまで使っていたフライパンは、私がアメリカのドラッグストアで9ドル99セントで買ったもの。ちゃんとテフロン加工もしてあって、ウソ!っていうほど軽いんです。ところが、このモノの豊富な日本で、しかもプロも買いにくるという河童橋道具街で、同じようなものが買えないというのですから情けない。 ってなわけで、今日は散々歩き回った割には、ほとんど収穫のない買い物となったのでした。 しかもお土産として買った「九重」のあげまんじゅう、家で食べたら油がかえってしまって、とてもまずいものでした。これ1個150円以上したのに・・・。 浅草ってところは、東京観光の目玉であり、外国人の観光客も沢山目にしましたが、こんなところで食事して、お土産買って、それで「日本はこんなところだった」なんて言って貰いたくないなあ。 ほんと、私にとって浅草とは、なんの魅力もないところでございます。荷風が愛した町だろうが何だろうが、私にとっては眼中ないって感じですね。下町だの浅草だのの雰囲気が好きだとかいう人が多いですけど、皆さん、ほんとにほんとにこの街好きですか? 皆が「下町はステキだ」って言っているから、これがいいんだ、と思ってません? そんな馬鹿馬鹿しい下町幻想なんかに囚われず、「王様の耳はロバの耳」ってはっきり言ってやった方がいいんじゃないかと、ワタクシは思うのであります。 浅草にしても、河童橋にしても、ろくなところじゃねえ! 二度と来ないぜ! あばよ!