古本の神様に叱られる
昨日実家に戻ったばかりなのに、今日は朝も早よから東京で仕事。学会関連の役員会でございます。久しぶりに朝6時台に起きて、頭ボケボケですよ。 ま、それはお昼くらいには終わったのですが、そこからは私のお楽しみ。実は今、新宿の京王百貨店で古書展をやっているんですよね~。毎年年末に行われるこの古書店、私の帰省の楽しみなんです。 古書展というのは、ファースト・コンタクトが大事なものでして、とりあえず最初の5分のうちに一冊、めぼしいものが見つからない日はついていない日なんですが・・・ お! いきなり『バイロス画集』の美本を発見! 数日前のブログに生田耕作の『黒い文学館』を読んだ話を書いた時に、生田さんがこの画集を編集したところ、猥褻だということで裁判沙汰になってしまい、結局生田さんはこれがもとで京大を辞めざるを得なくなってしまった、というエピソードを紹介しましたが、まさにその問題の画集を見つけてしまったんです。 で、実際に見てみると、うーん、そんな猥褻というようなものではなく、例えてみれば、「うーんとエロティックにしたミュシャ」みたいなものだと思えば当たらずと雖も遠からず、というところじゃないでしょうか。 さてこの本、買うか買わないか。値は3,000両です。微妙なところですね。これが私の守備範囲の本であれば間違いなく買うのですが、最近その存在を知ったばかりのもので、まだこれを私の守備範囲にするかどうか、決めてないものな~。それに、まだこれからどんな本と出くわすかわからないし・・・。とりあえず置いておいて、後でもう一度腹を決めるか・・・。 ということで、とりあえず画集を売場の書架に戻し、他の書店を回ったりしていたのですが、うーん、やっぱり他の人に取られないうちに、買い物バッグの中に入れるだけは入れておこうと考え直し、先ほどの書架のところまで戻ったところ・・・ ない! ない、ない、ない! ウソだろ! まだ5分くらいしか経ってないのに! 他の人に取られてまった! あーん、下手こいた~! やっぱり、さっきファースト・コンタクトの時点でとりあえず身柄だけでも確保しておけばよかったよ~ん! 他人に取られてみると、なんだか途方もなくいい本を逃したような気になってきた・・・。 そして、この「最初の5分」勝負で一敗地にまみれたワタクシ、古本の神様に見限られたらしく、今日はめぼしい収穫ゼロ。京王百貨店の古書展で収穫ゼロなんて久々だよ~。 まったく、古本マニアにして、「一期一会」という古本購入の機微を熟知しているはずのワタクシにして、たまにこういう大ポカをやらかすというところが、また古本の面白いところでもあるんですけどね、と自分を慰めてみる、みたいな。 というわけで、今年の年末の古書展は、ほろ苦い結果となってしまったのでした、とさ。明日は、また明日のこころだ~!