外車乗りの憂鬱
先に我が愛車アルファロメオ156にエンジンの不調を知らせる警告灯が点いた話を書きましたが、ようやく暇を見つけてディーラーに持ち込んだんです。すると、案の定、エンジンの排気系に問題があることが判明した。 どうもエンジンから排出された排ガスが触媒を通過する手前のところで、排気管がひび割れしていて、そこから外気を吸いこんでしまうらしいんですな。で、そこに仕込まれたセンサーが「ん? なんかおかしい・・・」と判断したと。また排ガスが妙に薄いことにエンジン管理システムが反応し、少し濃いめの燃料噴射をしているらしく、燃費も若干悪くなっているとのこと。 しかし、排気管がひび割れって・・・。日本車じゃ考えられんなあ。 ま、私、アルファロメオの走り自体にはいたく感銘を受けておりまして、「セレスピード」と呼ばれるセミ・オートマチックを駆使して加速していく時の爽快感にはたまらないものがあるのですが、しかし、こう故障が多いとねえ・・・。やはりある種の外車は、素人が手を出しちゃいけないジャンルだったのかと、少し後悔しているところもあり。 で、ディーラーの担当メカニックさんに聞いてみましたよ。仮に、仮にですよ。仮に今、アルファを手放して、例えばフランスP社の「○×7」辺りに替えてみたりすると、どんなもんですか? と。 すると、メカニック氏曰く、「個人的な印象ですが、○×7は案外故障しますよ。○×6は良かったのですが・・・」とのこと。 ほ、ほう、そうなんだ。じゃ、同じフランスのR社とか、ドイツのA社とかV社のクルマは? と畳みかけると、やはりそれぞれ異なった理由で手が掛かるそうで。要するに、外車っつーのは一般に故障するらしいんですな。このメカニック氏によれば、このディーラーが扱っているクルマの中で、ほとんど故障しないのは、スウェーデンのボルボと韓国のヒュンダイだけなのだとか。 なるほど。しかし、今のところ、両方とも私にとっては食指が動かないメーカーなんだよな~。となると、要するに私が買いたいと思う外車は、すべて故障するものばっかりなんだ・・・。 だけど、不思議なんですよね。「外車」と言ったって、その外車の生まれ故郷じゃ「国産車」でしょ? じゃ、イタリアに住んでいるイタリア人のアルファロメオ・ユーザーは、自分のクルマが故障することに腹を立てないのか? フランスに住んでいるフランス人のフランス車オーナーは、当該メーカーがしょっちゅう故障するクルマを作り続けていることについて、一体どう思っているんだ?? いくらそれらの国の人々が、クルマの故障に対して寛容だとはいえ、実際問題として故障を直すためにはお金が掛かるわけでありまして、いくらなんでも、そういう無駄な支出についてまで寛容な人なんていないだろうと思うのですが。 大体、インターネットなどで色々な外車の故障状況を調べると、「あのクルマはミッション系が弱い」とか、「電気系統の故障、特にスピードメーターが動かなくなるのは、このクルマの常」とか、「このクルマは、ドア回りのゴム・シールドが弱いので、雨が降ると必ずドアの内側に染みができる」とか、そんなことが当たり前のように書かれていますが、そんな「定番の故障個所」が存在するクルマが、それでもそのまま生産され続けるって、一体どうなっとるんですかね。企業倫理として、どうなんだ? その辺がね、ワタクシとしてはまったく納得がいかないんだよなあ。 ならば日本車を買え、と言われそうですが、これがなかなかねえ。デザインの点で、あるいは乗り味の点で、ワタクシの心にピンとくるクルマがない。あれば、もちろんそれを買いますよ。別に見栄で外車に乗っているわけではなし。 というわけで、アルファに乗り続けるのも地獄、別な外車に乗り換えるのも地獄という、なかなか困難な状況に陥っているワタクシなのでありました、とさ。とりあえず、排気管のひび割れは直しますけどね~。