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2015年04月の記事

全29件 (29件中 1-29件目)

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古本仲間が出来たかも

　今日の夕方、共同研究室でコーヒーを飲んでいた時、この４月から同僚となった若手のＦ先生から「この辺りで、いい古本屋さんって、ありますかね？」と振られまして。　えぇ？！　今、あなた、「古本」って、言いました？　よね？　で、詳しく聞いて見ると、このＦさん、古本好きで、セドリ（Ａ店でたまたま安く売っていた価値ある古本を買い、それをＢ店でしかるべき値で売って、差額を稼ぐこと）をしていたこともあるとのこと。　うっそ～、マジすか？　　いやあ、同僚で初めて、古本好きの人に出会ったよ～。　私は本が好きな人、本をよく読む人というのは百パーセント古本好きなのかと思っていて、大学の先生はほぼ全員がそうなのかと思っていたのですが、実際には全然そんなことはなくて、大学の同僚で古本を愛する人に今まで会ったことがなかったのよ。それがついに・・・。　ということで、急に意気投合して、とりあえず名古屋で行っておくべき古本屋を数軒、例えば「千代の介書房」「古本まゆ」「イマジンスペース真理」「大学堂」などを思いつくままに紹介しておきましたけど、まあ、とにかく、同じ科に同好の士がついに現われたことはありがたい。今後、Ｆさんの古本愛がどの程度のものか、共に語るに足るものか、確かめていく楽しみが増えましたよ。　閑話休題。　このところ、先輩同僚のＨ先生の本の編集を進めていたのですが、人の本でも私が編集するとなれば誤字（例えば「人指し指」とか、パッと見、これで正しいのかなと思ってしまうのですが、これ正しくは「人差し指」ですよね・・・）などがあると嫌なので、何度も何度も校正をし、もうこれ以上直すところはないかんじゃないかと思えるところまで来まして。　で、そろそろ次の仕事として、これは私が自分のプロジェクトとしてやっている恩師の先生の未収録文集の本格的な編集作業に取り掛かり始めたという次第。それで、試みに「こんな感じにしたら？」というものを作って打ち出してみたと。　で、まだ打ち出したものは読んでいないのですが、この連休を利用してさらに方向性の検討をしてみようかなと。　もちろん、これはまだ最初の段階なので、この先、このまま行くとは限りませんが、とにかく方向性の検討が出来るところまでは辿り着いたので、ちょっとハッピー。　というわけで、連休後半はこういった宿題を携えて東京の実家に戻る予定。ま、適当に息抜きしながら頑張ります。

April 30, 2015

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連休初日、チープな楽しみ

　今日からＧＷ、ということになるのかな？　ということもありまして、忙中閑あり、今日はちょっとのんびり過ごすことにしました。　で、まずお昼は軽く外食でもするかということになり、我ら夫婦が向かった先は、丸亀製麺。テレビＣＭでやっている「だし玉肉うどん」ってやつ、食べてみたかったもので・・・。　で、店に着いてみると、駐車場も一杯だし、入口には店に入りきらない客の列が。ううむ、ＧＷ初日の昼はお値打ちな外食で簡単に済まそうなんて、皆、考えることは同じだなあ。　それでもラッキーなことに待ち時間なくクルマを停めることが出来、案外早く件のうどんにありつくことができました。　で、食べてみた。すると・・・　うまーーい！　卵で巻かれた牛肉のしぐれ煮の味つけは若干甘目でしたけれども、全体的にはまずまず。とろみのついた出汁に大根おろしを入れ、さらにそこに山椒をかけるとさらに味が深まってなかなかよろしい。　ってなかんじでえらく安上がりに外食を楽しんだ後、ちょいとユニクロなんざに寄ってあれこれチープにゲット。　　というわけで、今日はザ・庶民的な楽しみを満喫し、飛び石連休初日を過していたワタクシなのであります。

April 29, 2015

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素敵な老夫婦

　今日、出勤途中に本屋さんに立ち寄って雑誌を買っていたのですが、私の並んだレジの隣のレジに小柄なおばあちゃんが並んでいたんです。　で、そのおばあちゃんが可愛らしい人で、清算してもらっている時もニコニコ。それで本を手渡されると、さらに満面の笑顔で嬉しそうに受け取り、レジのお姉さんに「どうもありがとう」と言って出て行かれまして。あら～、感じのいい人だなあと私も思いましてね。　で、私の方も清算を終えて外に出てみると、先ほどのおばあちゃんがヘルメットをかぶっている。　おや、と思ってよく見たら、おばあちゃんの隣にはご主人と思しき老人が相当年季の入った外国製のスクーター（ヴェスパ？）の隣で煙草を吸っておりまして。でまたこの老人というのが、ちょっとひと癖ありそうな感じで、ゴマ塩のあごひげをもじゃもじゃと蓄え、カーキ色のシャツに茶色のズボン、そしてそのズボンをベルトではなくサスペンダーで吊っている。愛想のいい奥さまとは異なって、この世に可笑しいことなど一つもない、と言わんばかりの仏頂面。　それでも芯のところは優しいのか、よいしょ、よいしょとヘルメットをかぶっている奥さまのことを何かと手助けしていたりして。　そしてヘルメットをかぶり終わったおばあちゃんがどうしたかと言いますと、スクーターの横につけられた小さなサイドカーにちょこんと乗り込まれたのよ。　あらま、今時サイドカー？！　そして奥さまが無事サイドカーに収まったとみると、その老人はやおらスクーターにまたがってエンジンをかけ、颯爽と走り去って行ったのであります。　うーん、便利な世の中、何もスクーターにサイドカーの組み合わせではなく、普通のクルマに乗った方が楽なんじゃないかと思いますけれども、長年連れ添ったご主人が「これがいい」と言い、奥さまもあなたがそう言うなら私もそれでいいとばかりに、夫唱婦随、仲良くこのスタイルでどこにでも出かけられるのかなあ、と想像したら何だか楽しくなってきました。　夫婦の形は色々だけれども、こういうのも、なんかいいね。

April 28, 2015

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我ながら人情の人

　今日のお昼休み、忙しくパタパタと立ち働いていて、用があって別の科の共同研究室に入って行ったら、そこにこの３月で本学を定年退官され、４月から非常勤講師として教えに来ていただいている先輩同僚の先生が所在なげに座っていらっしゃいまして。　で、私はその先生に軽く挨拶し、用を果してすぐに出て行ったわけ。　だけど、廊下を小走りしながらふと、先生の所在なげな姿が気になってきた。　３月まではご自身の研究室をお持ちだったのに、今はそれも取上げられ、それで授業の合間に共同研究室で休憩しておられたわけですが、先生の立場からすれば、何だかもはやこの大学に自分の居場所がないような、頼りない気持になっておられるだろうなと。　そこへ持ってきて、我々、現役組が忙しく立ち働いていて、先輩同僚に対しても一言の挨拶だけで出て行ったりしたら、先輩同僚はどんな気がするかなと。　そう思ったらたまらなくなって、急いで引き返し、その先生に「もしお時間があれば、私たちの共同研究室にいらして、コーヒーでも飲んでいらっしゃいませんか？」とお誘いしてみたところ、二つ返事で「行く、行く」と。　で、私がコーヒーを淹れ、一緒に飲みながらその先生とおしゃべりを始めたところ、用があって共同研に入ってきた他の先生方も坐り込んで、私と一緒にその先生のお話に耳を傾け出したので、いつしか非常ににぎやかなことになったんです。それでその先輩同僚もすごく楽しげに、色々面白い話を聞かせてくださいまして。　その後私は、授業があったので、一足先にお暇しましたけど、先生のご機嫌な声を聞きながら教室に向ったので、私もいい気分でした。　　そんなことをしていたものだから、私は、本来その時間にしようと思っていたある仕事をし損ねてしまったのですが、そんなことより、長年同僚だった先輩をリスペクトできたことの方が私には重要なので、良かったなと思っております。こういうのをお人好しというのかも知れないですが、先輩へのリスペクトも払えなくて何が文学者だという思いがありますからね。　文学とは、人情の学問。私はそういう学問を選んだのだと思っております。

April 27, 2015

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包丁を砥ぐ

　某書評紙に頼まれていた書評、書いてはいるのですが、なかなか思うようにならず、難渋しております。例えばこのブログなんかにちょちょっと書く時は、別に何も考えもせず、指先が勝手にタイピングする感じで書いちゃいますけど、やはりお金をもらって書くとなると少しは緊張するのか、思うように筆が進まず。３分の１くらい書いたところで本日はギブアップ。　書く仕事の嫌なところは、ここなんですよね。どのくらい捗るか、自分でもわからないという。ま、そんなことを言っているようじゃ素人もいいところなんですが。　それはともかく。　　気分転換に今日は包丁を砥いでみました。普段使っている包丁の切れ味が悪くなったと家内から頼まれていたもので。　で、取り出だしましたるは私の必殺兵器、「スーパートゲール」君なのでありまーす。これこれ！　↓難しい包丁研ぎをサポートする角度固定ホルダー【メール便OK】　庖丁とぎホルダー　スーパート...価格：451円（税込、送料別）　　これ、以前、刃物の町「関」に行った時に買ってきたものなんですが、包丁の背にこれを装着し、後は砥石の上を滑らせるだけで、アーラ不思議、誰にでも包丁が上手に砥げるというモノ。　で、実際にやってみたところ、結構上手に砥げたらしく、トマトなんかもスパッと切れるようになったとのこと。　刃物が砥げる男になりたい、というのは、子供の頃からのワタクシの野望でもあったのですが、こいつのおかげでその野望が一つクリアって感じです。ま、自転車の補助輪みたいな感じで、最初の内はこれで練習して、いずれはこれなしでも上手に砥げるようになればますます言うことはないんですけどね。　というわけで、今日は原稿の方は思うようにスパッと行きませんでしたが、包丁の方は切れ味が戻ったと、まあ、そんな一日でございました。

April 26, 2015

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市議選の意味

　統一地方選挙、各地方で行われている事と思います。　私の住んでいる辺りでは２週間前に県議選、そして明日は市議選。県議選には当然私も投票に行きましたけれども、正直、争点も特になく、あまり気合の入った投票活動にはなりませんでした。　で、次は何？　市議選？　誰選べばいいの？　面倒臭いなあ・・・的な、ややいい加減な気持でいたのですが、先日、家内の知人が市議選に立候補しているある候補者に肩入れして応援しているという話を聞きまして。　で、その知人の方曰く、「県議選はまだしも、市議選となると、より生活に密着した影響が出てくるので、おろそかには出来ない」と。しかも、市議会レベルだと、市民の声がきちんと反映されることも多く、実際に困っていることが改善されたりするので、しっかりした提案をしている候補者を選ぶべきだというのですな。　ほほう、県議選と市議選、それほど違いがありますか・・・。それは寡聞にして気づきませんでしたねえ。どちらも同じようなものかと思っていました。　で、そういう話を聞いてから選挙公報などをしっかり読むと、確かに各候補者の間で訴えている内容がかなり異なる。　私が一番良くないと思うのは、きわめて曖昧な目標を掲げているもの。例えば「高齢者が安心して暮せる街を作る」とか、「子供の笑顔が絶えない街づくり」とか、「きれいな空気、きれいな水が流れる街をつくろう」とか、そういう奴。何をどうすればそういう町が出来るのか、まったく書いてない。　逆に説得力があるのは、「今までこれだけの実績を作ってきました」というのが明確に示してあって、しかもその内容が賢いもの。　例えば、私の住む町のある候補者は、図書館改革での実績を語っているのですけど、この図書館では少額のスポンサー制度を採用していて、例えば個人商店などが特定の雑誌の購入のスポンサーを買って出た場合、その雑誌にその商店の宣伝を載せたカバーをかけるようになっているんですな。　その結果、個人商店はわずかな年額で宣伝になる、図書館利用者は多様な雑誌を読むことができる、図書館は自らの予算を使わずに雑誌を購入することができる、と、三方得になっている、というのです。で、この仕組みを、この議員が考えて実行に移したと。　うーん、賢いじゃないですか！　というわけで、なるほど、市議選というのは生活に密着したものなんだ、ということをこの歳になってようやく悟り、明日の投票では、そういう見地からしっかり選択しようと思うようになった私なのであります。

April 25, 2015

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運転免許更新、そして『購書術』を読む

　最近、「あばれる君」という若手芸人をテレビ等で見かけることが多いのですが、あの人は何が面白いの？　例えばダンディ坂野氏は、黄色い服着て「ゲッツ！」っていうから面白いのだろうし、小島よしお氏は海パン一枚で「そんなの関係ねぇ！」っていうから面白いのだろうし、くまむしさんたちは「あったかいんだから」っていうから面白いのだろうし、ラッスンゴレライさんたちは「ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さん」っていうから面白い（・・・ん？　そうじゃなくて、８．６秒バズーカさんたちは「ラッスンゴレライ」っていうから面白いのか）のだろうけれども、じゃあ、あばれる君は何を言うから面白いの？　この人に関して、ああ、この人はこれを言うから人気なのか、というのが分らないのですが・・・。　まあ、いいか。　さて、今日は運転免許の更新に行って参りました。　でもその前に腹ごしらえ。今日は植田駅の近くにある「Bitte」というドイツ料理のお店に行ってみました。　数あるランチメニューの中からプレートランチを選びましたが、味の異なるソーセージ２本、小さなハンバーグ、面白い形のパスタ、それに異なる種類のパンが２切れ、それにザワークラウトがついて８８０円位だったかな？　量的にちょっと少な目でしたが、値段からして、まあこんなものかと。　で、デザートとしてここのお店の売りの一つでもあるドイツ風パンケーキ「ダッチベイビー」なるものを注文したところ、これが旨かった。ピザのような形のもので、耳の部分はさくさく、それで真中の部分はフレンチトーストみたいな感じ。これに蜂蜜やメープルシロップ、アイスクリームなどをトッピングするわけ。今回はメイプルシロップだけでシンプルに食べてみましたが、美味しかったです。次は、これを目当てにカフェとして利用してもいいかな。店の一部でドイツの食器や雑貨、それにパンなどを売っているコーナーがあり、これを冷やかすのもなかなかよろしい。ちょっと欲しくなるコーヒーカップもありましたよ。　　で、帰宅してからはリラックスしてあれこれ本などを読んでおりました。　今日読んだのは、中川右介氏の『購書術』という本。　冒頭に、最近の人は本というものがどこで売っているか、知らない人が多い、という話がありまして。で、中川さんが、本は本屋で売っているんですよ、と教えてあげると、「え、そうなの？」という反応が返ってくるとのこと。　うーむ、現代日本は、そういうことになっておりましたか・・・。私のように本屋しか興味がない、という人間には想像もつかない世界になっていたわけですな・・・。　で、そんな本の買い方も分らぬようになってしまった同胞のために、本の買い方を指南しようというのがこの本。　例えば、大出版社は、全国通津浦々で本を売りたいので、「街の小さな本屋」にも興味があるが、小出版社となると、出版点数も部数も少なく、とても「街の小さな本屋」なんかに配本できないので、その都市その都市の代表的な大書店にしか配本しない。その意味で、小出版社と小規模な街の本屋は共闘できない仕組みになっている、というような業界の仕組みを披瀝しつつ、だからこのままでは街の本屋さんがどんどん潰れてしまうので、せめて本好きの人はこういう買い方をしてくれと。　例えば、ベストセラーは大書店で（小さな本屋にベストセラーの取り寄せなどを頼むと、かえって困らせてしまうこともあるから）、日ごろ買う雑誌などは家の近くの小さな本屋で定期的に（できれば、小さな本屋の収入が安定するように予約で）買ってくれと。　そんな感じで、本書は「こういう買い方をすれば、三方うまくいきます」的なことをアドバイスしてくれるわけ。　例えば、本好きなら、図書館で借りるのではなく、本屋で買って読んでくれと。　それから、まだ絶版でない本は、できれば新刊本屋で買ってくれと。　それから、本の販売には「初速」が重要なので、買いたいと思った本は、出版された途端に買ってくれと。　新刊本と古本を同時に扱うアマゾンは、便利ではあるし、自分もたまに利用したりするけど、道義的にはけしからんと思ってくれと。　ま、そんな感じ。その他、自分にとっては電子本は性に合わないとか、やたらに本を買ったり売ったりするとか、たまに本を買っておいて良かったと思う瞬間があるとか、そういうことが書いてあります。　　で、全体として面白くないわけでもないのですが、そうは言っても、それはあなたの本の買い方、つきあい方だよね、僕とは違うよ、と言ってしまえる類の話でありまして、最後まで読んだ感想は、「だーかーらー？」って感じ。それほど面白いというものでもなかったかな。その割に、アマゾンのレビューを見るとやけに高得点で、一般に評価は高いようですが。　でも私の心にはさほど響かなかったので、教授のおすすめ、はなーしーよ。　ま、今日はこんな感じで、過ごしていたワタクシなのでございます。

April 24, 2015

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これが天国？　国営ひたち海浜公園

　院生と話をしていて、ＧＷどうするの？　という話題の時に、その院生が「友人と茨城県に行きます」というので、「茨城？　わざわざ？　茨城に何があるの？」と失礼ながら聞いてしまった私。　そしたら「ひたち海浜公園というのがありまして」と。　で、「ひたち海浜公園？　わざわざ？　ひたち海浜公園に何があるの？」と失礼ながら聞いてしまった私。　　すると「ネモフィラがあります」と。　ネモフィラ？　何それ？　さらに詳しく尋ねると、どうもこの公園にネモフィラという花が咲いていて、なんでも天国にそっくりなのだそうで。　天国にそっくり？　っていうか、天国に行ったことあるのかよ・・・。　で、まさかそんなことが、と思いながらも、試みにネットで「ひたち海浜公園」の「ネモフィラ」の写真をサーチしてみた。すると・・・　あ・・・！　天国だ、こりゃ・・・。　なんと、そこには明らかに天国が広がっていたのでした。これこれ！　　↓国立ひたち海浜公園　ね？　これが天国でしょ。そっくりでしょ。　ここ、行きたい・・・。　でまた、ちょうどＧＷの頃に満開の見ごろを迎えるようですけれども、そんなときにここに行こうとしたら、渋滞がすごいだろうね。でも、行ってみたい・・・天国に。

April 23, 2015

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文科省の厭らしさ

　文科省が最近打ち出してきた、国立大学三分割案ってご存知？　日本に８６ある国立大学法人を、三種類に分けるんですって。　　Ａグループは、世界と伍する先端研究大学。　Ｂグループは、特定の分野に特化した研究大学。　　Ｃグループは、地域のニーズに応える大学。　これ、想像するに、Ａグループって、要するに旧帝大だよね。それで、Ｂグループは・・・例えば東京工大とか、東京芸大とか、そういうこと？　で、最後のＣグループが、その他と。　それで、それぞれのグループ毎に予算を重点配分するってんだけど、要するに旧帝大グループを優遇して、その他もろもろの地方国立大学は・・・適当にやってろ、その代わりあんまり予算つけないからそのつもりで、ってことだよね。つまりは国立大学法人の序列化。　　なるほどね。そうやって地方国立大学に冷や飯食わせようって腹か。　でもね、それだけなら、まだいいのよ。だけど、文科省が厭らしいのは、ここから先。　奴ら、「Ａ・Ｂ・Ｃ、どのグループに所属するかは、それぞれの大学が独自に考えて決めろ」って言うんだよね・・・。　厭らしいでしょう？！　明らかに序列を作っておいて、「これは大学の序列化じゃないかっ！」って批判されると、「いいえ、そんなことはありません。文科省がそれぞれの大学を序列化したんじゃありません。どのグループに所属するかは、それぞれの大学が独自に決めたことですから」って、言い逃れようっていう魂胆なのよ。　品性下劣！　　やだね～。　ほんと、安倍政権下で、この国の教育は滅びるね。少なくとも、人文科学は滅びる。　もう、知らんよ・・・。

April 22, 2015

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悩むねえ・・・

　大学時代の恩師Ｏ先生の本を作っているのですけど、最近、ちょっと悩んでおります。　当初は、Ｏ先生が書いたすべての雑誌記事・新聞記事を集めて、それを全部まとめて本にするつもりだったのですが、それだと５００ページくらいの部厚い本になってしまって、値段も高くなるし、買ってくれる人、読んでくれる人もぐっと減ってしまうことは目に見えています。　それに、このような形にしてしまうと、Ｏ先生が最晩年に書かれた、ほとんど私小説のような珠玉のエッセイ群が、他の膨大な文章に埋もれてしまうでしょう。　果たして、そうすることに意味はあるのか？　むしろ、そのエッセイ群が目立つような編集の仕方をした方がいいのではないか？　具体的に言えば、先生が書かれたすべての文章を活字にするのではなく、その中から特にいいものだけを厳選した方がいいのではないか？　そうして、沢山の人に読んでもらった方がいいのではないのか？　　学術的には前者の方がいいと思う。　「人に読んでもらう」ということを中心に考えるならば、後者の方がいいと思う。　前者の本を作るには、学術出版助成をとらなければならないが、それは簡単なことではない。　後者の本を作るには、ひょっとすると、それを取らなくても何とかなるかもしれない。　そういうことも含め、さて、学術的な価値をとるか、多くの読者を獲得することをとるか。どちらも大切なことですが、どちらかを選ばなければならないのであれば、私はどちらをとればいいのか？　うーん、悩むね～・・・。　　初志貫徹するか、それとも、色々な意味で利をとるか。　悩むな～・・・。　どうすればいいの、ワシ？

April 21, 2015

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タウン誌

　地方に遊びに行く楽しみの一つに、その地方で発行されているタウン誌を読む、というのがありまして。私はこれが好きで、そういうのが置いてあるのを見つける度に必ずもらってくるようにしています。　山梨県には『Beek』というタウン誌がありまして、今回ももらってきちゃった。そしたら、たまたま今出ている号の特集が「本が好き」というもので、まさに本好きのワタクシとしてはラッキー、って感じ。　で、山梨県の今の本事情を色々知ることができたのですが、この観点から言うと、今、山梨の中でも熱いのが山中湖周辺らしい。　まずは「アトリエ・プティカ」というカフェ。このカフェ、湖のほとりのいいポジションに建っていて、しかも「本」を店内の至るところに配置しているらしい。『BEEK』には実際に店内の写真も載っているのですけど、写真で見る限りなかなか魅力的。これを見たら、このカフェに行くためだけでも、山中湖を訪れてみたい気になります。　そしてもう一つ、山中湖のほとりに、その名も「ホトリニテ」という宿泊施設があるらしいのですが、これもまた面白い試みをしているらしいんです。　「ホトリニテ」は、もともとどこかの会社か何かの保養施設だったようで、言っちゃ悪いけど単に宿泊施設として見ればタイプが古い。だから、そのままではあまり魅力のあるところではないのですが、今の経営者（すごく若い人）の代になってから、ぐっと魅力が増したというのですな。　まず、設備が古いなりに、掃除などを徹底し、それこそ舐めるようにきれいにしたと。それで宿代は3,000円台とか格安なので、その時点で十分魅力的。　で、そこにもってきて、「ホトリニテ」は「本」を導入してきた。つまり、施設のあちこちに面白そうな本を置き、まるで書店の中に泊るような感じにしたんですな。だもので、本好きにはたまらない宿泊施設に生まれ変わったと。　　うーむ、なるほど。ますますもって、山中湖に一泊したくなってきた！　「アトリエ・プティカ」にしても「ホトリニテ」にしても、「本」というものを道具に使って、それぞれ魅力あるカフェ、魅力ある宿泊施設にしてきた、というわけですが、そう考えると、「本」が持つ潜在的な魅力とかパワーってのは、まだまだ捨てたもんじゃないってことでしょうな。　それにしても、こういう情報って、ネットで探そうとしてもなかなか出てこないですからね。やはり現地のタウン誌をもらってきたからこそ得られる情報ってのがあるということでしょう。　情報なんてすべてネットで得られると、私なぞもつい思ってしまいがちですが、そういうもんじゃないってことを改めて認識させられたのでした。

April 20, 2015

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清里の荒廃

　週末を利用して、八ヶ岳の方にドライブ旅行に行って参りました～。この時期、八ヶ岳南麓は桜満開。東京や名古屋で観終わった桜を、もう一度見られるというのが、この時期、この辺りを旅する醍醐味の一つでね。今回も、桜、きれいでしたよ。　ところで、今回の旅の目的の一つは、清里にある「安達原玄仏画美術館」を訪れること。　ここは女流仏画師・安達原玄さんの作品を置いてある美術館なのですが、玄さんの息子さん、文彦君が、実は私の中学校時代の同級生でありまして。卒業後初めて、すなわち三十数年ぶりに会いに行った訳。　で、事前になんの予告もせず、ただふらっと美術館を訪れて、展示物を一通り見て、帰り際に受付の人に「実は文彦さんは私の同級生なのですが・・・」と伝えると、奥からキートン（＝文彦君）が飛び出してきて久々の邂逅。「なんだよ～、前もって来るって言えよ～！」　で、即席で互いの近況を話したのですが、彼はもう三人の子供のお父さん、一番上のお嬢さんはほやほやの大学生とのこと。でも、本人を見ると、とてもそんな大きなお嬢さんがいるようには見えず、お互い１５歳同士の感じがしてしまうんですけどね。ま、彼も僕も、大分白髪が混じるようになりましたが。　でまた、人脈ってのは不思議なもので、話をしているうちに意外なところに共通の友人がいることが判明したりして、世間は狭いもんだなあと。　実は彼のご母堂様、安達原玄さんは残念なことに先月お亡くなりになったのですが、美術館は文彦君が、また仏画については彼の奥様が玄さんの衣鉢を継ぐことになったらしく、その点では安心できるようになったとのこと。　今回は、長居できませんでしたが、これでお互いのことが大分判りましたので、次はちゃんと事前に連絡して、一緒に飯でも食おうかな。でも、子供の頃の友人に何十年かぶりに会うってのは、面白いね！　ところで、今回は清里周辺を見てきたのですが、観光地としての清里の衰退ぶりというのは怖ろしいようなもので。　ネットで「清里、廃墟」などと検索すると、駅前の凄まじい荒廃ぶりなどを見ることができますが、大学時代、御多分に洩れずこの辺で合宿をした世代のワタクシとしては、清里駅前のシュールな荒廃風景をみると、感無量という感じがします。清里駅前の象徴でもあった「ミルクポット」とか、シュール過ぎて、「ファンシー廃墟」と呼ばれているんですってね。　それと、今回、清里フォトアートミュージアムで「ヤング・ポートフォリオ」（これは素晴らしい展覧会でした）という展覧会を見てきたのですが、ここでも清里の凋落を目の当たりに。　このミュージアムは、モダンで巨大な建物の半分を占めていて、残りの半分は「パトリ」というところが経営する会員制ホテルだったんです。ところが、そのパトリがホテル経営から撤退してしまったということで、ホテル側の建物が今、放置されているわけ。　バブル末期に建てられていますから、重厚なコンクリ造りのすごい豪華な建物だけに、維持費も大変なようで、暖房用のボイラーの修復時期が来ているのだけど、その修復に１千万かかる。しかし、パトリが手を引いた後、それを払う母体がないものだから、建物全体の暖房もままならないようで、フォトアートミュージアムでも、あちこちに電気ストーブが置いてありましたなあ。　しかし、こんな重厚なコンクリの塊、壊すのも相当金が掛かるでしょうし、壊すこともできないまま、廃墟への道を進むことになるのでしょうか。　その他、清里の至るところに「兵どもが夢の跡」的な建造物が朽ち果てていて、その荒廃感がすごい。　八ヶ岳に別荘を！　というのがワタクシの長年の夢なんですけど、清里の荒廃を見るにつけ、「こういうところに終の棲家を作って大丈夫なのか？！」という疑問がちらっと脳裏をかすめるようになってきたというね。ま、小淵沢の方は、清里ほどブームにならなかっただけに、あれほどの荒廃は感じられませんけど。　ま、とにかく、昔の友だちに会ったり、清里の荒廃ぶりに改めて接したりして、懐かしいやら何やら、印象的な旅となったのでした。

April 19, 2015

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追悼・愛川欽也

　キンキンこと愛川欽也さんが亡くなりましたね。享年８０。　愛川さんを最初に認識したのは、アニメ『いなかっぺ大将』のニャンコ先生の声でしたかねえ。愛嬌のあるしわがれ声というのか。あの「ニャン、パラリ」の。そして深夜枠で言えば、「パックイン・ミュージック」に「１１ＰＭ」。ラジオのＤＪ的なトークをテレビに持ち込んだ、「サンデーＰＭ」だったかな？、そんなのも面白い試みでした。　もちろん『トラック野郎』というのもありましたが、結局キンキンは、俳優と言うよりは、「声の人」だったんじゃないかなあ。俳優としては、コミカル過ぎる、あるいは一生懸命過ぎて逆に哀愁が漂い過ぎる感がありましたが、そのコミカルで哀愁漂う独特の「声」を声自体として聞く限り、なんとも愛嬌があって抵抗なくリスナーの耳に入ってくる。　その意味で、彼は比類なき名ラジオ・パーソナリティーであり、名司会者だったのではないかと。彼が司会した『なるほどザ・ワールド』も『アド街ック天国』も、長く続いて少しも人気が衰えませんでしたからね。　そんなキンキンが亡くなって、ケロンパも淋しいでしょうなあ。　でも、亡くなる直前まで仕事をし、明日公開予定という映画まで撮っていたというのですから、いい生涯、いい死に方だったとも言えるでしょう。　子供の頃から慣れ親しんだ「声」の人、キンキンのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。

April 17, 2015

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意外なところでお宝本発掘！

　今日は、近々出版する予定の本の校正原稿を受け取りに、大学から少し離れた、先輩同僚のご自宅まで行ってきました。　で、その用事は無事に済ませたのですが、どうせここまで来たのなら、ついでに寄って行きたいところもある。それは、「あじさい堂書店」という、この辺りでは知られた古書店なんですが。　私は名前だけ知っていて、実際に行くのは初めてだったのですけど、店に入ってみると、これがなかなか筋のいい古本屋さんでね。　筋のいい古本屋さんの第一条件って何かご存じ？　それは、店頭の１００均本の棚の充実ぶり。ここにつまらない本しか置いてないようだと、店の中も大したことがないことが多いんです。　で、この店の場合、まずはこの１００円均一本の棚で、良い本があったのよ。お、これは行けそうだぞ！　で、店内に入ってビックリ。前から探していた本がどーんと棚に刺さっているじゃないですか！これこれ！　↓黒と白—オーブリー・ビアズリーの肖像 (1969年) [古書] by ブリジッド・ブローフィ; 須山静夫...価格：8,618円（税込、送料別）　イギリス１９世紀末を彩る異才、オーブリー・ビアズリーの本、しかも、ビアズリーのおどろおどろしい挿絵たっぷり！　なぜこの本を長年探していたかと言いますと、これ、私の恩師の訳なんですよね～。　ちなみに楽天では8,618円だそうですが、私はこれを2,000円でゲット！　リーズナブル！　・・・と思っていたら、アマゾンで1,000円未満で売ってたよ・・・（爆！）　だけど、古本との出会いは値段じゃなくて、縁だからね。この日、ここで出会った以上、買うのが古本道の掟よ。　ということで、今日は仕事を一つ片づけられたのみならず、長年探していた古書と遭遇して、かなりハッピーな一日となったのでした。今日も、いい日だ！

April 16, 2015

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ジェイン・オースティン

　今年、私のところで修士論文を書く院生を一人預かっているのですけど、この院生の修論のテーマはジェイン・オースティン。そう、『高慢と偏見』の作者。基本イギリス文学ですから、アメリカ文学が専門の私からすると畑違いではありますが、そこはそれ大人の事情で私の下で修論を書くことになったんですな。　で、そうとなったらワタクシ流の指導が入るわけで。　オースティンと言えば、200年前の人ですから、その研究の歴史は半端ない（はず）。本国イギリスの研究者だって沢山居るはずですから、そういう連中と伍して行ったらとてもかなうはずがない。勝負にすらならないでしょう。　だったらどうするか。戦いのフィールドを移してしまえばいい。　例えば「オースティンの作品は、日本においていかなる受容のされ方をしたか」というテーマにしてしまえば、イギリス人のオースティン研究者のほぼ全員を戦いのフィールドから排除することになる。彼らには日本語で書かれた資料が読めませんからね。だから研究上のライバルの数はぐっと減って、ここから先は日本人のオースティンの研究者の中で特に「日本における受容史」をやっている人だけが相手になる。　では、その少数に絞られた日本人の研究者たちが目を向けてないフィールドはどこか？　そこのところをさらに絞り込めば、ワタクシの指導生の論文は、小なりといえどもそれなりに学術的な価値のある論文になることでしょう。　こうやって「自分がオンリーワンになれるフィールド」を探す。これが釈迦楽流研究術というものでね。我が院生君にも、そんな方向性で仕込んでいるところ。　ところで、そんな風に日本における受容史を調べさせてみると、なかなか面白いことが分かってくるのよ。　例えば、日本で一番最初にオースティンを論じた／紹介した奴は誰か、という点を調べてみると、諸説あるものの、ラフカディオ・ハーンか、漱石か、逍遥か、その他数人か、といったところに落ち着くらしい。いずれも、1900年代の最初の十年の話ですな。　この場合、特に興味深いのは漱石であることは当然です。　じゃ、漱石はオースティンをどう見たか、というと、まずその写実性を評価したらしい。リアリズムがすごいと。　で、もう一点、漱石がオースティンを読んで感じたのは、「conflict」という側面だった。つまり、「小説の中で、登場人物たちがやたらに恋愛上で対立し、その対立を表に出してやがんなー」というのが、漱石の感想だった。　で、この二番目の点に関しては、「すごいな」と思ったのではなくて、「妙だな」と思ったらしい。つまり、日本の伝統からすると、ちょっと違和感がある、という感覚。日本では「惚れたはれた」は隠すもの、ましてやそういうことについて、「私はこう思う」「いや、私はそうは思わない」などと、対立しながら論じるなんてことはありえないのに、イギリス文学ではそういうことをする人々を写実的に描写している。それは妙だと。　で、漱石は、「妙だな、変だな、違和感アリアリだな」と思いながら、自分の小説の中で、まさにそれを取り入れた。漱石の小説は、まさに日本初の「恋愛conflict」文学ですから。　ははあ。なるほど。　で、私の指導生に言わせると、日本ではオースティンは、おおむね高評価されていて、もちろん本国でも高評価されてはいるのだけど、日本とイギリスにおけるオースティン評価で一つ異なるのは、イギリスの場合、オースティン作品に対する「低評価」ってのがあると。　例えば、Ｄ・Ｈ・ロレンスがくそみそに言っていると。　　ははあ。なるほど。　　ま、現時点ではその程度しか分かってないようですが、私自身が無知なせいか、このあたりまででもなかなか面白そうではないですか。このまま、この方向で突っ込んで調べて行ったら、結構面白い研究になりそうです。　　ということで、「負うた子に教わる」じゃないですけど、教え子から教わることは多いなと、ちょっと感心しているワタクシなのであります。

April 15, 2015

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発想が逆！

　先輩同僚のエッセイ集を私が編纂し、うちの大学出版会から出版しようと思っているのですが、私のそのプロジェクトを審査する会議が開催され、私はプレゼンに行って参りました。　で、まあ、私の企画自体は一応通った・・・形にはなったのですけれども、審査の過程を見ていると、どうにも歯がゆくてね。　実は私はこの出版会の創立メンバーでありまして、創立当時は結構、熱いメンバーが揃っていたんですわ。それで、最初のうちこそ資金がないけれども、出版物を出し、その売り上げが出始めたら、それをキープして自己資金とし、いずれは出版会に出版助成の制度を作って、内の大学の先生方から企画を募集する、なんてことができたらいいね、みたいなことも話し合っていたわけ。　ところが先代の学長の時代に、出版会の形態が変えられ、メンバーは総とっかえ。他の委員会と変わらないものにされてしまったんです。　で、出版会の委員になる人も、各学系から強制的に選ばれることになってしまった。その結果、「出版」ということに興味も関心も意欲も何もない人が、仕方なくこの仕事をすることになったわけ。　そうなりゃ、出版会が創立当時に持っていた情熱なんて、あっという間に蒸発しますよ。　で、何年かぶりで出席したこの委員会も、白けたものになっておりましてね。　委員となっている人は、大学の役員ばかり。だから、やたらに「規則」に縛られるんですわ。　で、「規則によれば、年に２回、６月と１２月に締め切りを切って出版企画を募集することになっていまして、釈迦楽先生の企画は、この規則からすると例外となりますが、そういう風に例外を作ってしまっていいのでしょうか」なんて、つまらない意見が出たりする・・・。　私からすれば、「黙れ、下郎！」って感じですよ。　大体、現状、うちの大学の出版会に持ち込まれる企画の数たるや、年に３、４個ってんですよ。たった３つか４つ。それなのに、６月と１２月に企画持ち込みの締め切りを切るって、どういうこと？　　出版なんて勢いまかせでやりゃーいいんですよ。思いついたが吉日だ。で、企画が出たら、メール会議でもやって、「こういう企画が出ましたが、許可していいですよね」とかなんとか、ちゃちゃっとやれば済む話じゃないの。　でまた、私が委員だった頃にはなかった「査読」っていう制度が「規則」に盛り込まれたようで、私の出版企画もいずれ査読を受けなくてはならなくなってしまった。　なんだよ、査読って。信用してくれよ。私がいい本出すよ、って言っているんだから、査読なんかしなくていいだよ、ボケ！　もうさ、規則、規則でがんじがらめ、締切にしても、査読にしても、そんな風に自分でハードル高くしたら、今でさえ年に３、４本しかない出版企画が、もっと少なくなっちまうじゃないか。それ、自分で自分の首を絞めているようなもんだぞ。　まあ、出版に興味のない連中からすれば、持ち込まれる出版企画が少なくなれば、それだけラッキーということか・・・。　私だったら、そんなハードルは全部取っ払って、とにかくうちの大学の先生方に呼びかけ、叱咤激励して出版会から本を出してもらい、その売り上げで自己資金を増やし、さっき言ったみたいに、それを使って出版助成の制度を起ち上げるけどなあ。だって、その方が面白いじゃん。先生方だって、出版助成が受けられるなら、自分の研究成果をうちの大学出版会から本にまとめよう、っていう気になるだろうし、そうやって大学が世の中に本をどんどん出せばいいんですよ。そうやって、大学を面白くしようという気はないのかね。　ほんっと、うちの大学の執行部のやり方には、ウンザリさせられることばかりだねえ・・・。

April 14, 2015

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春の椿事

　まあ、新学年始まって、慌ただしい日々が続いておりますが、こういう時に限って色々と椿事が起こるものでありまして。　大学には、大学の先生方の日々の業務をサポートする部門がありまして、うちの大学ですと、非常勤の若い女性が担当することが多い。我々としても、若い女性が窓口にいると何かと頼みやすいところもあって、それはそれでうまく機能しているのですが。　ところが、その非常勤の女性二人が三月末で同時にお辞めになったんですな。非常勤は１年の期限つきですから、その期限が来た、ということなのでしょうが。　で、その女性たちの代わりに、この４月から、そのポジションに男性職員が入ったんです。その方は、私もよくお世話になる大ベテランの方なんですが、普段は若い女性の非常勤のポジションなもので、「アレ？」と思いましたが、まあ、支障がある訳ではないので、そんなものかなと思っていたわけ。　しかし・・・。　その大ベテランの方が、今日をもって辞職されることになったと。ポジションを降りるという意味ではなく、大学をお辞めになるというのです。　その連絡を夕方に受けた私は、ちょっと驚きつつ、その方には長年お世話になってきたこともあり、お別れのご挨拶に出向いたわけ。　で、ちょっとお話しできたのですが、その方はこの３月で定年を迎えていたそうで、しかし、もう少し働こうと思って定年延長を申請し、４月からもこの大学で働いておられたのですが、急に「もういいかな」という気分になり、辞職を決意されたとのこと。「新しいポジションについてわずか２週間で辞めるという、カッコ悪い辞め方をしてしまって申し訳ありません」と、ひたすら詫びておられました。　私はてっきり、何か重い病気が発覚したのではないかと思って、怖れていたのですが、そういうことではなかったらしく、その点は安心しました。　だけど、それと同時に、「ははーん」と思い当たるところがありまして。　そのベテランの職員の方はそういうことを一言も仰っていません。なので、ここから書くことは私の想像の域を出るものではないのですが、その方は、大学の自分に対する扱いに絶望されたのではないかと。　だって、その方は、ついこの間まで事務職として相当上の地位にいた方なわけですよ。課長か部長か分りませんが、とにかく。　で、その方がもう少し働きたいと思って定年延長を申請したら、なんと、普通なら非常勤の若い女性が就くようなポジションに置かれたわけですよ。それは譬えて言えば、中間管理職だった方が、定年延長したら、お茶汲みに回された、という感じでしょうか。　それはまずいだろうと、私は思うわけ。何十年も大学に貢献してきてくれた大ベテランを、幾らなんでもそういうポジションに置いてはいけないと思うんですよね。　人間って、やっぱりプライドで生きていると思うんですよね。なのに、うちの大学は、その大ベテランの方のプライドを打ち砕いたんですよ。だから、「もういいや」と思われたのではないかなあ。そういう仕打ちを受けてまで、働きたくない、と思ったんじゃないかなあ。　まあ、これは私が勝手に想像したことなので、ほんとうのところは分りません。だけど、多分、これが真相じゃないかな。　　ああ、うちの大学って、ベテランに対してそういうことをするんだ、と思うと、その方だけでなく、私もまたモチベーション下がります。どうして、そういうことを平気でするんだろう・・・。そういうことをして、何も感じないのかなあ。　　４月始まって２週間目の椿事に面喰いながら、何だか、納得できない思いを受けているワタクシなのであります。　

April 13, 2015

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野村佃煮に舌鼓！

　先日、伊勢・志摩ドライブ旅行をした際、伊勢のおかげ横丁の中にある、全国の名産お取り寄せ的な店でなにげに買ったものを、今日、食べたのですが、これがまた驚愕的においしかったのよ。　で、あまりのおいしさにネットを見たら、楽天で売っていることが判明。これこれ！　↓炊き立てご飯に混ぜ合せるだけで出来上がる手軽で便利な混ぜご飯の素です。【京風混ぜご飯の素...価格：583円（税込、送料別）　これ、三合のご飯を炊いて、その炊きあがったご飯に混ぜるだけ、という、超簡単な仕組みなんですけど、実に旨い！　山椒の風味がピリッと効いて、食が進む、進む。教授絶賛の逸品、熱烈おすすめ！　でございます。583円という値段も、なかなかいいよね！

April 12, 2015

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ついにウィキペディア上場！

　今日の一番のニュースは、私がウィキペディアに登録されたこと！　　いやあ、ついにワタクシも、ウィキペディアに載るようになりましたか・・・。　あ！　もちろん、自分で登録したんじゃないよ。誰か、奇特な人がやってくれたんでしょう。誰なんだろうね。　自分で登録するなら、武道歴も書き込みますから。八光流柔術二段、とか。　しかし、名前が載っただけじゃね。もう少し業績を増やさないと。　だけど、とりあえず「土俵に上がった」感があって、ちょっと嬉しい！　よし、ますます頑張るぞ！　　さて、今日の私は、エッセイを書いておりました。４月２０日締切で、日本エッセイスト・クラブから頼まれていたもので。　何を書こうかと思ったのですが、エッセイスト・クラブ向けだから、自分なりのエッセイの書き方、的なことを書こうと思い、このブログのことを書いちゃった。ちょうど、ブログ十周年を迎えたことだし、その記念にもなるかなと思って。　しかし、現時点では字数を大幅にオーバーしちゃったので、これから何とか縮めないと。何かを書くって、この削る作業がキツイんですけどね。　ま、頑張ります。

April 11, 2015

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選択肢ではない

　つんくさんの件で、「声をとるか、命をとるかで、つんくさんは後者をとった」みたいな言い方がされているのを散見するのですが、それは違うよね。　だって仮に後者をとらなかったら、前者もとれないもん。だから、これは選択肢の問題ではないと思う。大変だけれども、彼は当然すべきことをしたまででね。でも、音楽家としての活動は、声帯の上だけではなく、五線譜の上でも出来るわけだから、今後とも頑張ってもらいたいものです。　さて、今日の私のニュースとしては、某有名書評紙から書評を頼まれたこと。頼まれた本がいかにも私向けだったこともあり、依頼が飛びこんできた瞬間に「引き受けます」のリターンをしちゃった。依頼した方もビビるくらいの速攻。まさにリターン・エース級。　しかし、モノ書きを目指す身としては、有名な書評紙からの依頼を断るという選択肢はないのよ。断ったら、次はないんだもん。これに関しては、来た仕事は誠実にこなす。字数と締切を遵守する。そして頼んだ側の期待値を上回るクオリティの仕事をする。それしかない。それ以外の選択肢は、ない。　というわけで、ちょっと仕事が立て込んじゃうのですが、とりあえずこの週末は、当該の本を読むことから始めようかなと。頑張るぞ～！【楽天ブックスならいつでも送料無料】サリンジャーと過ごした日々 [ ジョアンナ・ラコフ ]価格：2,376円（税込、送料込）

April 10, 2015

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今日は何の日？

　今日は何の日だ？　分かる人？　はーい、そこのあなた。　何？　釈迦楽教授の誕生日？　正解でーす。　　そうなの。今日はワタクシの誕生日！　おめでとうって言って。　でも、まあ、段々誕生日があんまり嬉しくない年代に差し掛かっておりますなあ。このくらいになってくると、誕生日は二年に一度でいいな。もっともワタクシは基本、人間ではなく、妖精なので、人間の年齢とは比較にならないんですけどね・・・。　さて、そのお誕生日のワタクシが今日何をしていたかと言いますと、ウィリアム・フォークナーの弟であるジョン・フォークナーが書いた兄の思い出の記を読んでおりました。　ま、フォークナーというのは、私は専門でも何でもないのですけど、ちょっと頼まれ仕事を引受けてしまったので、その下調べをしていたというわけ。私はもう、人から頼まれた仕事はしないと決めているのですが、今回はちょっと断りきれない事情があったもので。　で、とにかく弟の目から見た若き日のフォークナー像についてあれこれ読んでいたのですが、それでちょっと驚いたのは、実はフォークナーがすごいお洒落だったという話。　例えば、めちゃくちゃ細身のズボンを穿きたい一心で、仕立て屋に思いっきり細身に仕立ててもらった上、さらにそれを母親に頼んできっちきちに詰め、ほとんど膝が曲がらないほどぴったりしたズボンにして得意になって穿いていたとか。　うーん！　そうなの？　なんとなくお洒落なんか気にしないタイプの人かと思っていたのですが、そうじゃないのね。　それに、フォークナーは小柄ながらスポーツ万能で、アメフトとかも含め、運動系なら何でも来い、という感じの若者だったらしい。　ふーん、そういうのはヘミングウェイの話かと思ったら、そうでもないのか！　まあ、馬が好きだったということ、それから飛行機の操縦をする人だったことは知っていましたけど、そこまでスポーツ万能だったとは意外・・・。少しフォークナーに対する認識を変えないといかんですな。　　あと、もう一つ面白かったのは、実はフォークナーの小説に登場するキャラクターの多くにはモデルがいた、という話。フォークナーのような人になると、もう圧倒的な想像力だけで架空の人物を作り上げちゃうのかと思っていたらそうでもなくて、読む人が読めば、ああ、この人のモデルは誰だな、というのが分るらしいんです。もちろん、モデルがいるから想像力がない、ということにはなりませんが、それにしても、そういうもんなんだ～、ということが判って、私には面白かった。　まあ、頼まれ仕事だろうが何だろうが、やっぱり何かを読めば、何かを学ぶことができるわけですな。　ということで、普段読まないようなものを読みながら、案外面白いなと思っていた誕生日のワタクシなのでありました、とさ。

April 9, 2015

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映画『イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密』を観た

　昨夜、『イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密』という映画を観たのですが、これがなかなかの傑作でね。自分の記憶のために覚書を書きつけておきますが、以下、ネタバレ注意ということで。　　時は第二次世界大戦中、イギリスとドイツは交戦状態にあり、イギリスはナチスの空爆に苦しめられ、国民は窮乏を余議無くされていた。同盟国アメリカからイギリスに向けて食糧が輸送船で届けられるも、途中、Ｕボートの攻撃にあってことごとく撃沈されてしまう。　ドイツ軍の攻撃は、ナチス中央政府からの命令で行われており、それは当然傍受可能なのですが、その命令は「エニグマ」と呼ばれる暗号製造機を通して送られていて、しかもそのコードは毎日変更されるので、実質的に解読不能とされていたんですな。　で、その解読不能なものを何とか解読すべく、イギリスではチェスの名手やパズルの名手、さらには言語学者など暗号解読に長けたメンバーで秘密のチームが作られ、日々、エニグマの解読にトライしていたわけ。　で、そこに新たなメンバーとして加わったのが、本編の主人公にして数学の天才、アラン・チューリングだったと。　彼はエニグマが作り出す暗号を人力で解読するのは無理と最初から考えており、暗号作成機であるエニグマに対抗する「暗号解読機」を、すなわち「マシン」を製造することを主張してチームのメンバー刷新とマシン作成のための巨額の投資を政府に要請。その妥協を知らない傲慢な態度は、チームの他のメンバーたちからの反感を買い、チューリングは孤立してしまう。　しかし、チューリングの強い推薦で新たに加わった女性メンバーであるジョーンが、チューリングの異次元の才能を見抜き、エニグマの解読には彼のリーダーシップがどうしても必要と判断、チューリングと他のメンバーの緩衝役を買って出るわけ。そして彼女の貢献もあって、チューリングと他のメンバーは次第に理解しあうようになり、チームは一丸となってエニグマ解読のためのマシン、「クリストファー」の製造に全力を挙げる。そして、チューリングはジョーンと婚約することに。　ところが。　チューリングとジョーンは、互いに深く理解しあってはいたものの、結婚できない関係にあったんですな。というのは、チューリングは同性愛者だったから。　チューリングは別格の天才であったがゆえに、学校時代には激しいいじめにあっていた。しかし、そんな中、ただ一人の友人・クリストファーだけは彼の味方となってくれた。そして共に数学に優れ、暗号解読という趣味を共有していた二人は、次第に友情を深め、それがいつしか、淡い恋心へと発展してしまう。　しかし、チューリングの「初恋」は実らなかったんです。休暇で寄宿舎から離れていた間に、クリストファーが死んでしまったから。実は彼には結核の持病があり、長くは生きられない運命にあったんですな。　エニグマ対抗機に「クリストファー」と命名したチューリングの心には、常に亡き友・クリストファーの影があったと。　そしてそのクリストファーは、機械としては完成するのですが、しかし、それをもってしてもエニグマが作り出す暗号を解読するには至らず、業を煮やしたイギリス政府は、成果の出ないこのプロジェクトの中止を検討し始めてしまう。チューリングの野望もついに頓挫するのか・・・　・・・と思われた時、思わぬところから解読のカギが得られ、それを使ってついにチューリングたちはエニグマの解読に成功！　しかし！　実はここからが大変だったんです。　もしイギリスがエニグマの解読に成功したと知れれば、ナチスはただちに別な方法で暗号を作ろうとするはず。となれば、２年間を費やしたチームの努力は、元も子もなくなってしまう。　そこで、ナチスがそのままエニグマを使い続けるよう、まだ解読に成功していないフリをしなければならなかったんです。つまり、政府やイギリス国民すらも騙して、ナチスの攻撃を阻止できたのは偶然である、とナチスに思わせるように、イギリス軍の軍事行動を律していかなければならなかった。　ということは、本当なら防げるナチスの攻撃を、あまんじて受けなければならない、というシチュエーションも出てくるわけ。イギリスを勝利に導くためには、解読チームのメンバーの兄が乗った船を、みすみすＵボートに撃沈させなければならない、というような状況も出てくる。イギリス軍やイギリス国民の、どの部分を助け、どの部分を見捨てるかを、チューリングたちが決めるという、精神的に過酷な仕事に従事しなければならなくなってしまうんです。しかも、極秘裏に。　そしてこのおかげで、エニグマを解読しなかった場合と比べ、イギリスは戦争を２年も早く終結させることに成功し、そのために１４００万人ものイギリス人を救った計算になるのですが、それだけの貢献をしたにも関わらず、チューリングたちメンバーは極秘のうちに任務を解かれ、彼らの多大なる貢献は闇に葬られてしまう。　そしてその数年後、チューリングは同性愛者として逮捕されてしまいます。イギリスでは、１９６７年まで男色は刑事罰の対象だったんですな。そしてチューリングは、入獄する代わりに「強制的ホルモン治療」を受けることを選択する。彼はその時もなお、「クリストファー」の改良、完璧なマシンの作成に従事しており、そのマシンと離れ離れになることは、チューリングの選択肢にはなかった。　しかし、そのホルモン治療なるものが、チューリングの天才的な頭脳に大きなダメージを与えてしまう・・・。　そして、チューリングは、わずか４２歳にして自殺を遂げることになります。彼の自宅では、改良型の「クリストファー」、すなわち、後の時代の「コンピュータ」だけが、彼の死を見守っていた・・・。　　という映画。　ある意味では、第二次大戦一のヒーローであったチューリングが、その貢献が知られることもなく、逆に同性愛者として逮捕されるという恥辱のうちに、無残な死を遂げなければならなかったという数奇な運命。そしてその運命の基調音となったのは、少年時代の友人にして恋人、クリストファーへの遂げられなかった思いがあった。　つまり、チューリングは、あれだけの大天才でありながら、生涯、「悲しい人」であり続けたということ。このことが、映画を観る者の心に突き刺さってくるのよ。　主人公の悲しみの根源が少年時代にすでに植え付けられていて、その後に果たされたすべての偉業も、その悲しみのためにことごとく崩れ去って行くという図式。これはまさに、『市民ケーン』と同じ構図でありまして、この映画にギリシャ悲劇的な悲劇性を与えております。　そして、いじめられっ子であったチューリングを励ましたクリストファーの一言、「（君のように）意外な人が、大きな仕事を成し遂げるのだ」が、その後、チューリングとジョーンの間で２度、決定的な場面で繰り返されるその見事な脚本！　まさに『市民ケーン』の「バラのつぼみ」のごとし。　そしてそして、全編を通じてチューリングを演じたベネディクト・カンバーバッチの熱演も素晴らしい！　そして脇を固める俳優陣もよくて、ジョーンを演じたキーラ・ナイトレイもなかなか良かった。　さらに細かいところもよく描けていて、たとえば、作品中、仕事に、あるいは人間関係に煮詰まったチューリングが野原みたいなところを走る場面が何度かあるのですが、これも実際にチューリングが走るのが好きで、研究所からロンドンへ出張する時も６４キロの道のりを走っていき、しかもそのタイムは当時のマラソンの世界記録と大差なかったというエピソードを元にしている。神は細部に宿るので、こういう細かい演出は評価できます。　　ということで、本作品に対する私の評価は・・・　「９１点」でーす！　おお、久々の９０点台！！　　まあ、とにかくね、しのごの言わず、観てごらんなさいな。絶対に損はしません。近年稀にみる素晴らしい出来でございます。教授の熱烈おすすめ！　です。

April 8, 2015

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『地獄の黙示録』再見

　コッポラの『地獄の黙示録』、ずーーーっと昔に見て、つまらないなと思ったまま放置し、その筋書きやら何やらもあらかた忘れ果てていたのですが、大学で『アメリカ映画入門』的な授業も受け持つ身、さすがにこの問題作の記憶が曖昧じゃいかんだろうと思い直し、ＤＶＤを買って見始めたわけ。　だけど、色々わけあって、ちょっとずつちょっとずつ時間のある時に見たので、結局、昨年の秋くらいから見始めて、半年くらいかかって今日、見終わったという。　で、改めて思ったんだけど、この映画、つまらないね！　やっぱり、つまらない映画は、時間を置いて二度見てもつまらないわ。『ゴッド・ファーザー』撮った監督が撮ったとはとても思えない。賛否両論ある映画ではありますが、私は圧倒的に「否」の方に加担。思わせぶりなだけで、何がカーツをしてああいう行動をとらせたのか、上手に描かれているとは思えないし、カーツに短時間会っただけで、彼の何が分るのか、それも上手に描かれてないので、主人公の行動もよく分からない。冗長だし、無駄なシーンも多いし。一言で言って見る価値なし。お好きな方はどうぞ。でも、私にはまったく響かない映画ですな。　ただ、一つ面白いなと思ったのは、この映画にローレンス・フィッシュバーンが出ているのに気が付いたこと。ローレンス・フィッシュバーンって、モーフィアスですよ、『マトリックス』の。あの貫禄のモーフィアスが、ひょろひょろの少年兵役で出ている。人に歴史ありですなあ。　さて、そんなつまらない映画はどうでもいいんですけど、今日はレイトショーでいい映画を観てきましたよ。　今日見たのは『イミテーション・ゲーム』。第二次大戦中、ナチスの暗号装置「エニグマ」を解読したことで知られる天才数学者アラン・チューリングを描いた映画。　これ、例によって「事実に基づいた映画」でありまして、その手の映画に厳しいワタクシの鑑賞に耐えるかどうか、不安だったのですけど、実際に見てみたら、これがよく出来た映画なのよ。　詳しくはまた明日にでも書こうと思うのですけど、脚本がいい！　すごくいい！！　そしてアラン・チューリングを演じた主役のベネディクト・カンバーバッチがまたいい！　まったくいい映画に出会えなかった昨年と違って、今年はなかなか映画運がいいんじゃないかと思うくらいの出来。　もう時間も時間なので、この映画に関しましては、明日のブログで詳しく書くことにいたしましょう。　それでは、皆さま、お休みなさーい。

April 7, 2015

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国際人に必要な

　ケニア・ガリッサ大学で起った銃撃事件、恐ろしいね。こういうの、まさか日本の大学とかで起きないでしょうな。くわばら、くわばら。　しかし、銃撃をした連中は、学生をとっつかまえて、「お前はイスラム教徒か？」と尋ね、「そうだ」と答えると、「じゃあ、コーランを暗唱してみろ」的なテストをしたとか。答えられなければ、バーンと。　こうなってくると、テロから身を守るために、国際人たるもの、コーランのことを一通り勉強しておくのも必要かもね。教養として。　その場合、やっぱ、井筒俊彦大先生あたりの本から入るべきかしら。　井筒俊彦は私の大先輩にあたる人ですが、語学の天才で、アラビア語を習い始めて1ヵ月でコーランを読破したとか。まあ、そういう超人的なエピソードは凡人には参考になりませんが。　今まで敬して遠ざけてきた井筒さんですけど、こうなってくると、少し読んでみようかな。【楽天ブックスならいつでも送料無料】『コーラン』を読む [ 井筒俊彦 ]価格：1,533円（税込、送料込）

April 6, 2015

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関口良雄の句

　前にも書いたように、今、わが家では関口良雄ブームなのですが、この人、山王書房という古本屋の店主だったばかりではなく、加藤楸邨門下の俳人として相当な腕前だったようで。　で、私も斜め読みで関口さんの俳句をいくつか見たのですけど、確かになかなかよろしい。　例えばこんなのどう？　寝返りを　うちたる耳に　猫の恋　　ちょっと可笑し味もあって、いいじゃないですか。あと、こんなのは？　夏つばめ　窓に娼婦の　白き首　これ、水上温泉での実景だそうですけど、私、子供の頃によく水上温泉に行ったので、そういう意味でも懐かしい。　最初の句ですが、高浜虚子→稲畑汀子さんらの伝統俳句は、基本的に花鳥風月を詠むので、景色の句になることが多いわけですけど、「猫の恋」とくれば音を詠んだことになる。ヴィジュアルじゃなくて、オーディオ。それで「寝返りをうちたる耳に」てんだから、昼寝でもしていたのでしょう。昼寝の静けさと、猫の恋の騒々しさ、そのコントラストがなかなか面白い。　二番目の句ですが、「娼婦」とくれば、それだけで一つのドラマですな。一方、これに合わせるのが「夏つばめ」というところがいい。つばめは爽やかさ・明るさを表し、かつ「自由」の象徴だけど、娼婦は「夜」の象徴であり、しかも「囚われの人」。これまた二つのコントラストが、夏の日の窓辺で一瞬、切り結ぶ。そこに、おそらく、関口さんはドラマを見たのでしょう。　私は散文専門で、詩の方面はまったく疎いのですけど、これはなかなかいいのではないでしょうか。関口さんの句集、マジで買っちゃおうかな。　さてさて、今日をもちまして私の春休みは終了〜。これから名古屋に戻ります。そして明日から新学期。トホホ。また仕事かよ〜。夏休み最終日の『サザエさん』気分。　というわけで、明日からはまた名古屋からのお気楽日記。お楽しみに〜。これ、良い本よ。　↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】昔日の客 [ 関口良雄 ]価格：2,376円（税込、送料込）【楽天ブックスならいつでも送料無料】関口良雄さんを憶う復刻版 [ 尾崎一雄 ]価格：864円（税込、送料込）

April 5, 2015

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In Tune with the Infinite

　今日はラルフ・ウォルドー・トラインの『In Tune with the Infinite』という本を読んでおりました。例によって、自己啓発本なんですが。　この本の著者、ラルフ・ウォルドー・トラインは、1866年生まれ。名前がラルフ・ウォルドー・エマソンに似てますけど、実際、エマソンのような人になれかし、というつもりで付けられた名前のようで。だから、アメリカ１９世紀半ばのエマソンの人気ってのは、おそらく、現在の我々が考える以上にすごかったんでしょうな。　で、実際、トラインは、エマソンのような人になった、と。　エマソンは、New Thought 系の人たちからすると、もうバリバリの自己啓発ライターなわけですけど、トラインもその後を追うように、自己啓発ライターになるわけ。　で、言っていることは、とりあえず New Thougt そのもの。「無限の生命と力のスピリット」すなわち「the Infinite」（すなわち「神」）が宇宙の本体であり、我々人間はその一部であるから、つまり我々は神の一部であると。それはたとえて言えば、山の伏流水がとうとうと流れ込む湖みたいなもので、神と繋がっていることを自覚しさえすれば、無限のパワーが我々人間の中に注ぎ込まれることになる。ただ、この世には愚かな人が多くて、そういう愚かな人は、せっかくの水源をシャットアウトしてしまうので、湖の水は澱み、泥が溜まり、腐ってしまう。　病気だの不幸だのってのは、まさにこの状態。　では、そこから脱出するにはどうすればいいかっつーと、自分と神が繋がっていることを自覚し、無限のパワーの源からのパワーの供給を素直に受け入れればいい。そうすれば、清い水がどっと流れ込んできて、泥もヘドロも押し流し、元の清い状態に戻れ、人間の限界を打ち破るようなパワーで様々な業績をあげられると。　要は、どれだけ無限のスピリットに心を開けるかだと。その程度によって、人間は好きなだけ偉大になれる。だって、人間は神の一部なんだから。　この本で繰り返されるキーワードは、「その程度によって（in the degree that）」です。より素直に無限のパワーとのつながりを認めれば、それだけ・・・、というわけ。　例えば、仕事を首になったとする。次の仕事を探さなくてはならない。その際、「あー、どうしよ、どうしよ。やばいよ、やばいよ〜。そんな簡単に仕事なんて見つからないよ〜」とか言ってオロオロしている奴は、全然、無限のパワーを信じていない輩だと。そう言う時は、「俺は神の一部なんだし、神様が無限のパワーをくれるんだから大丈夫！　きっと前よりももっといい仕事が見つかるぞ、ひゃっほー！」と言えばいいのだそうで、そうすると、その「前よりもっといい仕事が欲しい」という願いが、宇宙空間の果てまで届き、ちょうど宇宙全体に自己広告を打った状態になるので、途端に世界中から仕事の引きが舞い込むようになる。理論的には。　トラインが言っているのは、そういうことです。　もう、ずばり、これが New Thought だよね！　バカバカしいと思います？　でも、まあ、考えよう、というか受け取りようでね。実際、窮地にある時にしけた顔をしていると、ますます不幸になるので、そういう時こそ顔をあげて堂々と、というような人生訓は、どの時代でも、どの社会でもある。現代日本だってあるでしょう。　それを New Thought 系の人が聞いたら、「そうそう、だから我々もそう言っているじゃん！」と言うかも知れない。　だから、バカバカしくはないんだよね。根本的には今も通じる話なんだと思うんです。要は、ポジティヴに考えればいいことあるよ、って話ですから。　そう考えると、 New Thought ってのは、なかなかいいんですよ。読んでいると、元気が出てくる。　　最近、私の父も年齢が堪えるようになってきたらしく、よく愚痴を言う訳。耳が遠くなった、とか、目が見えなくなった、とか、坂道がきつい、とか、物忘れが激しくなった、とか。　でも、そういう愚痴を一人でずーっと溜め込んでいたら、ますます暗くなるわけですよ。それより、New Thought の人たちが言うように、夜寝る前に、『私は神の一部であり、神から無限のパワーをもらっているから、明日は今日よりもっと良くなる。無限のパワーに心を開いたから、どんどん力がみなぎってきて、耳をよく聞えるようになってきたし、目もよく見えるようになってきたことが感じられる。ありがとうございます。感謝いたします』って言いながら眠りについた方が、本当に元気になれるような気がしない？　私はするなあ。　　ま、とにかく、１５０年前に生れた人の話に耳を傾けながら、そんなことを思っていた今日の私なのであります。

April 4, 2015

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神保町で本を探す

　仕事でどうしても何冊かの洋書（古書）が必要となったので、今日は久方ぶりに神保町に行ってきました。　昔はね、この手の本は神保町の泰文社という古書店に行けば一発だったんですが、もうこの本屋が消えて久しい。ということで、この手の洋古書を置いていそうな古本屋として、「小川図書」「北沢書店」「大島書店」「古書羊頭書房」に詣でたのですが、予想通りと言いましょうか、手応えゼロ。これらの店で何冊か買いましたけれども、求める本はありませんでした。　まあね！　最初から期待してなかったけどね！　でも、とにかく神保町にはないことがはっきりしたので良かった。もう、こうなったら、自分でアメリカの本屋にでも連絡つけて、自力で探すしかないんだ、という覚悟が出来たからね。　で、探している本がないと分かってからは、後は適当に娯楽として古本屋巡りをしたのですが、その結果、「ブックブラザー源喜堂」で『版画家　池田満寿夫の世界』（佐藤陽子さんのサイン入り！）、ボヘミアン・ギルドで同じく池田満寿夫の『my imagination map 1956-65』（本人のサイン入り！）、あと澤口書店にて池田満寿夫の『模倣と創造』（中公文庫版ではなく、中公新書版の方。これは100円だった）などをゲット。池田満寿夫の本ばかり買っていますが、私は池田満寿夫本全冊を揃えるという、生涯をかけた悲願がありますので。　ところで、買いはしなかったけれども、ちょっと心惹かれたのは、ボヘミアン・ギルドで売っていた宇野亜喜良の絵（リトグラフ？）。これは、ちょっと買いたくなるものでしたね。私、宇野亜喜良の絵が好きなのよ。先日亡くなった金子國義の絵より好きかも。また古書羊頭書房では、新書館とか千趣会から出ていた寺山修司の作品がそこそこの量置いてあって、ちょっと手が出そうになりましたね。もし寺山修司とかの本を全部揃えようなどという大願を立ててしまったら、池田満寿夫の本を全部揃えるのより苦労しそうだな・・・。　というわけで、当初のもくろみは外れましたけど、はずれたなりに世界最強の古本屋街を楽しんできたワタクシなのであります。

April 3, 2015

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女性的

　先日、姉と家内と上野に行った時、私が撮ってきたサクラの写真を見て、ぜひここでサクラの写真を撮りたいと言い出した父の願望を果たすため、今日は父と母と私の三人で再び上野を目指しました。　ま、本当は父が一人で行くと言ったのに、母が「一人で行かせるのは心配だから、皆で行こう」と言い出したので、そうなったのですが。　が！　　父と母と両方一辺に連れて行くと、これがまた疲れるのよ！　まあ、疲れさせる主たる原因は、母にあるのですが。　ま、今日はその他にも色々な障害がありまして、まず自宅最寄りの駅から湯島まで直通であるはずの電車に乗ったら、よみうりランド付近で人身事故があったらしく、小田急線が止まってしまったんです。　で、この時点で母が「これは神様が行くなと言っているのよ」と言い出すわけ。引き返して帰ろうと。しかし、父はどうしても上野に行きたそうだったので、私の発案で、新百合ケ丘で早めのお昼を食べ、復旧までの１時間ほどを潰そうということに。　で、ついさっき朝食を食べたばかりであまり食欲のないまま、ピザ一枚を三人で分けて食べながら１時間をやり過ごしたわけ。　で、再び駅に向うと、一応電車は動き出したようですが、ダイヤは大幅に乱れていて、急行にはとても座れそうもない。そこで、仕方なく各駅停車で代々木上原を目指すことにして、どうにか座ることができた。　で、これが父と私だけだったら、このまま黙って坐っていくわけですけれども、母がいるとそうはいかない。急行に抜かれる度に、あっちに乗り換えた方がいいのではないかとか、こっち側の座席は日が当たって暑いから反対側に座ろうとか、とにかくうるさい。　ああしよう、こうしようとうるさい母をどうにかなだめて、それでも何とか湯島に到着。　で、念願の写真を撮り終えたので、帰ろうとすると、母が「帰る前にどこかで食事をしよう」と言い出した。　食事？　３時に？　　それに、第一どこで食べるの？　と言うと、上野の美術館のどこかに附属のレストランがあるだろうと。　えーー、だって湯島のあたりから美術館の方まで歩くとなると、結構、あるじゃないですか。そんなことをしたら父が疲れてしまう。　で、私も「いやいや、もう帰った方がいいんじゃないの」と言って、帰宅を促すのですが、母は「せめてお茶を飲みたいと」。　で、父が「そんなに飲みたいのなら、美術館まで行くか」と言うと、母は「私が飲みたいんじゃない、あなたが（父が）飲んで一休みした方がいいでしょ」と。いや、一休みするためにトンでもない距離を歩いたら、その方が疲れるって！　で、一悶着の後、食事もお茶もせずに帰路につくことに。　しかし、午前中の人身事故の影響はまだ残っていて、小田急線乗り入れの直通電車はなく、千代田線内は座れましたが、小田急線はずっと立ちっぱなし。５時に家に着いた時は、３人とも疲労困憊。　だけど、その疲労の半分は、母のあれやこれやの提案を退けるために引き起こされたものだったのであります。　で、私思うのですが、これは一体何事だろうかと。　男は、一旦目標を決め、その目標までの行程を決めたら、もう後はそれを完徹するのみで、仮に何か突発的な障害が起っても動じないところがあると思うのですが、女性ってのは、その行程の中で常に周りを見回して、「より良い戦略」を思いついた場合、そちらに移行することをためらわず、場合によっては当初の目標でないところに向っても構わないところがあるのではないかと。　だから男からしたら、「一度決めたらそれでいいじゃないか」と思うし、女性からしたら、「男ってのは融通が利かない」と思うのでしょうな。　というわけで、今日はいかにも女性的発想をする母に振り回され、実際の行程以上に疲れてしまった父と私なのであります。男と女ってのは、いくつになっても困ったもんだ。

April 2, 2015

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関口良雄ブーム

　このところ実家では（実質的には、「父が」、ということなのですが）、関口良雄ブームでありまして。　前に私が関口良雄さんの書いた『昔日の客』が面白いよ、と教えてあげたのがきっかけとなり、父がすっかり関口良雄のファンになってしまったので、今回の帰省に当たって関口氏の追悼文集『関口良雄さんを憶う』をプレゼントしたところ、さらにファンになってしまったという。　父曰く、関口さんは、俳人としても相当なものであると。　で、他に関口本はないものかと探してみたところ、『銀杏子句集』（関口さんの句集）『群島』（関口さんはじめ５人による句集）があるらしい。この二つは古書として買えます。相当高いけど。　あと、青木正美さんの『古本屋奇人伝』に少し記述があるらしい。これも手に入る。　しかし、問題なのはもう一つ、萩原茂という人の書いた『風狂の人・山王書房店主関口良雄』という文献。これがどこにもない。CiNii に出てないということは、出版物ではないのかな？　　となると、萩原さんが個人的に印刷したものらしいのですが、これを読んだ人の感想（これはネットで見られる）を読むかぎり、なかなか優れた文献のようにも思われます。うーむ、どうにか手に入らないものかしら？　ひょっとして、私の古本道の師匠、岡崎武志さんあたりに尋ねてみたら、入手ルートが見えてきそうな気もしますが、どうなのか。　まあ、私も研究者の端くれ、こういう手に入りそうで入らない文献というのは、そのために一層、魅力的に見えてくるんですよね〜。　そのうちに、どうにかこいつを手にいれて、関口良雄ブーム真っ最中に親父殿に進呈しましょうかね。

April 1, 2015

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