さすがカーネギーは太っ腹だった
先日来楽しみながら読んで来た『カーネギー自伝』を読了しました。 スコットランドの貧しい手織職人の息子として生まれ、12歳で教育を終えると、週給1ドル20セントからキャリアをスタートさせ、勤勉努力の末に巨大鉄鋼産業を打ち立てた億万長者の大立物となるカーネギーですが、彼のすごいところはむしろこの先。 カーネギーはUSスチールの設立で自社を売却し、引退するや、自分が稼いだ巨万の富をいかに社会に還元するか、その一点に後半生をかけるんですな。そこが凡百のお金持ちと違うところ。 例えばニューヨークの公共図書館など、様々な都市に図書館を寄贈・・・それも1個や2個じゃなく何十という図書館を寄贈した他、大学にも巨額のお金を寄付している。 でまた、この大学への寄付というのが素晴らしいのですけど、ハーバード大学やコロンビア大学みたいな大きな大学には寄付しないの。そういうところは、何も自分が寄付しなくても十分やっていける。そうじゃなくて、地方の小規模な、しかし、立派な教育をしている弱小単科大学に寄付するわけ。 おお! 分かっているねえ、カーネギー。ただのお金持ちが適当に金をバラまいているのとはわけが違うねえ! どこかの国の天下り文科省はさ、東大にどどーーんと、そして旧帝大にどーんとお金を進呈し、残った分をまず各地方の総合大学に渡し、最後にほんの少し残ったカスみたいなのを地方の単科大学に放るわけですけど、カーネギーのやり方とちょうど逆だな。 それだけじゃないよ、カーネギーの富の分配は。例えば、川で溺れた少年を救ったはいいけど自分は死んじゃった、みたいな英雄的行動をして亡くなった人の遺族が困らないよう、基金を創設するとか。そういうこともしている。 あとね、大学教授があまりにも薄給だというので、定年退職した大学教授の生活を保障するような基金も作っているというね。 カーネギーさん、日本の大学教授の薄給ぶりも救って!! とにかく、カーネギーの後半生の「富の分配」にかけた人生ってのは、たいしたものでございますよ。 日本にも億万長者ってのが多少はいるわけでしょ。孫さんとか、柳井さんとか・・・。そういう人たちが、カーネギーの示した模範を見てだなあ、少しはその志を継ごうとか、そういう風に考えてくれるとね、いいわけですけどね。 さて、今日のワタクシはですね、どうするかってーと、西荻窪なる町に赴こうかなと思っているのでありまして。そう、古書店めぐりですな。そしてその後、新宿で旧友と会う。いかにも春休みな日を過ごそうと、こう思っているわけですよ。 というわけで、西荻窪でのワタクシの古本漁りの成果につきましては、また明日のこのブログでご報告いたします。どうぞお楽しみに〜!