エマソンづくし
心ならずもエマソン関連のシンポジウムに出ることになってしまったので、今更ながら、その準備に入っております。 まあ、何しろ9月末日まで自分の本に掛かり切りだったので、ここからようやく準備だよ・・・。付け焼刃にもほどがある。聴衆の皆様には申し訳ない・・・。本当は明日・明後日と仙台でアメリカ文学会があるのだけど、それにも参加せず、頑張って準備します。 ま、私はエマソンの専門家でも何でもないので、ただエマソンの言説が自己啓発思想と切っても切れない関係がある、っていう話に終始すると思うのですけど、我が日本でも、エマソンの本ってのは、自己啓発本として売られているわけよ。 例えば、有名な「自己信頼」という文章。エマソンのエッセイ集に収録された1章分の文章に過ぎないんですけど、タイトルが「自己信頼」だもので、自己啓発思想からすれば、持ってこいって感じでしょ? だもので、日本でもやたらに翻訳される。 で、この十年くらいを見ても、4種類の『自己信頼』の訳が出ているんですけど、その中で、キンドル本を除いた3種類の『自己信頼』訳を今日、読んでみたと。 私が読んだのは、以下の3冊:【中古】 自己信頼 新訳 /R.W.エマソン(著者),伊東奈美子(著者) 【中古】afb[超訳]エマソンの「自己信頼」【電子書籍】[ ラルフ・ウォルドー・エマソン ]自分を信じる力【電子書籍】[ ラルフ・ウォルドー・エマソン ] で、読み比べると、まあ、どれも同じようなものではあるけれども、微妙な差で伊東訳>三浦訳>大間知訳って感じかな。 でもさ、同じ「自己信頼」の訳が3種類(キンドル本を合わせると4種類)も、立て続けに出るっていう状況がおかしくない? それとも何? エマソンの「自己信頼」なら誰が訳しても本にしてもらえるってこと? だったら、私も屋上屋を架してしまおうかな・・・。意外に、自分自身が苦労して苦労して書いたどの本より売れたりして。小遣い稼ぎにいいよね。 っていうか、世のエマソン学者の皆さん、どう? エマソンの研究書を出したって絶対に売れないので、必然的に自腹を切った自費出版になってしまうだろうと思うのですけど、だったらその前に『自己信頼』を訳してさ、その印税で研究書を出すというのは? そんなことが出来るのって、エマソン学者だけだと思うよ。特権じゃん。 ま、それはともかく、エマソンの本・・・もしくは「エマソン」って名前を冠にした本であれば、自己啓発本として必ず売れるってことですな。それは間違いない。 実際、私もなんか企画しちゃおうかな。「エマソンに学べ」的な本をちゃちゃっと。マジで。印税で次の愛車買う的な。 あ。夢が広がってきた。自己信頼して、そういうのマジでやっちゃおうかな。