古本を買ったり、映画を観たり
まあ、別に自粛しているわけではないのだけれども、今が今、人混みの中に敢えて行くことはないかとも思い、なんとなく家でダラダラしております。 ダラダラと言ったって、適当に仕事はしておりますよ。 今やっている仕事は、自作の英会話本の改訂作業。ちなみにその本、have とか make とか get とか take とか、そういうごくごく基本的な12個の動詞だけを使うという方法論に基づいたものなんだけど、その本の練習問題パートを改訂しているのね。 となると、そういう基本動詞を使った英文のサンプルがたーくさん必要になる。 で、昨日、ちょっとだけ外に出たついでに家の近くの本屋さんの古本コーナーに寄ったら、『たった50単語の英会話イディオム1000』という文庫本が100円で売っていて。中を見ると、まさにそういう基本動詞を使った例文が沢山掲載されている。まさに渡りに船。 必要な時に必要な本が100円で買えるなんて、持ってるよね~。 さて、そんなこともありーの、しかしあまり仕事ばかりでもあれなので、夜は映画を観てしまいました。アマゾン・プライムでね。そして観たのは『ファイト・クラブ』。デヴィッド・フィンチャー監督の有名な作品ですけど、何となく今まで縁がなくて観てなかったもので。以下、多少はネタバレもありますので、観てない方は要注意。これこれ! ↓【中古】DVD▼ファイト・クラブ▽レンタル落ち で? どうだったかって? うーーん・・・。それ聞く? まあ、すごく有名な映画だし、世評も高いというのはよく知っております。 が! ワタクシの好みの映画、ではなかったかな・・・。 っていうか、こういう映画なんだろうな、っていう期待というか予測が全然外れちゃって、あらあらあら~っていう。 私としては、『アメリカン・サイコ』みたいな映画なんだろうなと思っていたのよ。ビジネスマンとして成功し、一等地のアパートにリッチに暮らし、ブランドものの家具や高級服に囲まれて、何一つ不自由なく暮らしながら、なぜか生きているという実感がない。その実感のない生の中で迷子になった主人公が、素手の殴り合いという肉体的な痛みを伴う行為にふけることに、生の実感を掴むようになる・・・的な映画なのかと思っていたわけ。だってタイトルが『ファイト・クラブ』なんだから。 実際、映画の始まり方は、そんな感じで進行する。 ところが、ところが。そういうものではなかったと。まあ、ネタバレしちゃうと、要するにこれ、二重人格の話で。 だから、なんて言うの? 一つの映画の中に、二つのモチーフが重なっているわけね。「エリートと暴力」っていうのと、「二重人格」っていうモチーフが。 だからいいんだ、という評価があるのはわかるんだけど、ワタクシ的には、二つのモチーフが相殺しちゃっている気がする。片方が片方のパロディみたいになっちゃっているので、最終的な結論が妙におちゃらけた、真実味のないものになっているというか。だから、最後のシーンを見終わった瞬間に口をついて出てきた言葉が、「何コレ?」だったのよね。 「ファイト・クラブ」という言葉が暗示する「本物の痛み」というイメージが、崩れちゃうんだよなあ・・・。それこそが、この映画の本質だと思っていたのに。精神的におかしくなっちゃった男が最後に頼ろうとした「肉体の痛み、本物の痛み」が、実はやっぱり「精神的におかしくなったことからくる幻想」の一部であった、というオチなんだもん。だから、なんとなく期待外れっていう感覚が出てきちゃう。 そこがね・・・。 というわけで、世評は高くても、私の激賞すべき映画ではありませんでしたね。だから「教授のおすすめ!」はなーしーよ。