今年読んだ本ベスト
さてさて、今年も師走の中旬に入りまして、本ブログでも恒例「今年を振り返る」系のイベントを始めようかなと。 ということで、第一弾は「今年読んだ本ベスト10」。まあ、まだあと3週間あるので、ひょっとしたらこの後、更にいい本に出合う可能性はなくはないですが、実のところ今は論文の執筆中でありまして、そうなるとアウトプットの方にエネルギーを取られてしまい、インプットの方に注ぐ余力がなくなるのは目に見えておりますのでね。 では第10位から。第10位:中山裕木子『シンプルな英語』 今年後半、突如襲ってきた英語学習への興味を掻き立ててくれた本。英語というものの捉え方のヒントとなる本でした。シンプルな英語 (講談社現代新書) [ 中山 裕木子 ]第9位:福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 ベストセラーだと思って舐めていたけど、実に詩的な科学本。一読の価値ありと知りました。【中古】 生物と無生物のあいだ 講談社現代新書/福岡伸一【著】 【中古】afb第8位:ポール・アダム『ヴァイオリン職人』三部作 親友に勧められて読んだけど、ヴァイオリンがらみの推理小説という手法が面白かった。ヴァイオリン職人の探求と推理 (創元推理文庫) [ ポール・アダム ]第7位:デボラ・ブラム『幽霊をつかまえようとした科学者たち』 仕事がらみの本ですが、良質なノンフィクションとしてよく書けているなあと感心。【中古】 幽霊を捕まえようとした科学者たち 文春文庫/デボラブラム【著】,鈴木恵【訳】 【中古】afb第6位:西平直『シュタイナー入門』 これも仕事がらみですが、前から気になっていたシュタイナーという人の思想が良く分かりました。【中古】 シュタイナー入門 / 西平 直 / 講談社 [新書]【メール便送料無料】【あす楽対応】第5位:高橋和夫『スウェーデンボルグの思想』 これも仕事がらみですが、手ごわいスウェーデンボルグの思想を上手に解説してあって、色々勉強になりました。【中古】 スウェーデンボルグの思想 科学から神秘世界へ 講談社現代新書/高橋和夫(著者) 【中古】afb第4位:ジョージ・ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』 これまた仕事がらみですが、久しぶりに再読して面白かった。これは定年近くの人間でないと、その味わいが分からない本だと思います。この本を読んだおかげで、クセノポンの『アナバシス』など、なかなか読むチャンスがない本に出合えたことも大きかった。【中古】 ヘンリ・ライクロフトの私記 / ギッシング, 平井 正穂 / 岩波書店 [文庫]【宅配便出荷】第3位:佐久間文子『ツボちゃんの話』 惜しまれて亡くなられた坪内祐三さんの奥さんが書いた坪内さんの話。多少なりとも坪内さんと縁があった者として、非常に興味深く読ませていただきました。ツボちゃんの話 夫・坪内祐三 [ 佐久間 文子 ]第2位:山之口泉『父・山之口貘』 詩人・山之口貘の存在を知ったことは、今年の大きな収穫でした。お嬢さんの書かれたこの伝記は、山之口さんの人生を知る最良の手掛かりと言えましょう。父・山之口貘新版 [ 山之口泉 ] そして「今年読んだベスト本」栄えある第1位は・・・第1位:荒川洋治『文学の空気のあるところ』 もうね、これはダントツです。坪内祐三さんの『昼夜日記』を読んでその存在を知ったのですが、これほど面白い文学論って、ちょっと読んだことがないほど。上質なユーモアに何度爆笑させられたことか。それでいて、荒川さんが論じている個々の作家・作品の分析の何とまあ鋭いこと。ほんと今年はこの本に圧倒されましたね。荒川さんが日本文学をこのような形で論じるように、私もアメリカ文学作品を論じられないかと、マジで考えさせられました。素晴らしい!文学の空気のあるところ [ 荒川洋治 ] ということで、今年も色々、面白い本に接することができました。さて、来年はどうなるのか? きっと広い広い本の世界は、来年もまた、私を驚かせ、楽しませてくれることでありましょう。ま、中には退屈させられちゃうことだってあるけど、それはそれで一つの経験だしね。 それにしても、ふと気づいたのだけれど、上のリストの中に占める講談社現代新書の比率が異様に高いな。今となっては岩波・中公に続く老舗だけど、頑張っていますね。要チェック! っていうか、私もここから新書出せないかしら?