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カテゴリ:教授の雑感
たまたまある文庫本を読んでいて、読み終わって、文庫本の巻末についている既刊案内を眺めていたら、なんだか懐かしさがこみ上げてきまして。
私は小学校5年生の時に急に文庫本というものに興味を持ち、親の書棚から抜き出した文庫本を読んだのがきっかけで、いきなり読書家になってしまったのですが、その頃、文庫本を一冊読み終わるたびに、巻末の既刊案内の羅列を眺めて、次はどれを読むかを決めるのが、ことの他楽しかった。 今読んだばかりの感動がまだ心の内に残っていて、そのじんわりした感じがまだ去らないうちに、次の本への期待を高まらせる、あの感じ。ちょっとだけ内容紹介してある文章を読んで、面白そうか、自分の興味に合いそうかを判断するスリル。あれはたまらなかった。 思えば、今、そういう純粋な読書の楽しみを味わってないなと。やはりあれは素人の楽しみなのであって、プロになっちゃうともう、ああいう楽しみはないのかな。いまはもう、「次は何を読もうかな」とか悠長なこと言ってられないもんね。次に読まなくちゃいけない本が100冊ぐらい溜まっていて、それをいかに効率よくこなしていくか、ということでしかない。 悲しいね。 いつか、こういう状態を脱して、昔のように、文庫本の巻末の既刊リストに胸をときめかすような読書に戻れる日は来るのかね。どうなんだろう。わからんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 8, 2023 11:24:38 PM
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