相変わらずゼミ生からの卒論草稿を待っているのですが、全然来ない。待ちくたびれたので、この無駄な時間を有効に使おうと、映画を観ちゃった。観たのはかの有名な『コヤニスカッツィ』。
え? 『コヤニスカッツィ』知らない?
まあ、知らないでしょうねえ。私もつい最近まで知らなかったもん。
これねえ、7年くらい時間をかけて作られ、ようやく1983年に公開されたドキュメンタリー映画で、ゴッドフリー・レッジオという人が監督を務めているんだけど、フランシス・F・コッポラがプロデュースの片棒を担いでいるので、むしろコッポラ作品であるかのように認識されている、レッジオ監督には気の毒な映画なの。
で、ドキュメンタリー映画とはいえ、ナレーションは一切入ってない。映像と音楽だけ。
内容は、人間の文明。人間のというか、アメリカの、かな。とにかくアメリカの現代文明が地球の自然の上に何を築き上げたか、ということ。それを批判するわけでもなく、誇るわけでもなく描くっていう。でも、まあ、一応は批判になっているのかな?
というのも、本作のタイトルである『コヤニスカッツィ』とは、ホピ・インディアンの言葉で「平衡を失った世界」という意味だから。この世界は、バランスが崩れちゃったよね、と。
でも、映像自体は美しくもあるから、見ていると、ああ、キレイだなと思うことも多々ある。バランスは崩れているかもしれないけど、人間って、よくもまあ、これだけの人工物を作り上げたなという感慨はある。
だって、ちょっと前まで、人間なんてただのマシラに過ぎなかったんだよ?! そのマシラが、たかだか百年とか千年くらいのうちに随分すごいことをやってのけたじゃん、という思いはしてきますわ。
で、こういう、文明批判のドキュメンタリー映画が1970年代半ばに計画された、ってことが、私の研究的には意味があるわけ。つまり、これもまた、カウンター・カルチャーとかニューエイジの一つの成果なんでしょうからね。で、ここからさらに、アル・ゴアの『不都合な真実』とか、そういうのにつながっていくわけじゃん?
というわけで、1980年代前半のアメリカを騒がせた話題の文明批判映画『コヤニスカッツィ』、しかと見届けた今日のワタクシだったのであります。
これこれ!
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