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テーマ:今日の出来事(291327)
カテゴリ:教授はつらいよ
唐十郎さんが亡くなられましたね。ここ十年ほどは、脳挫傷の影響からか、活動を控えられていたようですけど、亡くなられてみると「巨星墜つ」の感があります。
だけど、私は唐十郎という人についての思い出というのが一つもないというね。 それを言ったら寺山修司もそう。寺山さんが亡くなられたのは、1983年のことだから、私は既に大学生になっていたし、この頃、演劇とか舞踏とか、身体を使ったパフォーマンスへの世間の注目度は高く、特に大学生の中には夢中になる人も多かった。寺山・唐のみならず、野田秀樹とかね。蜷川幸雄とか。だから、見に行こうと思って行動を起こせば、赤テントだろうが黒テントだろうが、早稲田小劇場だろうが、行けたわけよ。 だけど、私はそういうのを見に行こうとか、そういう発想にはならなかったのね。なぜかというと、私が極端な天邪鬼だから。世間で流行っている? ならば私は行かない。そういうのが染み付いているからね。 それに、なんかあの時代に演劇に夢中になっている同世代の人たちに、あまりいい思いを抱いてなかったのよね。 あと、話題になっていたからこそ、そういう演出家とかの演出風景とかがテレビに出たりするじゃん? 蜷川幸雄が「バカヤロー!」とか言って俳優に灰皿を投げつけるシーンとか。ああいうのが、嫌いだったのよ。何様かと。特に蜷川幸雄なんて、私は俳優時代のことも見て知っていますが、大した俳優ではなかったよ。それが演出の方に転身した途端、アレだもの。権力を持った途端、人が変わるような人って信用できない。 寺山と唐のライバル関係というか、劇団員同志がバチバチで・・・とか、そういうのも何かで読んだりもしましたけど、そういう村社会のレベルの低い争いも醜いなと思っていたし。 そんなこんなで、そっち系の演劇にはまったく無縁を通してしまった。唐十郎の死に際して何も言うことがないのは、そういう理由です。同時代人だったのにね。 だから天邪鬼であることは、時々、損をすることがあるよね。得をすることもあるから、プラマイゼロだけどね。 っつーことで、何も言うことがないのだけれども、1970年代から80年代にかけてのあの熱気を少しは覚えている者として、唐さんのご冥福をお祈りいたします。合掌。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 6, 2024 01:50:57 PM
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