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最近ビジネス書ばかりよんでいたので
久しぶりに読み応えのある小説を読んでみたいと思って 手にしたのが天童荒太の直木賞受賞作「悼む人」。 主人公は、事故や事故で人がなくなった現場を訪ねて放浪の旅を続け、 なくなった人を「悼む」行為をおこなう。 悼む行為の動作自体がうす気味悪いのと、 あかの他人であるのにかかわらず亡くなった人が 「誰を愛し、誰に愛され、どんなことで感謝されていたか?」 を聞いて回るうっとうしさとが重なって、 本の中の登場人物の多くと同様、 主人公に対してだれもが奇妙な印象をいだくだろう。 ところが、読み進むにつれて、 彼がどのような理由で、どのような思いをこめて 「悼む」行為をおこなっているかがわかるようになると 本のなかでも彼のまわりに理解者があらわれるのと同じくして だんだんと自分自身の印象もかわっていく。 また、自分の身近でなくなった人のことを思ってみたり、 自分が亡くなった後のことを考えてみたり、 いつのまにか重いテーマに引きずり込まれていくことに気がつく。 最後に、この世に生きる証とはどんなものなのか といったことを考えさせられる一冊である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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