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Psalm139蘇州編

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2009年04月29日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
最近ビジネス書ばかりよんでいたので
久しぶりに読み応えのある小説を読んでみたいと思って
手にしたのが天童荒太の直木賞受賞作「悼む人」。

主人公は、事故や事故で人がなくなった現場を訪ねて放浪の旅を続け、
なくなった人を「悼む」行為をおこなう。
悼む行為の動作自体がうす気味悪いのと、
あかの他人であるのにかかわらず亡くなった人が
「誰を愛し、誰に愛され、どんなことで感謝されていたか?」
を聞いて回るうっとうしさとが重なって、
本の中の登場人物の多くと同様、
主人公に対してだれもが奇妙な印象をいだくだろう。

ところが、読み進むにつれて、
彼がどのような理由で、どのような思いをこめて
「悼む」行為をおこなっているかがわかるようになると
本のなかでも彼のまわりに理解者があらわれるのと同じくして
だんだんと自分自身の印象もかわっていく。
また、自分の身近でなくなった人のことを思ってみたり、
自分が亡くなった後のことを考えてみたり、
いつのまにか重いテーマに引きずり込まれていくことに気がつく。

最後に、この世に生きる証とはどんなものなのか
といったことを考えさせられる一冊である。






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最終更新日  2009年04月29日 13時46分06秒
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