5月20日、経団連は春闘の解凍・妥結状況を発表しました。賃上げ率は5.58%とのことで、バブル崩壊時の1991年の5.6%に並びました。
「全ての事業者」が5.6%の賃上げになれば、物価上昇率を上回るため、実質賃金は上昇するでしょう。とはいえ、労組に加盟している生産者は16%に過ぎません。残りの84%がどうなるか。
昨年は、春闘で3.99%の賃上げが行われましたが、全体では物価の上昇率には追い付きませんでした。結果、実質賃金が24カ月連続でマイナスという悲惨な状況が続いています。
政府は実質賃金上昇のために「やっているフリ」をする必要がありますから、経団連を初めとする経済団体に、
「賃上げしろ」
と、共産主義国家のような圧力をかけますが、自ら支出を増やすわけではありません。日本人は空気に弱いので、労組がある大企業などは賃上げに応じますが、全体への波及までは、さすがに政府はコントロールできません。
『大企業の賃上げ率5.58%、33年ぶり高水準 今春闘、経団連集計
経団連は20日、大企業の春闘の回答・妥結状況(1次集計)を発表した。定期昇給と、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は5.58%。昨年の3.99%(最終集計)を大きく上回り、バブル崩壊直後だった1991年の5.60%(同)以来、33年ぶりの高水準となった。
原則として従業員500人以上の大手企業を対象に、この日までに報告があった16業種89社分を集計した。賃上げ率が5%を超えたのも91年以来だ。経団連は「今夏にまとめる最終集計でも5%台の水準になることはほぼ確実」とみている。月例賃金の平均引き上げ額は1万9480円で、比較可能な76年以降で最高となった。(後略)』
さて、名目賃金が5%上昇したところで、実質賃金がどうなるかは未だ不明です。
さらには、上昇したところで、1~2%でしょう。それでも、97年以降に限ればマシですが、かつて(高度成長期)の日本の実質賃金上昇率はそれどころではなかった。
―――――――――――――――――続く――――――――――――――――――
記事タイトル: 拡張的な財政政策と実質賃金の上昇を
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