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カテゴリ:BARナンセンス
久しぶりのBARナンセンス劇場は、石田三成がバーテンダーとして働くBAR「関ヶ原」の巻でござる。さて、さっそく覗いてごらんくだされ。
黒田長政 「あっ、正則っ、わしがくれてやった水牛の先っぽが折れておるではないかっ」
福島正則 「すまん、すまん。さっき天井にぶつかってしもうたのじゃ。石田治部の店は肝っ玉と同じで狭うてかなわん」 石田三成 「正則よ、嫌なら来んでよいのじゃぞ」 福島正則 「なにおぅ、三成っ。わしらが来るから何とか店が続いているのであろうが」 石田三成 「馬鹿馬鹿しい、おぬしのような下品な客は迷惑なだけじゃ」 福島正則 「その暴言許せぬ、表へ出ろやっ」 徳川家康 「まあ、まあ、まあ、この太平のあの世、けんかせんで仲良う飲もうではないか。な、一杯おごるから、わしに免じてここは刀をおさめてくれぃ」
福島正則 「徳川殿がそう申すならしかたがない。では治部よ、生をもう一杯」 黒田長政 「わしはジャックダニエルにするかな」 石田三成 「ふんっ、いまに見ていろ」 徳川家康 「そういえばあの小早川の小僧、今日は来ておらぬのか」 石田三成 「あの裏切りもの、さっき顔をみせたが、大谷刑部殿の姿を見たとたん逃げてしもうたわ。毛利BARでしゃれたカクテルなんぞ飲んでいるにちがいない」 黒田長政 「あっ刑部殿、おったのか。いつもながらすさまじき姿じゃのう」
大谷吉継 「・・・・・」 細川忠興 「(突然はいってきて)はあっー、とりあえず一杯水を所望」
徳川家康 「ほ、ほ、細川殿、いかがいたした、頭から血が吹き出しておるではないか」 細川忠興 「いやあ、玉にクラブ『くのいち』のことがばれて、十字架をつきたてられたのでござる。玉は思い詰めると何をしでかすかわからん」 石田三成 「ガラシャ殿はおぬしが見捨てたのをまだ恨みに思うておるのじゃろう」 細川忠興 「はあん、三成よ、おぬしが人質にとったから死んだのではないか、ぶち斬るぞ」 徳川家康 「まあ、まあ、まあ、こうしてあの世でまた巡り会えたのも何かの縁。ガラシャ殿ともまた会えたのじゃから、もう水に流しておやんなさい。細川殿もいっぱいいかがかな」 細川忠興 「ふむ、それもそうじゃな。では、サイドカーをいただこう。三成、振れっ」 福島正則 「それよりそのクラブ『くのいち』とは何じゃ」 細川忠興 「最近あの真田昌幸殿が始められたクラブでの、なかなかよいおなごがおる。福島殿もきっと気に入られるであろう」 福島正則 「ほう、そうかそうか、それではこれから皆で出陣せぬか、のう黒田殿」 黒田長政 「そうじゃのう、こんなしけた石田治部のBARよりなんぼかおもしろそうじゃ、徳川殿もいかがじゃ」 徳川家康 「うむ、よかろう、今夜はわしのおごりじゃ、かごを呼べ。大谷刑部殿もいかがかな、今宵はおなご達とひと戦してみぬか」 大谷吉継 「うーむ」 石田三成 「無理にお誘いするなっ、家康。なんでもおぬしの言うとおりにはならんぞ、刑部殿も迷惑がっておられる」 大谷吉継 「いや、やはりわしもゆこう、ケケケケケ」 石田三成 「ま、まじっすか、刑部殿。そのお体でおなごは無理ではござらぬか・・・ま、まあそれならかごをもう一台。長政と正則は馬じゃったな、代行で良いか」 福島正則 「ああ、頼む。三成、さっきは悪かったな、また来てよいか」 石田三成 「ふんっ、どうせ来るなと言ってもくるのであろう。ほら代行が来ておるぞ、さっさと行けい」 ぎぃばたんっ・・・・ぱっかぱっかぱっか・・・遠ざかるひづめの音。 散らかったカウンターを見て三成は何を思うたのか、ふぅーとひとつ大きなため息をつき、そのあと黙々とグラスを片づけながらぼそっとつぶやくのであった。
石田三成 「あ~あ、わしも今宵は店をしめて合流しようかの、許せ初音」 続く(続くのか?ほんとに) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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