|
カテゴリ:パブデ著「飲酒論」
しばらく前のことですが、肺がんの手術後に、完全に切除しきれなかったから放射線治療をしましょうってことになった患者さんがいたんです。
放射線治療って、毎日毎日少しずつ照射するので、毎日毎日通院するのが普通です。 ある日、その患者さんは来院しませんでした。 次の日やってきたので、昨日はどうして来なかったのか聞いたところ、雨が降ってたから来なかったのだそうです。昔から雨の日には仕事に行かないんだよ、って。 その人は大工の棟梁だったので、雨の日には働かないのです。 看護婦だの女どもは、そんなわがままはいけません、あなたの体のためなんだから雨が降っても来なさい、と促します。本人は、ああ、わかった、わかったと言ってましたが、次の週も雨の日には来ませんでした。 せめて、来ないなら電話してください、こっちも予定があるのですから、と言っても、わざわざ電話しなきゃいけねーのかいっ、オレは雨が嫌いなんだよ、オレの体なんだからオレの好きでいいだろう、と言う。 女ってやつらは、言うことをきかない男をてなづけたいという本能でもあるのか、しつこく説教していました。 本来、男とはそういう生き物です。 今夜はいい月夜だから一杯飲みに行こうかなあと、突然フラッと出かけるときってあるじゃないですか。女は、せっかく夕飯の準備してたのにとか、飲みに行くなら行く前にそう言ってから出てってよとか、うざいことを言う生き物なんです。 僕も最近は飼いならされてしまって、飲みに行くときは前もって携帯でメールしたり帰宅してご飯食べてから行ったりします。 それくらい当たり前のことでしょう、って女達は言うけれども、男たるもの、いちいち飲みに行くのを女房に断るなんざみっともないってのがちょっと前までの常識だったような気がします。 雨の日には病院の予約をすっぽかす棟梁は、僕にはさほど困った患者には思えなかったのでした。ちなみに絵は、「セクシー・モンロー」って名前のカクテル。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月13日 23時41分06秒
コメント(0) | コメントを書く
[パブデ著「飲酒論」] カテゴリの最新記事
|