カテゴリ:王子近思録~息子の話
卒業式と言っても、私のではなく
王子の中学の卒業式の思い出ですが・・・ 当時、あの学年はどの学校も荒れまくっており まるで 『尾崎豊』 の歌のような 乱行ぶりでした。 王子の学校にも、十人以上の不良グループが おりました。 「 目立つヤツは ボコれ! 」 彼らが中学2年のとき、先輩から仲間の中で幾人かの名前が挙げられ リンチ指令が出ました。 クリスマス・イブの白昼 十数人の男子が、ウチの近所の男子の家の前で 「出て来い!」 などと怒鳴りちらしてました。 中には金属バットを持った子もいました。 やっと出てきた男子は、案の定、ボコられました。 その騒ぎを近所の児童が見つけ、そこから学校に通報された訳ですが クリスマス・イブだというのに、親子共々、お説教を食らったのは言うまでもありません。 その事件はほんの一部で、当然他にもカツアゲやら、他校とのケンカ、授業放棄、 裁判沙汰になったほどの事件もありました。 ドリーム・キャストが出たときは、ウチの王子もたかられたそうです。 そんな彼らは、卒業式に出ることも危ぶまれたのですが、 な、なんと色とりどりの学ランで列席したのです。 上着は短ラン、ズボンはボンタン。 上下真っ白や、黄色や、赤など・・・ そして背中には、仁侠映画のうたい文句のような言葉 『人生最後の卒業式 一花咲かせてみせましょう』 『中学最後の晴れ舞台 仲間と共に飾ります』 ってな感じの言葉が、各自少しずつ違えど、刺繍されていました。 晴天の下、在校生による花道を、彼ら一団も最後尾に潜り抜け、校門を出たあと バリバリ廃棄音を鳴らしながら、「激励バイク」がやってきました。 バイクから降り立った先輩らしき男子に、一人のスーツ姿の男性が近寄り 何やら話しかけていました。 すると、いきなり二人はもみ合いになり、卒業生の保護者たちが見守る中 アッというまに、男子が地べたにねじ伏せられました。 どうやら、スーツ姿の男性は私服警官だったようです。 そんな事件を知ってか知らずか、校門前では彼らが・・・ 一番苦労をかけたであろう学年主任のO先生に、花束を贈っていました。 皆でお小遣いを出し合って贈ったそうです。 そして、思い思いに恩師と肩を組んだりしながら、写真を撮っていました。 彼らも今では成人し、すでに父親になっている子もいます。 どんな目で、自分の子どもの成長を見守っているのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[王子近思録~息子の話] カテゴリの最新記事
|
|