誰も知らない

2008.07.21

(1)

テーマ：ＴＶで観た映画(3919)

カテゴリ：芸能

この映画は、巣鴨子供置き去り事件をモチーフに映画化された
作品で、カンヌ映画祭では柳楽優弥が
史上最年少及び日本人として
初めての最優秀主演男優賞を獲得し
ず～っと観たかった映画でした。

ストーリー
ある２ＤＫのアパートに引っ越してきた母けい子と
４人の子供たち。

しかし追い出されるのを恐れるけい子は、自分と12歳の
長男・明だけの２人暮らしだと大家に嘘をついていた。

子ども達は父親がみな別々で、出生届すら出されておらず
学校に通ったこともない。

けい子がデパートで働き生計をたて、明が母親代わりと
なって家事をし、兄妹の面倒を見ていた。

それでも家族５人、それなりに幸せな日々を送っていた。

そんなある日、新しい男ができたけい子は
わずかな現金を残して、突然家を出ていってしまうのだった。

「クリスマスに戻る」と明だけに言って・・・。

しかし、約束のクリスマスが過ぎても、けい子は
帰って来なかった。

渡された生活費も底をつき、子どもだけの生活に限界が
近づき、料金滞納から電気・ガス・水道も止められ
明は知り合いのコンビニ店員から、賞味期限切れの弁当を
もらうなどして、兄弟たちは一日一日を必死に生きのびる
ことになる。

ある日、明が戻ると、末っ子のゆきが椅子から落ち、転落
して死んだ。

明は、公園で知り合った不登校の少女・紗希の力を借り
息を引き取ったゆきと、大好物だったアポロチョコを
旅行ケースの中に入れ、２人は電車に乗り、羽田空港の
近くの空き地に運ぶ。

明と紗希は土を掘り、掘った穴に旅行ケースを埋める。

そして２人は無言でマンションに戻るのであった。

ゆきがいなくなった後、明と京子と茂と紗希の
誰も知らない生活が再び続いていく・・・

ちょっと前、この映画がＴＶで深夜放送され、録画しといたのを
やっと観ることができたんだけど、マジヤバです

だって、あまりにも子供たちが健気なんだもん。　

ウルウル

是枝監督は、ドキュメンタリー番組を演出していただけに
子供たちには、長台詞がない。

そもそも台本も読まず、監督に言われたことを
その場で言っただけらしい。

母親にネグレクトされた明が、ゆきの父親にさりげなく助けを
求めたり、いらついて兄弟に八つ当たりしたり、外へ出るなと
母親から言われていたのに、兄弟みんなでコンビニに行ったり
公園で遊んだりと、たんたんと時が流れ行く様子は、まさに
自然で、ドキュメンタリー・タッチでした。

「わたしだって幸せになっちゃいけないの？」

と、つぶやいた　ＹＯＵ演じる母親には、ムカついた。

あんた、その前に４人の子供たちの母親だろっ！　

まぁ、そんだけＹＯＵの演技が、うまかったんだとオモタ。