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カテゴリ:アメリカ私考
土曜日の朝7時過ぎからNational Public Radioで流されている『On The Media』 という番組を可能な限りは聞いている。通勤時間と重なるのでリアルタイムで聞いているのは通勤バスが来るまでの10数分なのだが、ネットでプログラム全部を聞くことができるようになっているから一週間の間には、7つか8つあるトピックすべてを聞いている。翌週中ごろまでにはTranscriptも掲載される、至れりつくせりな番組でもある。 このプログラムはメディアによる自己分析(たまには自己批判)番組で、アメリカメディア自身の話題や問題、報道傾向などについて分析したり解説したり、関係ジャーナリストなどが出てきて状況を説明したり、レポートしたりする。イラクから、アメリカの情報操作政策に対する批判が出ていることに対して、アメリカ当局の情報局の役人が取材に応じたり、メディア自身のスキャンダルについては必ず関係者がインタビューに応じて背景説明に出てくる。どの組織の誰が取材に応じたりレポートしたりしているのかに注意しバイアスを推し量る必要はあるが、その危険性を差し引いてもアメリカのメディア現状を知る上で興味深い番組だ。 今日の最初の話題は、今週、ブッシュ大統領が第59回国連総会の開幕で定例に従いスピーチしたことに対する各国メディアの反応・報道ぶりに関するレポート。United Press Internationalの編集長が、フランス、ドイツのメディアの批判報道を紹介し、結論としては、ブッシュ大統領のスピーチに対する各国メディアの冷たい或いは批判的反応は、国際社会がアメリカ対その他すべての国々、国連内ではブッシュ対アナンという対立時代を迎えたことを浮き彫りにした、というものだった。 いつも愚痴ることだが、アメリカのメジャーメディアだけを見ていると、他の国がアメリカをどう思っているのか、ということがほとんどキャッチできない。外で言われていることをなんでもかんでも間に受ける必要はないと思うが、それにしてもこの国のメディアの報道ぶりは、その点を気にしなさ過ぎるように感じられてならない。メディアがそういうアジェンダセッティングになるのは、視聴者の方にその需要がないというところも否めない。 土曜日7時からのNPRなんて、そんなに多くのリスナーがいるとは思えないが、この今日の『World on Bush on World』のような冷静な分析が出てくることは、たとえ多くの人が聞いているわけではなくても貴重に思える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
September 26, 2004 01:46:33 PM
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