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カテゴリ:似文化異文化奇文化
クルマに乗っている時はMichigan Radioを聞いている。National Public Radioのローカルステーションのひとつである。このMichigan Radio、今週末は局への寄付を募るキャンペーン中で、土曜日朝のマイ定番、『On The Radio』の間もしばしばローカル局のアナウンサーが登場しては、『この番組、本当に素晴らしい。こんな番組をあなたに届けているMichigan Radioにぜひ寄付してね。』とあの手この手のトークで訴える。 National Public Radio(NPR)とPublic Broadcasting Service(PBS)は、民間非営利組織。企業と個人からのいわゆる寄付で成り立っている。たとえば、PBSのネットワークは全米50州349のローカル局で構成されていて、これらすべての局の2000年の年間歳入はトータル$1.8billion(1,962億円くらい)。そのうち$380million(414億円くらい)は計450万人・世帯からの寄付である。NPRの場合は全米50州770のローカル局があり、予算のうち14%にあたる金額は議会が承認したファンドがあるが、あとの86%は企業・個人からの寄付によって賄わなければならないシステムになっている。 どちらも寄付集めキャンペーンの時は、非常にストレートに『こんなにいい番組を届けるには、あなたのサポートがいるのです。』『この局の番組を素晴らしいと思うでしょう?素晴らしいと思うなら、ぜひその素晴らしいに値段をつけてみて、そして寄付してください』『あなたの毎日の生活にとって、この局が届ける番組は、いくらくらいの価値がありますか?あなたの思う金額を、寄付してください』と、日本人感覚にはなんとも強烈な言いっぷりで寄付を募る。 ふたつの事を思う。 彼らのこのアグレッシブな寄付集めトークは、自分達が提供しているプログラムに自信がなければできないし、逆に自信を持って寄付集めをするためには、いい番組を提供しつづける必要がある。別の点では、絶対的な認知度あればこそ成立する戦略でもあるとも言える。 もうひとつは、日本では絶対に機能しないシステムだなとつくづく思う。自分のことを自信を持って良くいうのが決して美徳とはされない日本では、会員ではなく、主に一般からの寄付によって組織を成り立たせていくのは、その文化背景からして相当難しいということになる。NHKが同じシステムでやっていけるだろうか?私には、日本という文化背景だけに、無理なように思える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 18, 2004 03:00:52 PM
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