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November 4, 2004
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メルマガ 出たっきり邦人・11月5日発行・290号掲載原稿です。

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道草みのむし三十路のみしがん―第14回★大統領選が終わって

11月1日。大統領選前日。ブッシュ大統領もケリー上院議員も、最後の選挙活動に、この中西部地域を駆け回っていった。

オハイオ州、ウィスコンシン州、ミシガン州などを含む中西部は、多くの選挙人票を持つ上に浮動州とみなされる激戦地帯。この最後の2週間の間に、いったい何度ブッシュ、チェイニー、ケリー、エドワーズの4人が、入れ代わり立ち代わりこの地域を訪れたことだろうか。ミシガンだけを見ても、今年に入ってからブッシュ大統領が13回、ケリー候補が10回も州内の都市や街を訪れていて、その半数以上がこの最後の数ヵ月のことだから相当な頻度である。

日本でも有名な両陣営による中傷まがいの選挙TV広告も、全米で平均的に流されているわけではなく、両陣営ともに浮動州のローカルTV局のスポットを集中的に買って流す戦略をとっている。ミシガン選挙財政監視ネットワークによれば、3月から選挙一週間前までのたった8ヵ月間に、両陣営あわせて約36億円($3400万)をミシガン全州でのTV広告放映に費やしたとか。これでも、同期間に両陣営とそのサポート団体あわせて総計約604億円を投じたとされる全米での大統領選関連のTV広告のうち(TNSMI/CMAG集計による)その約半分が投入されたフロリダ、アイオワ、オハイオ、ペンシルバニア、ウィスコンシンの5州よりははるかにマシな状態なのだ。最終週にはさらに63億円が費やされたとか(ニューヨークタイムズ紙による)。2000年の大統領選挙時はTV広告費の総計が約255億円だったことから比しても、今回はものすごい量なのである。

だいたい、相手を名指しで非難するこのTV広告での応酬には、最激戦区の5州に比べれば少ないほうだとはわかっていても、ほとほとウンザリさせられた。何せ一日TVをつけていたら、双方合わせて何十本観てしまうわからないほどの量が、くる日もくる日も流されている状態を想像していただければわかりやすいかもしれない。少なくとも、婉曲表現を愛する日本人の私には、非常に疲れるシロモノだったのだが、文化の違いか何かで、アメリカ人には平気なのかと思ったら、やはり結構気に障るものらしい。TVを良く見ているという20歳代後半のアメリカ人の友人は、『政治CMが始まると、私の場合は目と耳が自動的にシャットアウトしてるわね』と言っていた。『だからどんな広告やっていたか、ぜ~んぜん覚えてないわよ』と。

ちなみに、今回の選挙期間を通じて注目を集めたのがFactcheck.orgという非営利団体。ペンシルバニア大学のAnnenberg Public Policyセンターが運営するプロジェクトのひとつだが、両陣営及びそのサポート団体が流す広告、両陣営が発行するニュースレター、両候補の討論会でのコメントやスピーチで引用される事柄、数字の事実確認をし、その正誤を発表するのだ。私は昨年末からこの団体のeニュースレターをとりはじめたのだが、選挙戦が激化するに従って、この団体の反応の早さには驚かされた。たとえば、どちらかの陣営が新しい選挙広告を発表するが早いか、その日のうちに、広告で用いられた事柄の事実関係を解説するニュースレターが送られてくる。3ラウンドあった大統領候補討論会の時も、副大統領候補討論会の日にも、その日のうちに、両候補のコメントや相手を非難するために用いられた事柄の事実関係がチェックされ、誤認や歪曲などは指摘されて直ちに発表される。選挙広告の応酬がエスカレートするにつれて、Factcheck.orgから一日に数本のメールを受け取ることすらあった。

メディアもFactcheck.orgの活動を大いに活用していて、全米ネットワーク局の報道番組や政治番組でも、動向分析、各陣営の戦略解説などの中でしょっちゅう引用していた。9月に入り、選挙戦もラストスパートに入った頃からは、メディア自らが世論調査で計測する投票者動向の精度にようやく疑問を呈し始めるのに反比例して、この第三者団体による事実確認が両陣営の姿勢を明らかに示し、かつ選挙運動の態度を矯正するものだとして信頼を高めていった感があった。裏を返せば、これまでの選挙では、両陣営とも、不正確な或いは歪曲したコメントや広告を大っぴらに流し、メディアをはじめ一般庶民は多かれ少なかれそれに踊らされてきた、ということではなかろうか。まったく。

11月2日。大統領選挙当日。メディアばかりでなく、さすがにキャンパスも街も、いつもとは違った雰囲気だった。

まず、交通量が多い。田舎にしてはそれなりに人口が集中しているところに住んでいるので、普段は一応朝夕の一般的な通勤時間は交通量が多く、昼間の時間帯は少ないという違いがある。しかしこの日は、クラスへ行こうと11時に部屋を出てキャンパスへ向かったら、通学路の田舎道をひっきりなしにクルマが走ってくる。今回の大統領選では、ミシガン州でも他州同様過去最多レベル、691万人の投票登録者数を記録。後日発表された資料によれば有効投票数は482万票だったというから、人口約1000万人のミシガン州内で、約半数の人々が通常にない動きをしたことになる。日本と違って投票日は平日だが、職場でもクラスでもこの日ばかりは、スケジュールが許す限り「投票に行ってきますから」が通用することになっているから、昼間に投票所へ出かける人も少なくない。自ずと妙な時間に交通量が多いということになる。

2000年フロリダのトラウマは強烈で、選挙2週間前あたりから、全国メディアもローカルメディアでも投票に拘るトラブルが大きな懸念として報じられていた。だいたいミシガン州内だけでも9種類の投票方式があって、郡レベルどころか、区・町レベルの細かさで、採用されている投票方式が異なるという複雑さ。全国統一の投票方式を持つ日本から来ている私にとっては摩訶不思議以外の何者でもない仕組みである。選管や選挙権の行使を推進するNGOなどは、数週間前から盛んに「事前に自分の地区でどのタイプの投票方式が採用されているのか確認しよう。そしてサンプル投票用紙/画面を入手していこう」と訴えていた。ミシガン州政府も州政府Webサイト上に、投票案内ページを大々的に設置。関係組織あげて、投票の混乱回避に懸命といった様子だった。

そのためこの日のローカルTV・ラジオ局の報道は、朝から投票所の混雑具合の情報提供や投票トラブルの話題に集中。『短いところで平均15分、長いところでは2時間の投票待ち時間です』なんてニュースが本当に投票者の役に立っていたのかナゾだが、もう他に伝えるべきトピックがない、というのも比較的ニュースの少ない田舎州の選挙当日らしい雰囲気ではあった。

専攻している学問領域の関係から、この大統領選には注目してきたものの、もちろん選挙権はない私のこの日のスケジュールは、11時半から大学レベルのスペイン語のクラス、そして4時過ぎから大学院の国際開発のクラスという日程。予期せぬ交通量の多さに四苦八苦しながら、スペイン語のクラスにたどりついたら、20人のクラスメートのうち、3分の1ほどがすでに投票を済ませていた。

席に着くと、隣の席のMが『朝から投票に行ってきたから眠いよ』と話しかけてきた。Mは選挙権を得てから今回が初めての大統領選。毎日やっているという工事現場のバイトと、クラスのスケジュールを考え合わせて、朝一番に投票所へ行ってきたらしい。『投票所、どんな感じだった?どれくらい待ったの?』『いや、スムーズなもんだったよ。15分くらいかなぁ。他の投票所は混んでるように、(ラジオは)言ってるけどね。』

前の席に座っているアフリカン・アメリカンのSは熱心な民主党支持者。今日は少し遅れてクラスへやってきた。予想以上に投票に手間取ったらしい。投票した人が貰う”投票しました!“と書かれた2cm×1cmくらいのシールを、かわいくほっぺたに貼り付けていたから、『かわいいわね!』と声をかけると、『でしょ!』とニッコリ。

クラスが終わってからひとしきりみんなで立ち話をする。『日本の新聞も熱心にアメリカ大統領選を報じてるんだよ』と話すと、『ほんとに?』『そうでしょうね。』『アメリカだけのことじゃないし』と口々に反応が戻ってきた。そして今日は口数が多いSが締めくくる。『そうよね。世界中が、私達が誰に投票するかに注目してるんだもの。』

陳腐に聞こえかねないこのセリフも、ミシガンの若い学生の口から出ると、私には結構感激モノである。何事も“自分”が最初にくるカルチャーの中にあり、しかも作為的、無作為的に国際社会には目がいきにくい社会構造になっているアメリカのその田舎ミシガンで、“他の国の目”があることを意識できているというのは、実際驚くべきことだと切実に思うからだ。

4時からのクラスへ着いたら、ほとんどのアメリカ人クラスメートが”投票しました!“シールを貼り付けていた。このクラスは7時までだから、クラスが終わってからでは、8時に受付を終了する投票所に間に合わないからだ。仲良しのTなどは”献血をしました“というシールも貼っていて、『これ何?』と聞くと、『今日、模範的市民の義務を両方やってきたってことよ』という返事が返ってきた。要するに、投票所に併設されていた献血所で献血もしてきたらしい。

このクラスの担当K教授は、若手アメリカ人熱血学者といったところ。ひとたびクラスが終わると、ネオコン、共和党政権批判をネタに、軽く一時間は話が盛り上がってしまうバリバリのリベラル派でもある。このK教授、先週始めにクラス全員に宛てメールをよこし、共和党が仕切っている独自の投票監視団ボランティアの高圧的な監視マニュアルの内容を暗に非難しつつ、自分自身は、選挙当日に民主党系団体が組織する投票監視団に参加することにしたこと、またクラスの中で“健全な民主主義を推進するため”の同様の活動に参加する人があれば、クラスを欠席しても構わないことを伝えてきていた。そのメール通り、K教授はこの日朝から奥さんと一緒に投票監視ボランティアに参加してきたそうな。この人、翌日3日から1週間、インドネシアへ学術調査へ出かけることになっているというのに、さすがタフである。

3時間のセッションの最後に、選挙の話題になった。クラスの大勢は『楽観してるよ。』と言っていた。つまり、今夜のうちには結果がわかるのではないか、ということである。

この晩は、選挙速報を1人で見るのもつまらないので、友人6人ほどが集まって夕食を食べながらTVを見ることになっていた。9時過ぎに集合。ルームメイトもまじって、おしゃべりしつつ速報を見る。この日集まったのは日本人と韓国人。総じて、ケリー支持というわけではないが、反ブッシュというメンバーだった。私が、スペイン語のクラスではほとんどがケリー支持だったと話すと、大学のスポーツチームのプロコーチをしている友人が、教え子48人のうち、たった2人だけがケリー支持で、あと46人はブッシュ支持だったと報告し、みんなを驚愕させた。

ブッシュリードでケリーの負けムードが広がり落胆していたが、11時過ぎにケリーがあとわずかまで詰めより、思わず歓声。しかし数十分後にブッシュがさらに獲得選挙人数を積み上げ、過半数の一歩手前、269まで伸ばした時点で事実上ジ・エンドとなった。ミシガンの結果はケリーのリードながらまだ集計中だったが、オハイオがブッシュのリードのまま、ほぼ当確となったためだ。

ミシガンの開票がようやく終わったのは午前3時過ぎ。ケリーが勝った。これで、ミシガンでの大統領選は4戦連続民主党の勝ちという結果である。次回、2008年の大統領選挙の時には、もうミシガンは浮動州とはならないかもしれない。午前4時前、ブッシュの票は269のままで動きなし。これも2000年の教訓で、メディアは両陣営が勝ち負けを表明するか、全開票が終了するまで当確情報は出さないという慎重の構え。予想していたよりも淡々とした雰囲気の中、2日は終わっていった。

(続)





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最終更新日  November 7, 2004 09:17:16 AM
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