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November 5, 2004
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メルマガ 出たっきり邦人・11月5日発行・290号掲載原稿 続き

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道草みのむし三十路のみしがん―第14回★大統領選が終わって
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11月3日。大統領選翌日。クラスは落胆ムードでいっぱいだった。

スペイン語の教室へ到着し、スペイン人の先生に『スペインの新聞、もうチェックした?』と聞くと『オンラインでね。そうそう、スペインの新聞のひとつが、『ケリー勝利』って見出しで新聞発行しちゃったらしい(苦笑)』という。おやまぁ。『スペインはこの結果にはどうなの?』という問いには、苦笑いとブーイングサインが戻ってきた。スペインでは上流階級は親米派だが、中流より下はかなり根深いアンチ・アメリカなのだそうだ。彼女がアメリカへ行くと言った時にも、彼女の親類たちは『なんでそんなところに行くんだ』『何をバカなことしてるんだ』と大変だったとか。『フランスやドイツ(の反米感情)と変わらない』そうである。特にブッシュ政権への非難はすごいらしい。

民主党サポーターのクラスメートSに、『がっかりしたよね』と声をかけると、『もう信じられないわ。実際まだ信じてないけど。ケリーはオハイオ州の再集計をやるって言ってるし、まだわからないわよ。』と言う。確かに部屋を出る時点では、ブッシュ269対ケリー252のまま。民主党のエドワーズ副大統領候補がオハイオの未集計票について『どの1票も(きっちり)集計されるべきだ』としたコメントがくり返し紹介されていて、まだケリー候補の敗戦の弁は出ていなかった。

クラスに到着したクラスメート達が次々話しに加わってくる中、ブスーッとむくれた左隣りの席のKがやってきて、『負けた。』と言う。すかさずSが『まだよ。』と応じるが、Kが『負けたのよ。15分前にケリーが敗北を認めるコメントを出したのよ』と言うと、クラスのあちこちから『えーっ』『マジで?』『ウソだろ』と声が飛び騒然となった。15分前と言えば、クラスメートの大半が家を出た後のことだから、私も含めみんな知らなかったのだ。

憤懣やるかたない面持ちのKは、Wの文字に駐車禁止マークを重ねた大きなアンチブッシュシールを貼りつけた水筒から水を飲みながら、『もう、こんなにがっかりしたことないわよ。ケリーはベストな候補者じゃなかったかもしれないけど、ブッシュは私のこれまでの人生の中で最もヤバイ奴よ。そんな奴があと4年も大統領やるなんて、信じられないわ!』と言う。『どうしてこうなったのか不思議だわ。昨日いろんなアメリカ人学生と話したけど、ブッシュに投票したって人には、私は一人も会わなかったのに』と応じるとKは、『ミシガンはケリーが勝ったしね。でも南部は違うのよ。何も考えずに共和党に投票するのよ。』と息巻いていた。

ちなみにこの落胆ムードは、リベラルな気風の強い大学の中だからであって、決してミシガン州の典型的なものではない。郡ごとの集計結果を見ると、うち大学がある郡と、隣の有名大学がある郡、それからデトロイトではケリーが圧倒的に強かったが、ミシガン全州では文字通りの接戦であった。全米でも4番目という高い失業率を抱え、経済問題に悩んで共和党政権への懐疑心が強く、また民主党の女性知事を誕生させる投票動向の一方で、白人率も高く、元来のコンサバな気風は依然根強い。

大学の中であっても、たとえばクラスで大っぴらに政治や選挙を語る人はたいていアンチブッシュかケリー支持者だった。が、黙っている人にこっそり『で、どっちに投票するの?』と聞くと実はブッシュ支持者だったりしたものだ。2月の民主党候補者選びが終わった後、それまでタブー視されていたイラク戦争への批判、政権/政策批判が大っぴらに語られ始め、大学町では特にネガティブに傾きがちだった世論の中で、一般のブッシュ支持者は沈黙していったのだけれど、その多くが考えを変えたわけではなかった、ということだろう。

韓国人のルームメイトは達観していた。『ま、誰もが“ちょっとマシな何か”に期待したんだけど、結局何もおこらなかったってことよ。このまま何も変わらず、この国は4年間やっていくってだけのことよ。』

フランス人クラスメートは、チャットのハンドルネームを“この国はブッシュと一緒にあと4年もばかげた歳月を送るとは!”と変えていた。フランス人だけに痛烈である。

タンザニア人クラスメートは、何も言わず肩をすくめてみせた。母国で政府の役人として、長年国連のプロジェクトに携わってきた彼女は、言葉では語り尽くせないほどいろいろと思うらしい。

世界中がどんなに憂いてもやきもきしても、結局決めるのはアメリカ人達であり、それが主権国家の大原則でもある。アメリカ人達の喜憂を横目に、留学生達はただそれぞれにいろんなことを思い、考えるだけである。

昼過ぎにケリーが敗戦スピーチをし、その小一時間ほど後にブッシュが勝利スピーチをした。スピーチの中でケリーは『大統領は、投票者によって選ばれるべきであって、司法判断で決められるべきではない』と、彼が接戦で落としたオハイオ州の再集計を待たずに敗北宣言を決意した理由を述べていた。確かに。

2000年とは異なり今回は、最高裁判所が判断して決めた大統領ではなく、60年代以来最高を記録しそうな投票率と、勝者敗者共に過去最多の票を集めた中で大統領が選ばれたのである。散々物議を醸した大統領選だったが、こうして選挙があって有権者が直接投票し、白黒がはっきりしてみると、国の多数が何をどう支持しているのかが、双方の支持者、不支持者含め誰ものなかで明確になる。それはやはり、たとえどんな結果であってもいいことかもしれない、とケリーのスピーチを見ながら感じていた。

今日、11月4日は、街の雰囲気もすっかり元通りだった。巷の話題はローカルネタに戻っていた。

大統領選と同時に投票が行われたミシガン州の住民投票では、新しいギャンブル場を作るには住民投票が必要であることを州憲法に入れることが決まった。プロポーザル1と呼ばれたこの案件は、州の歴史の中でも稀に見る高額キャンペーンになったそうで、知事を始め提案に反対だったグループと、提案を推進したグループ双方が、キャンペーンの最終週だけに限れば大統領選を上回る資金を投入してTV広告合戦をくり広げていた。カジノ経営は、ミシガンにもたくさんあったネイティブ・アメリカンの部族に確保された特権でもある。そんなこんなが諸々絡み、この案件はミシガン人ですら混乱する複雑な話になっていた。

また同性愛結婚の法制上の是非を争ったプロポーザル2では、結婚は男性と女性のカップルで成立するといった文言を州憲法上で明記するという提案に賛成59%対反対41%という結果がでていた。これも、大学町を抱える、私の住む郡では反対が過半数を超えていたそうである。

この原稿を仕上げながらつけっぱなしにしていたテレビ。今日はやけに落ち着いているなと感じていたが、しばらくしてから、選挙関係の政治広告がすっかりなくなったからだと気づいた。昨年の今ごろはもうサンクス・ギビングムードでいっぱいだったものだが、今年の場合、これまでのところはそれどころじゃないという感じだったのか、恒例のセールのCMもデコレーションもほとんど目にしなかった。これから3週間の間に、例年どおり季節もので賑やかになっていくのだろう。早くも最低気温が0度に達しているミシガンでは、冬が始まろうとしている。

Pupa





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最終更新日  November 7, 2004 09:19:29 AM
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