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カテゴリ:泣きの涙のアカデミック
4時過ぎからのクラスの前、3時過ぎにクラスメートのTと待ち合わせる。彼女はスペイン語で学士をとっているので、スペイン語がペラペラで、期末のスペイン語口頭試験に向けて、特訓してくれると言ってくれたのだ。彼女も教えていて、30人から生徒を持っていて忙しい人なのに、ありがたい限り。 ビルの1階のホールのベンチで、スペイン語のテキストを広げて彼女は流暢に、私はたどたどしくスペイン語で話していたら、他のクラスメートも二人通りかかる。『あー、何やってるの?』『スペイン語教えてもらってるの』『おぉ、がんばれ。私はフランス語しかしゃべれないなぁ。』『これってPupaは第3言語なんでしょ?』としばしおしゃべり。 このクラスはインターンや仕事で開発の現場に行っていた人も多いためか、多言語を話すことに対する意識が高い。留学生は母国語と英語を話すし、アメリカ人学生もほとんどが何かしら第2外国語が話せたり、クラスをとっていたりする。私のたどたどしたスペイン語の受け答えを聞いていた二人が、『あぁ、Pupa発音いいじゃない』と慰めてくれる。決して良くはないのだが『日本人にとっては、スペイン語の発音の方が英語の発音よりもしやすいの。日本語で発音書けるんだよ』と答えると、へぇ~と面白がっていた。 グループプロジェクトのチームメイトはコスタ・リカ生まれのアメリカ人でスペイン語圏出身だから、今日はスペイン語で話しかけてみたら、『あぁ~』なんておもしろがられたが、実は結構日本語が話せる彼の日本語能力の方が100倍プロセスが早く、しかも発音が良い(大苦笑) 結局クラスが始まってからも放課後一緒に帰るまで、Tとはスペイン語と英語のチャンポンで会話する。普段のクラスや、先生との会話セッションではトレーニングしない部分の能力を使った感じで楽しかった。 ** 昼、クラスとクラスの合間にメールを開いたら、開発のクラスの教授から、先週提出したジョイントペーパーのフィードバックが入っていた。”これまで提出されたグループのペーパーの中で最高の10ポイント満点の9.5ポイントをつけた。0.5引いたのは、今後完璧なペーパーが出てきたときのためにとってあるからだけで・・・” コンピュータの前で思わず、ヤッター、と叫びたくなった。 このジョイントペーパーは先週失敗したプレゼンの元を形成するペーパーで、プレゼンの前日〆切で提出していたもの。日本人2人、アメリカ人1人のチームだったのだが、このアメリカ人が、自分のことはソツなくするが、一緒にワークをやろうという気持ちの全然ないタイプの人で、打ち合わせをしようとすると煙たがられたり溜息をつかれたりして結局ほとんどまともな相談などできず、結構しんどかったのだ。同時進行のプレゼンの準備も同じ状態だった。 仕方がないので、課題のマテリアルと推薦文献を一通り読み、コンセプトと筋書きを作ってOKをとり、イントロとまとめ、それから自分のパートを書いて、他の2人のパートをがっちゃんし、全体の整合性をとる役目をやったのだが、アメリカ人は全体の英語チェックすらしてくれなかったし、この状況が辛いと思わないように、と随分気持ちを前向きにコントロールするのに骨が折れた。その上他の課題の期限やテストが重なったりした上に、プレゼンがあのザマだったから、滅入っていたのだ。 開発の分野はそもそもの自分の専門ではないだけに、試行錯誤している。特に初めて学ぶ分野で、クリティカルシンキングができないから、毎週提出する課題Readingに対するリフレクションペーパーなどは、何を書くか、相当苦労してきた。10月に提出したフィールドトリップペーパーの成績こそ高かったものの、自分の思考回路、理解がこの分野の中でも通用しているのかどうかわからず、ずっと不安に思っていたのだ。 だから今日、教授のメールを読みながら、ほぉ~っと気持ちが安心するのを実感した。点数よりも何よりも、とりあえず、ここでも“はずしてない”コンセプトと“ねじれ”のない流れを組み立てることはできるようだ。しかもジョイントペーパーではずしたら他の2人に申し訳なかっただけに、その分も大いにほっとした。今夜はどうにか眠りにつけそうである。 *[アメリカ私考] ライス博士の就任 今日のトップニュース、ライス博士の国務長官就任について、まずはスペイン語のクラスで両隣のクラスメートに聞いてみた。 まずは22歳、白人アメ人男子学生のMに 『アフリカン・アメリカンの女性としては初めての国務長官就任でしょう。どう思う?』 と聞くと 『アフリカン・アメリカンかどうか、女性かどうかは関係ないよ。ポジションに対して彼女が相応の能力を持っているかどうかが問題だけど、まぁ、見てればスグにわかるだろうね』 次はアンチ・ブッシュを公言している白人21歳アメリカ人女子学生のK。いきなり、首を振ってノーのジェスチャーと表情。どうしてそう思うの? 『ライスは、世界にとって危険な存在よ。どうしてかって?彼女は嘘つきよ』 ときっぱり。「嘘つき」とは強烈な言葉だが、大量破壊兵器の一件のことを特にさしているらしい。Kは親類がイラクへ派兵中。親類が出兵している人はより大統領支持派である率が高いと聞いていたが、そうとも限らないのか。 次にアフリカン・アメリカンの22歳女子学生、民主党サポーターのSに聞くと 『Oh, no! 私、あの人大嫌いなの』 と少々予想とは異なる反応。同じアフリカン・アメリカンの女性だから、支持派かと想定したのだが、どうやら違うらしい。 夕方のクラスで、Tともこの話になった。アフリカン・アメリカン女性Sの、予想とは違った反応について話すと、Tのアフリカン・アメリカンの男性の友人が、アフリカン・アメリカンの間ではライス博士の人気がないと語っていたことを教えてくれた。ライス博士が、報道を通して理解する限りではブッシュ大統領のfollowerであることが不人気の理由の一つであるらしい。メディアの論調も賞賛と懐疑がますます混じってきている。これからどうなっていくのだろうか。Mじゃないが、庶民は見ているしかないのだけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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