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カテゴリ:アメリカ私考
勉強の手を止めて、HBOで放映された映画『Boycott』を見た。HBOの自主制作映画で、2001年にリリースされたもの。キング牧師と黒人リーダー達が市民権運動の大きなきっかけを作ったモントゴメリー・バス・ボイコットを率いていく様子を描いたストーリーで、行政当局が次々にしかける様々なプレッシャーや、市民権運動を憎む白人からの嫌がらせや脅迫、具体的な攻撃に抗いながら、コミュニティの黒人社会を非暴力不服従のうちに束ねていくための、苦労と苦悩の話だった。 歴史の表層で語られるのは、“キング牧師率いるモントゴメリーの黒人社会が381日に渡るバス乗車ボイコットを行い、市民権運動への足がかりを作った”となるのだろうが、その表層の下には年表上には現れないものがたくさんある、とあらためて思った。 381日ものボイコットをリードするには、理想や哲学、説得力だけでは足りない。理想や哲学は根本的な不可欠の要素だが、多くの人が係わるムーブメントを起こすには、それに加えて運営力と人材が必要なのではないかと思う。運営力には、資金力或いはそれを生み出すアイディア、分析力、戦略的企画力、教育力、組織力、そしてコミュニケーション力等々のサブカテゴリーが伴うだろうし、人材には人数だけでなく基礎学力や人材のバラエティ等々が必要に思える。 この映画が描いたストーリでも、まだまだ実際に比べれば甘いものなのだろうと思いながら見た。 American Rhetoric. Top 100 American Speechesのサイトで、1963年のワシントン大行進時のキング牧師のスピーチ、『I have a dream』を当時の録音・肉声で聞くことができる。全文のTranscriptも読むことができる。英語が聞こえ始めた頃に聞いて感動したのだが、以来毎年、Martin Luther King Jr. Dayには聞いている。映画を見終わった後、今年も聞いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 18, 2005 01:30:37 PM
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