|
カテゴリ:似文化異文化奇文化
TVをつけっぱなしにしていると、バレンタイン商戦の広告を山のように目にする。その点は日米同じ。ただし、アメリカのバレンタイン・マーケティングのターゲットは男性中心である。 日本でもよく知られている話しだが、アメリカのバレンタインデーは、カップルが一緒に過ごす日というニュアンスが強く、日本のように女性側から男性側にチョコレートを贈ったりプレゼントをしたりする、という日ではない。もちろん義理チョコなんて慣習も存在しない。アメリカの場合は、友人達を見ていてもカップルによって相違があるが、どうやら男性側から女性側に何かを贈ったり、素敵なデートをプレゼントしたり、というパターンが多い。それゆえ、マーケティングのターゲットは自ずと男性になる。 別の側面としては、アメリカでも女性側も何かしら用意するというケースもあるのだろうけれども、普段から何かにつけてプレゼントを贈ることに慣れている女性たちは、マーケティングされるまでもなく、相手に何を贈るか自分で考え決めることができるからではないかと思う。一方男性は、プレゼントに何を贈ればいいのか、頭を悩ませているとよく聞く。そういう思い悩む男性たちは、“こういうのを贈ると彼女は喜びますよ”という提案型のマーケティングに“ひっかかり”やすく、格好のターゲットということではないかと思う。 で、このバレンタイン商戦広告の中でよく目にしたのが「テディ・ベア」。派手に宣伝されているのは、カスタマイズできるテディ・ベアで、翌日配達も保証!なんて宣伝文句で広告をしている。広告のターゲットはあきらかに男性。テディ・ベアを贈れば女性は誰でも喜ぶ、といった文脈である。グリーティングカード最大手のHallmarkも、チョコを抱いたテディ・ベアが目玉である。 ん?何でテディ・ベアなのかしら、と不思議に思っていたら、今日行ったポストオフィスの窓口でも、局員のおばさんが自分のデスクの上に置いたプーさんの小さなマスコット人形にポストイットを貼って、『バレンタインは、テディ・ベアの方が人気者だ』といった意味のコメントがつけてあった。おや、またテディ・ベア。 私が持ち込んだ複数の荷物を量ったり、ラベルをつけたりしてくれている彼女を待っているのが手持ち無沙汰だったので、聞いてみた。 私『あのね、バレンタイン・ディとテディ・ベアには何か関係があるの?バレンタインの広告でも良く見かけるし、とっても不思議なんだけど・・・』 彼女『うーん、そうねぇ。特に関係があるってわけじゃないと思うわ。たぶん、単に可愛いから、っていうんじゃない?バレンタイン・ディの謂れは知ってるでしょ?』 私『うん。 テディ・ベアの謂れも知ってるけど、この二つのつながりがわからなくて、何でだろうって思ったのよ』 彼女『確かにテディ・ベアの広告をたくさんやってるわね。カスタマイズできるとかなんとか。ま、安全なプレゼントなのかしらね。』 私『(爆笑)』 彼女『ところで、この日本行きの荷物の中身は何?ラベルに書かなくちゃいけないんだけど。』 私『あ、キャンディとかチョコレートとかカードとか・・・。ボーイフレンド宛なんだけど、14日にはもう間に合わないわね(苦笑) 『今週とっても忙しかったの』って言い訳しなくちゃ。』 彼女『(爆笑)言い訳しとくのは大事よぉ。日本でもバレンタイン・ディをするのね。』 私『でもちょっと習慣が違うの。アメリカでは男性が女性にプレゼントしたりするでしょ。日本では2月14日には女性が男性にチョコレートとかプレゼントをするの。で、男性は3月14日のホワイト・ディにお返しをするのよ』 彼女、目を丸くして『へぇ。エ、何ていう日だって、その3月のは?』 私『ホワイト・ディ。ホワイト・チョコレートを贈るのよ。もっとも、これはチョコレート業界のマーケティングだって言われてるけどね』 彼女『(笑)。アメリカでもね、バレンタイン・ディはHallmark Dayって言うのよ』 私『(笑)どこでも一緒ねぇ』 彼女に、韓国にはさらに4月14日のブラック・ディというのがあるのよ、と教えてあげたらさぞかし驚いちゃうだろうな、と思いながら郵便局を出た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 12, 2005 01:48:37 PM
コメント(0) | コメントを書く
[似文化異文化奇文化] カテゴリの最新記事
|