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March 4, 2005
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メルマガ出たきり邦人、北米・オセアニア編323号掲載原稿です。

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出たっきり邦人■北米・オセアニア編■〓アメリカ・ミシガン発〓
道草みのむし三十路のみしがん

第18回★スーパーボウル・フィーバー~来年はデトロイト開催


2月第一週の日曜日は、スーパーボウル・サンデー。開催地には10万人が押し寄せ、全米で8500万人以上がテレビ観戦すると言われるという、アメリカ最大のスポーツイベントの日である。

一人でTV観戦してもつまらないということなのか、この日は“スーパーボウル・パーティ”というのがポピュラーで、友達同士や家族・親類で寄り集まって、ビールを片手に、ピザやプレッツェル、チップスをほおばりながらゲーム観戦というのがよくあるパターン。

したがって、スーパーマーケットは前の週から、ビールやチップスを積み上げて盛大に“スーパーボウル・セール”。学生同士でパーティをやるとおぼしき男の子たちは、瓶ビールでは間に合わないのか、なんと一抱えもあるバレル缶(164リットル)でビールを買いつけ、クルマに積み込んで帰っていく。もちろんテレビはスーパーボウルの話題でいっぱい。特にアメフトに興味がなくても、「あぁ、今週末はスーパーボウルだっけ」と気づく。

アメリカに来て3年半。スーパーボウル・サンデーももう4度目になるが、アメフトにそこまで思い入れがあるでもなし、これまではヨソ様の祭りという感じだった。が、今年はアメリカ人の友人が自宅でパーティをするからぜひ来いと誘ってくれたので、いったいミシガン人達がどうスーパーボウル・サンデーを楽しむのかにも興味をひかれるし、出かけることにした。

デトロイト近郊出身のその友人は、修士課程を卒業後、デトロイトで数年働いてから博士号をとるためにアカデミックに戻ってきた人で、学生としては多少財政的に余裕がある。奥さんと2歳の娘と一緒にキャンパスからクルマで20分ほど離れた住宅街の一軒屋に暮らしていて、彼の家の地下室には、大きな大きなテレビがあるのだ。

普段は娘の遊び部屋か、友人の勉強部屋になっているその地下室に、その日はイスやらソファーがたくさん運び込まれて、すっかりパーティ態勢。こういう誰かの家や部屋でのパーティにおよばれする時は、何か食べるものか飲むものを持っていくのが慣習だから、ホストが用意したビールやプレッツェル、ピザやサラダの横に、それぞれが持ってきたスナック菓子やビールなどがどんどん並べられていく。

余談だが、ポップコーンと言えば映画かビデオ鑑賞だし、ホットドッグなら野球観戦、プレッツェルはアメフト、という“お約束”の連想がある。たとえば、友達が遊びに来て、ポップコーンを持って来たと言ったら、「何の映画(のビデオ)を借りてきたの?」と聞くという具合。「外で食べるホットドッグもいいわね」と言えば、「野球観戦に連れて行け」という催促である。

ところが、2002年の一月以来、プレッツェルといえば必ずその場の誰かが何かしら言いたがる、さらなる“お約束”がくっついた。これはTVでアメフトを見ながらプレッツェルをほおばり、喉に詰まらせて大騒ぎになったブッシュ大統領のせいだ。この日も誰かが、アメフト観戦にはかかせないプレッツェルを皿に出しながら「気を失ってる場合じゃないから、今日は食べないぞ」なんて言っていた。

さて、この日集まったのは家主である友人の従兄弟や、同じカリキュラムの同僚達、その友達といった顔ぶれ。3分の二はアメリカ人で3分の一が韓国、トルコ、オーストラリア、タイ、中国、日本からの留学生というメンバーだった。大学院生ばかりのため比較的年齢層が高く、パーティ自体は随分落ち着いた雰囲気。

アメリカ人達はもちろんアメフトのルールに精通しているが、留学生組はほとんど知識がない。それでもパーティにやってきたのは、私同様、アメリカ人がどう楽しむかに興味があるからだ。アメリカ人参加者の一人が、まだ試合も落ち着いているファースト・クォーターの間に、アメフト・ルール基礎のキソを即席で講義してくれたのだが、その説明のわかりやすさと手際の良さに感心。彼らのアメフトに対する熱意と造詣の深さに舌を巻いてしまった。

もっとも彼は、異文化体験者への配慮からそうしたというよりも、ワンプレーごとに「エーッ、今のは何したの?」「何でプレーが止まったの?」「次はどうなるの?」と騒いで聞きまくる連中を、先にまとめて教育しておいた方が自分の観戦に集中できると考えたのかもしれない。

ニューイングランド・パトリオット対フィラデルフィア・イーグルスの追った追われたゲームがおもしろくなかったわけではないが、アメリカ人達を見ているほうがはるかに面白い。こういうところは国が違っても一緒というところか、まるで日本のサッカー日本代表戦よろしく、すっかりみんなヘッド・コーチ状態。ワンプレー、ワンプレーに歓声を上げたり、悲鳴と共に頭をかきむしったりするだけでは飽き足らず、プレーが途切れるごとに、戦略を巡って熱心な議論がはじまるし、プレーが再会する時にはかけ声をかけて気合を入れ、はたまた息をつめて、まるで自分がこれから目の前にいるプレーヤーにタックルするかの勢い。トルコ人と一緒に、「この光景はサッカーがアメフトに変わっただけで、私たちの国と変わらないよねぇ」と言い合った。

スーパーボウルTV観戦は他にも楽みがある。スーパーボウルは、全米の年間TV番組の中で最も高い視聴率を集めるプログラムである。このプログラムの間に流される広告は、30秒スポット1枠が$2.4M(約\2億5200万)というべらぼうな広告枠の値段も話題なら、その内容も各社スーパーボウル特別バージョンだったり、この日が初オンエアというプレミア広告を持ってくるため注目の的。

ゲームの何カ月も前から、広告枠の売れ行きが新聞などでも報じられるし、ゲームの前日には、過去の話題の広告を集めた特集番組まで放送される。ゲームの翌週には新聞・雑誌の広告ウォッチングコラムが一斉に批評を出すという具合。私の所属する学部はその名も広告学部だから(私のカリキュラムは広告とはコンセプトの異なる広報だが)、毎年このスーパーボウル・ナイトには、学部の教授達はみんな集まって30社・約60の広告スポットの評価会をし、結果を公表する。

スーパーボウルの視聴者は基本的には男性が中心。広告スポットの常連はビール会社である。そのほか、ペプシ・コーラも毎年力が入った特別バージョンだし、クライスラーなどの自動車メーカーや、宅配のFedEx、ファーストフード・ジャイアンツのマクドナルドやピザ・ハットなども恒例の顔ぶれ。

広告の内容は、スーパーボウルをモチーフにしたパロディあり、動物あり、我が道を行くものあり、と様々だが、今年、パーティ参加者に一番うけていたのはFedEx/Kinko’sだったし、シニカルな笑いを誘ったのは去年のジャネット・ジャクソン・ハーフタイムショー事件をパロディにしたGoDaddy.comの広告。ちなみにこのGoDaddy.comの広告は、“表現方法”にクレームをつけたNFLのプレッシャーで、放送局のFOXが2度目のオンエアを中止し、後日騒ぎになったいわくモノ。うちの学部の教授達による評価会ではバドワイザーのバド・ライトの広告がトップになり、昨年散々な評判だったことの汚名を挽回していた。
(スーパーボウル2005の広告は、以下のサイトで見ることができます
http://dyn.ifilm.com/superbowlads/ )

ちなみに、スーパーボウルが全米年間注目度ナンバーワンの広告スポットなら、先週日曜日に行われたアカデミー賞がナンバー2スポット。30秒のスポットが1枠$1.6M(約\1億6800万)で、こちらも各社プレミア広告を並べてくる。ただし、こちらの視聴者は女性が中心。内容も、グッと女性を意識したものになる。

年々視聴率は低下傾向にあるアカデミー賞だが、「それでも広告を出す意義はあるのか?」とインタビューされた大手広告代理店の副社長は、「みんながTVでそれを見るためにパーティをするなんて、アカデミー賞かスーパーボウル以外にありますか?視聴率以上に、アカデミーやスーパーボウルのスポットに広告を出すのは大事なんですよ」と答えていた。

さて、スーパーボウル。ドローで迎えたハーフタイムショーに登場したポールマッカートニーが『ヘイ・ジュード』で締めくくるのを見ながら、同じコミュニケーション系メジャーのアメリカ人と一緒に、「いやぁ、クラシックなショーだったねぇ」「去年のジャネット事件のせいだねぇ」と言い合う。去年のジャネット・ジャクソン事件は、放送局への法規制強化の是非、倫理、表現の自由等々、様々なトピックをめぐってこの一年間、放送業界を侃侃諤諤、戦々恐々の状態に持っていってしまった。マーケティングやブランドマネージメント、IT,広報といったビジネス関連分野を専攻するメンバーばかりが集まったこのパーティでは、このハーフタイムショーがどういったものになるのかにも関心が集まっていたのだ。

そして始まった後半戦も追った追われたの展開。ゲームを横目に、今日はホストとして忙しい友人と、来年の話になった。2006年のスーパーボウルはデトロイトで開催されるのである。

私「やっぱり楽しみでしょ。観に行きたい?」
友人「冗談だろ。チケットいくらするか知ってるか?」
私「$600だっけ?あれでも一番安いシートなんじゃない」
友人「いずれにせよまず手に入らないし、手に入れるにはとんでもない金をつまないと無理だよ。なんせスーパーボウルだからな。もっともデトロイトには、家を売ってでも観に行きたいと思ってる奴がいっぱいいるだろうけどね」
私「もしも、もしもよ、デトロイト・ライオンズ(NFLイチの弱小プロフットボールチーム)が出ることになったら?」
友人「俺だけじゃなくて、デトロイト中の奴が家を売るよ(爆笑)」

パトリオットがイーグルスを破って、スーパーボウル2005は終わっていったが、デトロイト開催の関係者はヒートアップ。翌週はミシガン内のあちこちのローカル紙が「さぁ、いよいよ次はデトロイト」と報じていた。

(続く)





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最終更新日  March 7, 2005 03:25:47 AM
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