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カテゴリ:似文化異文化奇文化
スペースシャトルの最初の打ち上げ予定日の朝、日本で午前4時50分に目覚ましをかけて起き、打ち上げ延期のニュースを見てがっかりしたものだ。 それくらい気合が入っているから、7月26日の打ち上げは、一時間前からTVをつけて、固唾をのんで見守った。2年前、コロンビアの事故はライブで見ていて、TVの前で凍りついたものだった。シャトル計画はその経緯とか背景とか、いろいろ手放しで喜べないものがあるのは百も承知だけれど、とにかく無事に行って無事に帰ってきてほしい、と祈りながらシャトルの出発を見送った。 もちろんCNNにしろNBCにしとCBSにしろ、シャトル関係がトップニュースなのだが、その報道を見ながら「おぉ、アメリカに帰ってきたなぁ」と感心したのが宇宙飛行士・野口さんの扱い。その直前までいた日本では、まるで野口さんしか搭乗しないかのように、シャトルと言えば野口さん一色だったから、アメリカに帰ってきてからは、その扱いの軽さが非常に印象的だった。まぁ、年齢も一番若いし、フライトも初めてだし、ということもあるのかもしれないが、何にせよ、アメリカのメディアが興味を持って報道する対象ではなかったようだ。 打ち上げ直前、CNNライブ中継のアナウンサーがすべての宇宙飛行士を紹介していく段になっても、野口さんについては手元のエピソードというかデータが足りないのかして、他の宇宙飛行士たちに比べてはるかに短くあっさりした紹介。思わず苦笑してしまった。 が、この数日のスペースウォーク&機体外壁の修理、というところへきて、野口さんの注目度大アップ。修理活動を担うメインのメンバーの一人なのだから当然と言えば当然なのだが、それ以上に、今最も心配されている機体の「修理」に「日本人エンジニア」が携わっている、というのが非常に頼もしい印象を与えるらしく、NBCでもCNNでも、やたらと“Japanese”が強調されている感じである。 十把一絡げにした「国民性」なんてものに基づく性格とか人柄の描写は、ステレオタイプのとなりにある極めて危うい考え方だと知りつつも、やっぱり「国民性」とか「民族性」ってあるよなぁ、と思う時がある。何にせよ、お知り合いでも何でもないけれど、同胞としては野口さんの活躍は嬉しいし、野口さんの働きを頼もしげに語り合ってるアンカーたちの会話を聞いているのも意味なく嬉しい。とにもかくにも、全員が元気で帰ってきてほしいな、とニュースを見るたびに思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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