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カテゴリ:徒然猫物語
(飼い主:猫の看護に興味のある方がお読みください。)
僕はチロ。 生まれて初めてだったんだ。 飼い主にブラッシングしてもらってるのに、 猫が本気で飼い主を噛んだり引っかいたりするのを見たのは。 生まれて初めてだったんだ。 飼い主が猫を凄い声で叱るのを見たのは。 僕はびっくりして胃が痛くなった。 胃がむかむかして、舌がペロペロ出た。 (吐き気がある時は、猫は舌がペロペロ出るんだ。) 僕ら(チロとハク)の方から、その猫のところに挨拶に行って 鼻キスに成功したのに、 僕らに敵意がないってわかっているのに、 その猫は僕らのところに来て、攻撃しようとするんだ。 僕にはガーネットが理解できなかった。 そしたら、今度は突然ハクが気持ち悪そうに吐き始めた。 ガーネットが理由じゃなかったみたいだけど。 僕は心配してハクのところに見に行った。 ハクも消えるんじゃないかって。 だって、ミントやチョビや他の猫たちも、 気持ち悪そうだったり、だるそうだったりすると、 飼い主がどこかに連れて行った。 元気になって帰って来たときもあったけど、 冷たくなって帰って来たときもあった。 冷たくなって帰って来た時は、もうその猫の心はそこにないんだ。 話しかけても、すりすりしても、返事してくれないんだ。 心はどこに行ったんだろう・・・・ 僕はいつもそう思っていた。 ハクもやっぱりそうだった。 飼い主がどこかに連れて行って、冷たくなって帰って来た。 こんなの、もう何10回も見た。 さすがに僕にもわかった。 これでハクの姿が消えて、もう帰ってこないんだって。 ハクにすりすりしても、もうハクは応えない。 ハクの入っている箱にすりすりしても、もうハクは応えない。 もうハクの心は帰ってこないんだ。 僕は泣き続けた。 ハクが来てくれてから1ヵ月半、鳴いた(泣いた)ことがなかったのに。 それから数時間後、僕の後ろ足は突然動かなくなった。 太ももの外側の付け根の筋肉が、ブルブル震えて全く立てなくなった。 飼い主が冷たくなったハクをどこかに連れて行って、飼い主がいなかった日、 全く動けなかった僕は、ずっと猫ベッドに座ってた。 お水のところまで行けず、お水を全く飲めなかった。 お手洗いだけは、前足で這って行ったけど・・・・ 飼い主は、多分精神的なものが原因だろうと思ったみたいだ。 僕の気持ちが落ち着いた2日後に、 飼い主が僕を動物病院に連れて行って検査した。 骨にも、末梢神経にも、血液にも異常はなかった。 (腎臓の数値は決して良くはなかったけど、2006年10月の時と変わらなかった。) 「猫の心のケアは、飼い主さんがしてください」と獣医さんが言ってたっけ。 飼い主も確かにそうだと思ったらしく、 一生懸命僕を抱っこしたり、話しかけたりした。 でも、足が治るのと入れ替わりに、 今度は3時間ごとに嘔吐と下痢が続いた。 下痢の匂いを嗅ぐと、気持ち悪くなって吐くみたいだって、 僕がお手洗いする時には、 飼い主がタオルで僕の顔の周りを包んで、下痢の匂いを嗅がないようにしてくれた。 下痢が凄い時って、遠くのお手洗いまで間に合わないだろ? それでしばらく僕は人間用ベッドに敷いたペットシートでお手洗いをしてたんだ。 匂わないように、飼い主が僕の顔をタオルで包んだまま、 お手洗い済みのペットシートをさっと畳んで、5秒で片付けてたけど。 お手洗いの後、自分でお尻をきれいにすると、匂いで吐くから、 いつも飼い主にコットンでキレイにしてもらった。 下痢が少し良くなって、自分でお手洗いまで行けるようになったら、 飼い主が僕の食事の支度を始めると、僕はさっと自分で食事前にお手洗いに行った。 食事後にお手洗いに行くと、最初の頃は匂いで吐いてたから。 一度僕は、飼い主が自分で食べるヨーグルトを用意しているのを 僕の食事と間違えてお手洗いに行って、食事に備えたけど、 いつまで経っても、僕のゴハン来なかったっけ。笑。 嘔吐は1週間で止まった。 下痢は続いてたけど。 僕が吐き始めた初日、飼い主は、 スポイトで3時間ごとに水に溶かしたフェロビタを飲ませてくれた。 だって胃に固形物を入れると吐くんだ。 人間も胃腸がとても悪い時は、 胃に優しい、すりおろしたリンゴ・ジュースなんかを少しずつ飲むだろ? それと同じ。 少しずつ、少しずつ、飲むんだ。 翌日からは、流動食に近い「ヒルズの処方食AD」を3時間ごとに、 これも少しずつ口に入れてもらった。 (飼い主は、僕を人間用のベッドに寝かせて、ベッドにペットシーツを一面に敷き、 僕が嘔吐や下痢をするたび飛び起きたり、 3時間おきに僕にADを食べさせたりしてたけど、 僕と1日中眠っていたから、睡眠は普段より取っていたんだって・・・ その合間に仕事してたみたいだ。 それで7月は大幅に仕事を減らして、8月はその分、仕事を頑張ってた。笑。 飼い主は、もし自分が億万長者なら、こんな時、 僕専用の獣医さんやAHTの人を雇えるのにってぼやいてた。笑。 僕には、かなりきめ細やかなケアが必要だった。) でも、5日目には、まだ食べた物がそのままの色で、 整腸剤も、そのまま粉状で便に出てた。 でも、整腸剤を変えて、 普段飲んでる整腸剤ビオフェルミンを大量に投与してもらったら、 下痢がかなり良くなった。 胃炎用の薬ガスターも効いたみたいだ。 それを見た飼い主は、普段僕に飲ませている他のサプルメント (プロポリス、ロイヤルゼリー、ビタミンCやE、その他)も一斉に投与した。 流動食のADから栄養とカロリーが摂取できてるかどうか、 飼い主はとても不安だったみたいで、 液体のフェロビタも併用した・・・ それで僕は全然痩せなかった。 嘔吐と下痢ばっかりしてて、 大量の水分が体外に出てたので、脱水にも陥ってた。 それで、脱水状態の様子をみながら、皮下点滴も頻繁にしてもらった・・・ 1週間たったら、3時間ごとの食事が6時間ごとになり、 10日で12時間ごとになった。 2週間経って、流動食に近いヒルズの処方食ADから、 同じくヒルズの腎臓病食KDに切り替えた。 念のため最初6時間ごとにしたみたいだけど、僕はもう吐かなかった。 (飼い主:KD缶には2種類ありますが、チキンKD缶の方です。 こちらの方が柔らかくて消化しやすそうだったので。) 3週間かけて、やっと治った。 僕はもう猫を失うのはイヤだ。 ずっと僕の傍にいてほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.05 12:40:10
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