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カテゴリ:徒然猫物語
僕は猫のハク。 僕は亡くなる直前、不思議な水を見た。 そのとき、僕は腎臓が悪くて、もう目しか動かせなくなっていた。 飼い主は、僕の身体が全く動かないのに気づいた。 目も見えないのかと思っていたみたいだ。 でも、飼い主が左右に動くと、 飼い主の動きを追って、僕の目もじろりと動いたから、 僕の目が見えてるのは、わかったんだね。 でも一生懸命、頑張ったんだけど、 僕はもう目しか動かせなかった。 本当にもう目しか動かせなかった。 「ハクの身体、もう動かない・・・ハクの身体、もう動かない・・・」 飼い主の目から水が流れてた。 不思議な水だなぁ。 あれは何なのかな。 僕は飼い主の目から水が流れるのをじっと見ていた。 動かない身体で、 ずっとずっと、不思議な水だけを見ていた。 飼い主が右に動くと、僕の目も右へ、 飼い主が左に動くと、僕の目も左へと、 不思議な水を目で追った。 僕は少し前に、 人間の「ため息」を覚えたばかりだった。 最初、人間の「ため息」がわからなくて、 シャーっと息を吐く「威嚇」と間違えたんだ。 だって、どっちも息を吐くだろ? でも、せっかく一つ一つ人間のことを覚えていったのに、 人間の「不思議な水」も覚えたのに、 その4時間後に 僕の肺と心臓は、完全に機能を停止した。 無念だった・・・・ (著作権及び写真提供:ダイダイさんとスネグルさん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.26 11:32:35
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