Pussy Cat Sophie （子猫ソフィの猫物語）その他

遥か昔、中学時代か高校時代に生物の授業で、
「ミドリムシは光合成ができる唯一の動物」だと習ったことがある。
動けない植物は、光合成でエネルギーその他を作って生きる。
光合成ができない動物は、植物や他の動物を食べて生きる。

動物性タンパク質には、人間が自分で作ることができない
必須アミノ酸が含まれているとも習った。

だから、おそらく動物性タンパク質を人工合成する日まで、
普通の人は、動物性タンパク質を動物から接取せざるを得ない。
（動物性タンパク質を摂取せずに、菜食主義者のベジタリアンで頑張る人は別だが、
人間の身体の組成上、かなり辛いんじゃないかと思う。
　アミノ酸のサプルメントもあるにはあるが・・・）

でも、動物性タンパク質を人工合成できるようになったら、
食べるために飼育している牛や鶏や豚などの動物が減るだろうな・・・
これは、人間に食べられるためだけに生まれてくる動物にとって、
果たして良いことなのかどうか・・・
人工合成した動物性タンパク質の安全性や、
自然の摂理に反する・・・という議論も出てきそうだ。

ミドリムシは、他の植物や動物を接取しなくても生きていける。
ミドリムシが進化していれば、
植物や他の動物を殺して食べなくても良かったのにと思う。
倫理的な熟考を要する「面倒くさい前提」が全てひっくり返るではないか。

でも、生きるために動物を殺して食べざるをえないのであっても、
せめて動物実験は止めて欲しいと思う。
動物実験の代わりに、培養した細胞で実験するなどの方法は、
その気になれば、いくらでもあるのではないか。

動物実験に適した実験用動物を開発したなどと、数ヶ月前
誇らしげに日経新聞のインタビュー（確か「人間発見」という記事）に答えた人もいるが、
長い人類の歴史で見ると、おそらくは将来の価値観で考えると、
こういう人は倫理観が狂っているのだと思う。

自分の倫理観が狂っていることに気づかない恐ろしさ。
良いことをしていると信じて疑わない恐ろしさ。

実験用動物の開発など、決して誇るべき仕事ではない。
恥ずべき仕事、歴史の闇に葬られるべき仕事、
「今では信じられないが、
昔はそんな仕事が讃えられていた時代があった」と
いつか言われるであろう仕事である。

インタビューで患者に感謝されていると言っていたが、
私も患者の端くれだが、感謝などしていない。
実験用動物を開発する暇と金と頭があったら、
死に物狂いで他の方法を開発してくれと私なら言う。
頭が良いのなら(確か東大出身だった)、
安易な方法に走るなと私なら言う。

たとえ東大出身でも、普通の頭の人と同じことをするのなら、普通の頭の人と同じだ。
東大出身を誇るのなら、普通の人ができないことをやってほしい。
それができる頭が東大出身者にはあるはずだ。

東大はその頭の良さを買われて、
国民の税金から支払われている国の助成金が、私大よりも遥かに多いはずだ。
東大が普通のことしかできないのなら、納税者として税金返せと言いたい。
東大の設立資金・設備費その他は、元は税金から出ている。
私立よりも学費が安いのも、税金の後ろ盾があってこそである。
東大は普通の人ができないことをやって、国民に税金を還付してほしい。
国民はそのために頭の良い東大出身者に一目置き、
暗黙のうちに各種の特権を付与している。
人は、特権ばかり貪って自分たちと同じことしかしない人間に、一目置いたりはしない。

動物実験を誇る人は、
人体実験が当たり前の時代には、
人体実験を誇らしげに語るのだろうと思う。

でも、動物実験を禁止せず、安易に動物実験に走れる環境も悪いが、
このような安易な人達を批判しない私たちも悪いと思う。