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カテゴリ:徒然猫物語
2014年4月17日朝7時、さっきシッポが逝った。
20日間の寝たきり闘病生活の後。享年10歳(推定)。この子は本当によく頑張った。 私はこの20日間、枕元で眠るシッポの看病のために、ベッドに横になって翻訳をしていた。昔自分が病気だった頃に翻訳していたように。ウチの猫は具合が悪くなると、人間の枕元に寝かせて、目を離さないようにしている。 猫エイズが発症したシッポはもう体が麻痺して動けず、お手洗いに行くことも自分で食べることもできなくなっていた。猫エイズが脳細胞の奥深く入り込み作動し、神経を麻痺させたのだ。サーシャとセイラの時はまず運動神経が麻痺し、次に視覚中枢が麻痺し、最後には呼吸中枢が麻痺して逝った。猫エイズにかかっている以外はどこも悪くなかったのに。 シッポは幸いにも、口の運動神経と体内から体外へと排泄する神経はまだ機能していた。運動神経や自立神経が完全に麻痺したわけではない。そこで私は柔らかい缶詰や液体状のフェロビタを口に流し込み、垂れ流した汚物をすぐ取り除いて濡れた部分を拭き、シッポの身体全体が濡れないようにしていた。 昨日午後3時頃、「私治りたい!治りたい!」とシッポが叫んでいるような気がした。不思議に思って、枕元の傍のシッポをよく見ると、意識がなかった。「なぜ!?」と思って、シッポを包んでいた猫用カシミアを取ってみると、便をしていた。便をして腹圧が狂ったのだ。数日前も便をしたとき、この子は意識を失いかけたが、何とかすぐ意識が戻っていた。今回は戻らなかった。 そういえば、数年前20歳で逝った母の猫「シャトン」も、便をして腹圧が狂って意識不明に陥り、そのまま逝ったっけ・・・たったそれだけのことで逝ってしまうほど、あの子達の体は弱っていた。 シッポは歩けず、お手洗いに行けなかったので、カシミアの中におむつ代わりにペットシーツを敷いて、ペットシーツごとカシミアで包んでいた。でないと、尿をしたときに、毛がびしょびしょになるのだ。 20日間の闘病中、お腹が空いたり、喉が渇いたりすると、 口をもぐもぐさせて、私に教えたシッポちゃん。 北の国「福島」から来た寒がりのシッポちゃん。 人間を嫌がらない野良猫で、サジさんに拾われ、ウチに里親制度で来たシッポちゃん。 猫なのに猫嫌いで、他の猫と喧嘩ばかりしていたシッポちゃん。 ロビンにいじめられて胃炎になったシッポちゃん。 人間に触られるのも嫌いで、抱っこも嫌い。 抱っこされるとグルグル文句ばっかり言ってたシッポちゃん。 シッポにとっては、たった1つの自分の猫人生。 もっと幸せにしてやりたかった。 でも、最後の20日間だけは、カシミアに包まれて、とても暖かかったね。 今もまだシッポの体は暖かい。 *福島原発から20kmの所に住んでいたサジさんは、原発で極度のうつ状態に陥ったとのことで、シッポの死を未だに伝えていません。おそらくこの日記も読んでいらっしゃらないと思うので、掲載しました。執筆は2014年4月17日。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.04 12:29:57
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