『ボーン・アルティメイタム』息も付かせぬアクション映画
自分にとってのいい映画とは、観た後しばらくしても映像が頭に残り、シーンを反芻してしまう映画。『ボーン・アルティメイタム』はそんな映画。原作も映画も三部作だということだが、三作目で初めて観た。ストーリーとアクションとも素晴らしい。こんな映画があったとは新たな発見。町中のカメラや通信の声紋から居場所や動きが特定されてしまうというような、情報社会の恐ろしさを描いては、「ダイハード・4」よりも徹底している。モスクワ・パリ・ロンドン・トリノ・マドリード・タンジール・ニューヨークと世界中のロケシーンは「007シリーズ」や「MIシリーズ」を凌駕している。ニューヨークのカーチェイスでの車の壊し方も今までにない迫力。前作を観ていないとストーリーがよく分からないということもない。ハンディー・カメラ多用による映像の揺れやシーンの切り替わりの多さで目眩を起こしそうなのも臨場感に一役買っている。絶叫マシーン大好き人間だったらハマルこと請け合い。劇場のスクリーンで観るべき映画。