標高5,640mで
先日のNHKの「サイエンスゼロ」で『南米チリ標高5,000m世界一ホットな天文台』を観た。数日経った今でも強く印象に残っている。と言うのも海外の最新の天文台といえば、すばる望遠鏡のあるハワイ島だけを知っていたからだ。すばる望遠鏡は、標高4,200mのマウナケア山頂にある、大型光学赤外線望遠鏡。チリのそれは、ミリ波干渉計と言われるいわゆる電波望遠鏡。とにかく世界一標高の高いところにある天文台に現在設置されつつあると言う。その天文台の名は「東京大学アタカマ天文台」。そこの標高は何と5,640mだそうだ。酸素濃度が平地の半分しかないので、研究者は酸素を吸入しながら観測をしていた。ミリ波は水蒸気によって吸収されるので、水蒸気がより少なく空気が透明なアタカマ高地が最適なのだそうだ。電波望遠鏡といえば長野県野辺山の電波観測所を見学したことがあるが、当然ながらそれよりもずっと大規模。アンテナを特殊な車両で移動する。ミリ波干渉計で中間赤外線を観測することによって、生まれたばかりの星の様子を知ったり、生命につながるアミノ酸の発見の可能性もあると言う。驚くような宇宙の新発見があるかも知れない。チリのアタカマ高地ではとても行けそうもないが、せめてマウナケアのすばる望遠鏡ぐらいは見学してみたいと思った。