『007 スカイフォール』
「007スカイフォール」を観た。もちろん劇場で、独りでだ。そういえば最近数か月は劇場に行かなかった。映画を観る余裕のない今の生活にとっては、ありがたい年末休みなのだ。今回3作目だという、ダニエル・クレイグのボンド。マッチョな肉体はそのままだが、加齢によって体力が衰えているという演出だ。筋トレで疲れを見せたり、射撃で的に当たらなかったり、エレベーターにぶら下がっても腕が耐えられなかったり…。スパイとしての能力が落ちているのだ。プールで泳ぐシーンでは、プールサイドに上がって息を切らしてしまう。自分と引き比べて身につまされた。ネタバレが過ぎるといけないので、具体的なことはこれまでにして、イスタンブール、上海、マカオ、そしてロンドンと、世界の都市を舞台にした007の大活躍は単純に痛快で面白い。しかも美しい。上海の摩天楼やネオンサインの光の中のでのアクションシーンなどは最高だ。その上、スカイフォールに象徴される、ボンドの出自とMとの関係など、人間的なドラマチックな面も魅せられる。‘ニキビ面’のQは世代交代の表れ。ちょっと悪乗りのするアストン・マーチンDB5の登場と破壊。そして、Mの交代。007も過去を清算して次のヒーロー達に引き継がれていく。そんな気分の内容だった。ともあれ、大スクリーンで観るべき作品であることには間違いない。