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カテゴリ:きらきらポストモダン推理
西田征史の舞台脚本を原作とした,三羽省吾の作品を読んだ。
〇ストーリー 窃盗の罪で少年院に入っていたハジメは,町工場で溶接工として働いており,恋人・美沙と同棲も始めたところだった。だが元の仲間で出所した男・畠山に脅され,豪邸に盗みに入ることになる。そこに訪れた人々には家主として対応し,実は在宅だった家主には取引先として対応するのだが,徐々にツジツマが合わなくなり・・・ ーーーーーーーーーー アンジャッシュ・・・は触ってはいけないワードなのかも知れないけれど,彼らのコントの多くはすれ違いをキーにしていて,そこから面白さ,笑い,感動を導き出していることが多い。 これって多くの舞台劇でも使われていて,またかよ,と思いつつも,すれ違いから生まれる効果はひじょうにバラエティに富んでいて,決してマンネリにならない良さがある。 この作品も,ベタな設定を,すれ違いから起きた出来事をコロコロと転がして,キレイに仕立て上げていると思う。 ーーーーーーーーーー 僕は三羽省吾のファンだ。それとは別に木下半太など,舞台脚本出身の小説家も好きだし,内田けんじなどの映画作品も好きだ。 ということをくどくどと述べているのも,この作品の読者へ訴えかけるチカラの不足にガッカリしているからだ。三羽省吾は以前も原作脚本付きの小説を書いていたが,そうした場合かっちりと原作リスペクトしてしまって,小説としては面白さやドライブ感がない。 それだったら木下半太のように,自分で小説化をした方が,原作脚本家も,小説に変換した作家も傷付かないんじゃないかと思う。 現状では両方へのマイナスだと思う。 ーーーーーーーーーー 誤解をしないでもらいたいのは,僕はこのストーリーは好きだ。いろいろ甘々な部分はあるので,それを補って,ドライブ感を出すのが小説化のお仕事だと思ったのだけれど,どうした意向か,原作通りに仕上げたことで,小説版としてはあちこちにアラが出てしまっていると思う。 うーん,次,頑張ろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.07.15 21:55:18
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