陳氏太極拳、と、そんな生活

ハイキング２日目。

むかしむかし、ツルギの名工さん一派が剣を鍛えたと言う
鍛冶場を見に行きました。


そこは、山間にある、滝と緑に囲まれた、仙人でも住みそうな
場所です・・・・・日本でも、昔から刀鍛冶の人、刀工さんは
神聖な場所、神聖な段取りをして、刀を作ったようですね。


そして、昔の中国でもそれは同じだった様です。
レベルが上れば上るほど、場所を選んだようで。



でも、現在は観光地です。





もう少し下に行くと、出来上がった剣を磨いて仕上げる場所、剣池があります。






と、言う観光地、ここの土地の名前　　“剣池”は解りやすいです。


莫乾山の由来は、乾将と莫邪夫人から取っています。


ではこの夫婦の物語を少し。



むかしむかし、紀元前７７０～４００年頃を“春秋戦国時代”と言いますが、
その頃の王国の１つで“呉”と言う国がありました。

呉の国の王様は、戦争に勝つ為、また自分のコレクションとして一振りの
名剣を探します。
当時、天下に名高い名工として、
乾将がいました。王様は彼に命じます。
当時の権力者の要求は絶対です。拒めば死、一家、一門皆殺しです。
若し、要求に合う剣が作れなくても、同様の危機が迫ります。

乾将は天目山にある、剣を作るに適した場所を選び、炉を作り、
ツルギの作成に入りました。弟子達も同道します。

ツルギを鍛える為に、人員の配備、天地の力を借りる霊廟の設営、
炉、研磨、全て準備が整いましたが・・・・・・・・・

問題は、炉に溶かした鋼鉄が、目指す温度になっても凝固を
始めないので、剣として鍛える事が出来ないのです。

何度試しても、どろどろのまま。

言い伝えによれば、人の生贄を持って、鋼鉄に魂が宿ると言います。


そして、それを知る、莫夫人が炉に飛び込みました。



するとどうでしょう・・・・・それまでドロドロだった、鋼鉄が
ハガネとなるべく固さに変わっていきます。


乾将はその鉄を持って２振りのツルギを作りました。


見た目はマッタク同じとても美しいツルギです。


一本は岩盤を豆腐の様に軽々と切り裂きます。

もう一本は・・・・・・そう、駄剣です。



乾将は王様に献上する時、“名剣を二振り作った”と報告しました。
そして、一本を持って、岩を両断。

王様はたいそう喜んで受け取りました。



乾将は命を吹き込んだ名剣を手に、一門を連れ、姿を消しました。

王様の手に残ったのは駄剣。



今も、夫婦の魂が宿る名剣は見つかっていません。

ただ、両断された岩と、剣を鍛えた炉の後、剣を磨いた池、庵など、
彼らの過した息吹がかすかに残るだけです。


名剣の伝説

命と誇り、愛情のお話。





・・・・・・・で、とりあえず、ワレワレは帰路につきましたが・・・・
中国、相変わらずです。もう一押し事件が起りました。それは次回～