陳氏太極拳、と、そんな生活

このブログは上海浦東で日本人向けに太極拳教室を
している私、通称：暗黒寺のブログです。


デリケートな話なので、あまり書きたくなかった、
太極拳の歴史について少しだけ書こうと思いました。


書きたくない理由は、武闘派で攻撃的な団体さん程、
こちらでも良く聞く『それは違うでしょ』と、言わ
れる説を唱えて陳氏について語っているからです。

でも、ちょっと一念発起、陳氏太極拳の歴史につい
ても少し書こうと思います。
・・・・長くなるので直ぐには無理ですが。


でも、先に。


陳氏太極拳が太極拳としての動作が始まったのは

陳氏第９代　陳王廷　による。通背やら色々な
武術と養生方法を組み合わせて、１０の練習型を
編集しました。
一つの型（套路）に１３の技（動作ユニット）です。
１３にしたのは孫氏の兵法にあやかったそうです。

陳氏第１代は　陳占　。
この人は、朱元璋に移民させられてきた一段の長。
陳占さんは現在の河南省温県にある大きな溝のある
地域に一族の拠点を作ったのです。風水で、ここが
いいと決めたそうです。
陳さん一家の住む、溝のある村

で、　　陳家溝

これが地名に変わったのです。






第９代陳王廷さんの太極拳を更に纏めた人、

第１４代陳長興。

もともと、１０種類の套路は、大まかに、
ゆっくりと体術と気を練る５つ
相手に技をかけ、打撃を強調した５つ
だったそうで、これを、
老架一套
老架二套（ぱおつい）・

に纏めました。この人のお弟子さん、陳氏で
初めてのよそ者による伝人（免状をもらって、
家族として迎えられた）が、楊路禅さん。

なんだか、陳氏太極拳には、元々、ゆっくりした
動作はなくて、蒋発という人が伝えたと言う人が
います。元々、陳家には老架二套（ぱおつい）
という打撃動作や纏糸勁（なんと読むんでしょう？）
を強調する武術が云々。
蒋発さんが陳長興さんに太極拳のやわらかい動きを
教えたと言う解釈です。

むちゃです。他の太極拳はわかりませんが、陳氏の
爆破力は一套で養った体術が無いと出ません。
単にスピードと体重の乗っている切れのある動作と
は違います。威力が弱くても体術として成立すると
それが爆破力です。たぶん、纏糸勁は、螺旋を強調
するって事を言いたいのだと思いますが、それは
あくまで練習の結果出てくるもので、強調して行わ
なくてもきちんと練習していれば発生しますし。


あたかも、陳家には養生の技術は無かったとする
人が居ます・・・・・


蒋発という人が陳長興さんに太極拳を伝えた！！
とありますが、


蒋発さんは陳王廷さんの親友です。

陳王廷（９代）と蒋発さん
陳長興（１４代）

　時代が違います。会う事は出来ません。





陳氏太極拳の基本は養生！

それから、私は老架二套パオツイは練習してません。
体術である老架一套の練習を重視してます。
一套がちゃんと出来ないと、二套は小手先のピョコピョコ
になってしまいます。


鄭師父以下、弟子の我々、老架一套を重視しているのは、
養生一番という意味もありますが、それが正しい順序だと
思っているからです。

それから、纏糸勁（たぶん螺旋の動き）を強調して練習する
のが陳氏太極拳という説。
私は第２０代の伝人に教わりましたが、一度もこの話は
聞いていません。体術の中で自然に発現してきた螺旋を強調
して動くと、
『大げさだなあー、動作が硬くなるぞ』
とか、言われました。

螺旋を強調しろといわれた事は無いです。

もしかして、近代の大会用の規定拳として陳式太極拳が組み
込まれる過程で、他の太極拳との差別化の為に、螺旋や
爆破力（所謂、ハッケイ）を強調するのが陳式太極拳だとする
見方が出て、愛好家の人や、指導する人が固まって行ったの
でしょうか？？


なんだかんだで長々と書いてしまいました。
さわりの部分だけだったのですが・・・・・・・


私は陳氏のことしかわかりません。他の太極拳を研究する
時間は才能面でも無いです。ですから、他の太極拳の歴史は
あまり解りません。
他の太極拳の事をブログで書くのは失礼なので書きません。

ただ、私が知る他の太極拳が生まれた歴史から考えると、
より身近で尚且つ武力が早く発現するのは陳氏以外の太極拳の
様な気がします。だから、皆さん、他の教室の太極拳や流派は
どうだと考えるよ、楽しく今の練習をした方が良いと思います。

私はと言いますと、陳氏太極拳が好きです。体術やってる感じが
素朴ですし。
何しろ自分的には一番カッコよく感じるので。

先ずは健康からというか、元気な身体が一番です。



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兄弟ブログ
浦東太極拳教室より

別のアプローチで太極拳全般と言うか、太極拳に
興味が出始めた人向けに書いてます。練習の時の
気持のありようなど、参考になればと思います。