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カテゴリ:太極拳
浦東太極拳教室、上海よりお届け!と言う程の重い内容でも
ありませんが、今回も練習場の心構えと言うか・・・・ 各教室で共通して大切な事を。 私の持論は、太極拳に限らず、伝統的な芸事は本や映像資料 では学びきれない。 でも、教室で学び、練習するに当たって心がけなければいけ ない事もあって、それを忘れると上達が遅れる事が有ると言 う事。 それは、見た目を真似する、と言う事だけでなく、 「先生から受けた説明を体現する」 と、言う事です。 ちゃんとした先生ですと、生徒さん各自の動きを一生懸命 見ようとします。若しくは所々で問題に気がついたり。 また、次のレベルに向かう為の課題を与えてくれたり。 でも、最近の御稽古事だと、単に 「ここはあそこより安い!」 「サービスが悪い!」 とかの習い事と言うより、安価なサービスを体験に来る 風潮もあるでしょうから、教室によっては始めから細かい 内容を教えるよりも手軽に行った方が良い方針の所も あるでしょう。 先生が細かく指導する分、授業料だけでなく、生徒さんが 頑張って練習しなくちゃいけないプレッシャーも増すので ますます流行りのお手軽・お得感のあるサービスとは逆行 していきますよね・・・・・。 ・・・脱線しました。 見よう見まねで憶える。技を盗む。 実を言うと、このやり方の方が技の体得は早い様に 思えます。 理由は、 集中力全開で臨まないと駄目だから。 でも、今の時代にそれは合わない。時間的にも人の気質も。 マニュアルが無いといけない時代になってしまったので、 文章化しないと逆に駄目な物とみなされてしまう恐れあり です。 でもですね、言語化しきれない技術とかって、まだまだ 沢山あると思うのです。感性と言うか、感覚を身につけて もらうしかないと言うか。 例えば、私の授業の場合、極力身体の動かし方、ポイントを 話します。でも、そこから先は ポイントを意識しながら感性を働かせて実行し、 ポイントに合っているか、若しくはその動作や 意識で新たに生まれる感覚 に気がつく作業、すなわち自分で練習を重ねる事で体得する しかないのです。 鉄棒の逆上がり って憶えてますでしょうか? 逆上がりも、コツを言われた後、一生懸命そのコツ通りにやって いてもナカナカ出来ません。 でも、有る時突然、 クルっ!! と廻って、 出来た―、やったよー と、成るのですが、次にもう一度やると又出来ない。 そんな練習を続けるうちに出来るようになっていきます。 5回けって1度しか成功しなかったのが、 最終的には100発100中。 太極拳もこんな感じです。 そして、伝統技芸ですから、一つの動きが100発100中に 成ったと思ったら、その動きを更に上の段にする、 逆上がりレベル2 が待っています。他の色々な御稽古事も一緒でしょう。 例えば、同じ楽器を弾くにしても、初心者の人が出す音、 熟練者の出す音、プロの出す音、全く違います。 お料理もそうです。同じレシピでやっても、仕上がりは全く違う。 太極拳のお話で具体的に書きます。 視覚的に単に真似をするだけだと、先生のお手本や実際の要求とは 違う事をしてしまいかねません。 陳氏の場合は螺旋を強調すると言われますが、実際の上級者の人の 動きはそれ程くねくねもしていませんし、螺旋を強調する為に動いて いるわけでもないです。 と、言うより、レベルが上がるとそう言う外に出るモノは抑える チカラが生まれますので。 ですが、説明を受けずに陳氏の動きをパット見た“印象”はクネクネと 動いている様だったのでしょう。 「螺旋を強調しているからクネクネするのだ!そうに違いない!」 と、言った感じで・・・・。 私の教室では、 「視覚に頼らず、自分の感覚で動きが正しく無理が無いか確認して ください!」 と言っていますが、やはり注意しないと法則から外れた動きになって しまいます。ついつい、視覚的なイメージで動きをあてはめようと してしまうのだと思います。 例えば、低い姿勢を真似しようとして、身体が前のめりになって 全体のバランスを崩したり。流れ的に下に向かう動作なのに、 外観はキックを出しているので、蹴り足と腰だけ上に向かおうと して変なバランスになったり・・・・ 視覚的なイメージで全体と細かい所を捉える事はもちろん大事です。 でも、同時に説明や法則についてきちんと理解し、それを実行出来る 様に繰り返して練習する事も必要と言うわけです。 何だか長々書いてしまいました。 でも、ようは、逆上がりと同じ。お手本を見て、逆上がりと言うイメージ を持ったら、実践の為の説明を聞いて練習練習です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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