陳氏太極拳、と、そんな生活

上海でひっそり陳氏太極拳を指導している浦東太極拳教室よりさくっと
レポートです。


初心に戻って練習！と言うのは、新鮮な気持ちであって、決して初心者の
練習方法で身体を動かすわけではないのです。





以前教えた内容と、現在教えている内容ではうちの場合違います。
各人、現時点でもその人の現在の状態に合わせた要求に変わります。



それは私も同様です。



師父の元を離れて練習する＝師父が私の進歩に合わせた課題を出せない


こう言う状態になります。


別の言い方をすると、ずーっと同じ学年の学習内容を反復練習している
状態になってしまいます。


僕は、私は、太極拳が出来る！

と言う人が沢山いますが、それは外身の形をなぞる事ができるだけで、
その先にある沢山の物を身に付けたわけでは無いです。
本来、陳氏では陳家溝で皆で切磋琢磨、長老達が指導・・・・・と言う
何とも素朴な一見すると効率の悪そうな練習体系だった様です。
でも、日本の御菓子職人さんでも芸術でも、奥の深い技術を受け継いで
いくにはこう言う風にするのがいいのだと思います。
本来、プロ武術家ではなく、日々の生活・仕事をしながら。暮らしの中の
一つに太極拳が有って、太極拳の持つリズムで生活を・・・・・


と言うわけです。


・・・・・・それって、とても難しいです。



先生の元を早い段階で離れる事は、太極拳の奥の方まで学ぶ事が難しい
と言う事になります。
師父は２０～５０代前まで、ずっと陳家の長老と一緒だったようで、
この技術を私も受け継がせてほしいなあ・・・・と思うのですが、現在
師父は６０歳。

とても焦ります。師父も兄弟子達も時間の限界について、やはり考える
事があり、話し合う事もあります。

限られた時間の中で、どこまで吸収できるか？


合宿中に言われた４つの注意点を確認しながら練習する事で、かなり
成長した様な気がする自分ですが、やっぱり、このまま一人で練習を
続けるのは無理がある。


と、そう言う時に、師父から１１月から洛陽に帰り、今後は武術館で
のんびり練習して、弟子や学生が訪ねてきたら対応する程度だよー
と言う連絡を受けた。

以前からそう言う流れで行くと聞いていたのですが、フランスの最後の
滞在者が来月で帰国する事が確定したので、自分の荷づくりも始めた
そうです。


そこで、私は２月の春節、３週間、洛陽で再修業に出る事を決心。


私だって次の世界が見たいのです。



師父に、今後の練習について電話で聞いてみたところ




「お前には体力的な面で大きく弱点がある。年齢の面でも、今後の
　現実としての時間の面でも。
　ただし、その時間に対して汲汲とするのも良くない。
　
　上達するには苦労を恐れてはいけない（吃苦）。
　そして、上を目指すなら単に頑張って練習するだけでは
　意味が無く、何を持ってどの様に上達するのか、理解し
　工夫しなければならない（巧力）。」



頑張っていれば結果が出る、と言う風に思います。確かにそれは外せない。
でも、同時にどの様に頑張るかも必要と言うわけですね。



この感覚は、初心者であろうと伝人であろうと変わりはしないのです。





と言う様な事を、先日逆出張から休暇で戻られた生徒さんを歓迎する
お食事会の時にお話ししたところ、生徒さん達も私のタイミングに合わ
せて洛陽で練習したいそうです。
別に師父から直接の指導と言う事で無くても、夏合宿で感じた雰囲気は
相当勉強になったとか。

・・・・・・・・・・・でも、次の合宿では練習練習でボロボロになってる
私を含めた伝人を見る事になると思います。




私の動きも来年はもっとカッコ良くするぞ！




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メールで頂いた質問に付いてはこのブログで回答する事が有ります。
でも、個人的な事は直接お答えしてます。


では。


忙しくて練習できません！

について。



テレビ見ながら、音楽聴きながら、少しでもいいから身体を動かしましょう。
何もしないよりましです。

達人になりたいのですーーーーーーーーーーーと言う人も先ずはそこから
スタートですので。


千里の路も一歩から。コツコツ続けるのが大切です。



おまけ

浦東太極拳教室のアイドル犬、カンスケの走る姿です。









もう、チョウカワイイですから！