陳氏太極拳、と、そんな生活

上海で陳氏太極拳をひっそり教えています、浦東太極拳教室から。


うちの指導と言うのはとてもまどろっこしい教え方かもしれません。
でも、今後とも、コツコツと練習してもらう事を前提にした伝統的な
教え方と信じてやってます。


どんな感じかと言うと、
その人に要求している理解が進むまで、次の動作や技術は教えない。
動作が次の内容に進んでいても、都度都度でその前の動作の修正を
したり、理論の確認をする。

そして、テキストは無い


虎の巻みたいなものや、テキストと言うのは私は使いません。




それは、練習によって自らノビシロをつかみ体得して行く為です。




出版されているテキストはあくまでその人の足跡であって、私が
各人に要求する道程とは違うし、また、テキストが私の求める
ゴールでは無いのです。
テキストで各人が合わせれば、それこそ

　　万人には万人の太極拳

になってしまいます。私の指導方法は一人一人の進度や体質体調に
合わせて、指導内容を変え、太極拳で求められている動きや養生を
伝えること。太極拳をする事。万人がやりやすい太極拳を万人に
点でバラバラ、個人個人の解釈でやってもらう訳にはいかないのです。

個人個人の解釈でも良い！と言う人もいると思いますが、私の教室では
だめなのです。あくまでも、師父が私に教えてくれた事しか駄目なの
です。






ところで、私の修行時代


うちの師父は動きの要点を伝えると、ずーっとホッタラカシのまま、
要求通りの事が出来た頃に次の動作やもっと深い事を教えてくれま
した。ついでに、

　　　いみがわかんねぇです。

と一言でも言うと、理解できるまで何度も何度も説明してくれました。


でも、その後、体現するのは自分で、要求された事が出来るまで、今度は
黙々と練習するのみ。
その上、教えてくれるのは、その時に師父が要求する１０のうち２つくらい。
残りの８は２つを体現出来た後、少しずつ自分で発見して報告に来い！と
言う様なスタイルです。

ですから、私や兄弟子達は自分でヒタスラ練習して、練習がキチンと出来
ている人やキチンと理解の出来ている人は次の事、より次の段階の事を教
えて貰うと言う流れでした。


今の教室では多分、１０のうち、８くらいまで教えてしまってます。その分、
自分で練習を沢山する事で発見する楽しさを邪魔している様にも思い、心配
しています。


ですが生徒の皆さんの毎日が、バリバリ練習出来る環境でないのなら、コツ
コツ練習を続け、数年後に

　　　ああああ？この感覚は、以前先生が言っていたアレでは？？？

と言う風に体感してくれればと思います。



こんな事を思ったのには理由が有ります。



昨夜一人教室で練習していたら突然、師父が以前私に指導してくれた
ほんの一部の動作についての動き方の違いを思い出したのです。
その記憶を元に動いてみて、色々と気が付く事が有り・・・・・・・・

生涯練習を続ければ、つづけた分、残していたノビシロに少しずつ届いて
いく様に、そう言う技術を私も伝えられる様に、もっと頑張ろう。


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