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カテゴリ:太極拳
上海でひっそり陳氏太極拳を指導中です。浦東太極拳教室からレポート。
さてさて。 洛陽での練習を経て気が付いた事。 気が付いたからと言って、何か 大きく変わると言うわけではないのですが、自分自身が納得した事を ツラツラと書きます。 8年前、伝人に成った頃の動作です。 私は伝人です。伝人と言うのは『その技術をキチンと伝承を受け、伝承する 資格のある人』と言う意味です。 重いです・・・・ 正式門人弟子として13代(陳家の系図で言うと21代)。 角度を変えると、文化の守り手と言うポジションなのでしょう。 私と面と向かって会った事がある人であれば、私=伝人はピンと来ないと 思います。見た目重々しくないし、武術家的なたたずまいでも無い。 どちらかと言うと、読書や料理をしている風に見えると思います。 8年前に『お前は信用出来るから飛び級!!』と無茶な事を言われ、2回 断って、兄弟子の説得(?)で受ける事になった。 断った理由は ・そんな責任を負うのはイヤ! ・適当したい! ・戒律がイヤ! ・実力不足だし!(飛び級なので、本来はあと5年くらいだったらしい) 門人帳を受け取る時も、『ああ、これで逃げられない・・・』と。 ビクビクです。 飛び級の理由は真面目・イイ奴!だけでなく、養生の発現と体現が 突出していたからだそうです。確かに、今でも武より養の方が断然 得意範囲ですし。 日本的に言うと免許皆伝に近く、西洋的に言うとマスター? 陳家溝・地元の名士達が公証人で参列。 益々・・・逃げられないっ!! よく、『何かの大会でチャンピオンなんですか?』と聞かれますが、 そう言う所を通り越してしまったのですね。 完全に当時は飛び級感ありです。毎日6時間練習していても、兄弟子達の 実力に全く付いていけませんでしたし。 これで、免許皆伝って、ヤバいぜ!と言うのが当時の焦りでした。 実際、一門の先輩からやっかまれ、狙われちゃったりしましたし。 ですが、師父や兄弟子は口がすっぱくなるほど私に 『伝人だろうと修行は続く。いや、伝人だからこそ、学ぶものが より多くなるのだ!!』 と諭し、練習練習・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・時が過ぎ、結婚したり、仕事が忙しくなると別の重圧で 伝人の役割と言うか、自分自身の足元について、 ふぁ~ん と忘れ始めていました。 ところが、今年になってから沢山の切っ掛けがあり、 『自分が文化の上であるべき立場』 と言う事を考えるようになりました。単に、上手になっていくだけでは どうなんだろう?と。 文化と経済は両輪。経済が突出すると味気無く『量産化され均一化された』 世界になり、味気ない。 文化が突出すると効率悪い。 さて、今の世の中は経済が突出しているなあ~と。 今までのモノと同じ様なモノでいい。より安く体感したい。飽きたら捨てる。 壊れたら捨てるし、壊れるのが当然・・・・ ん~、どうなんだろう、その刹那感は・・・・ と言う風に、自分の仕事(中国加工貿易)を棚に上げて悩み始めたのです。 今より良い暮らし、今より良い明日を目指す気持ちってどうして生まれるの だろう? 日本の経済が衰退した理由って何だろう?(飛躍しました!) そんな事を悩むようになりました。 先日の洛陽で悩みながら練習中 以前と同じものを求め、以前した事と同じ事を繰り返す、それが地力を 失う一つの原因である事を私も気付き始めました。 でも、それさえも、結果を見て『傍観』して『評論』しているにすぎません。 なら、過去だけでなく、未来に対して如何に動くか?という答えは何処に あるのでしょう?? ならば、自分の技術はどうでしょう?太極拳は?? 温故知新?ヒタスラ古伝の技術を何度も繰り返し練習し、身体操作が進化する たび深化の教えを受ける。 それって、ヒタスラ過去に戻る作業なのでは? 過去に戻る? でも、昔の人達は今より『貧しく』、『幸せ』を感じなかった? 新しければいいのか? あれ、幸せってなんだろ?? なんて事を、仕事の合間や寝る前にふと思う様になり・・・・・。 こう言う単純な事に悩まずに素直に感じ取るチカラ、 それは感性を磨く事で得られるのでは???? と気付いたのです。子供や動物なら素直に感じ取る力。 ・・・・そんな矢先の日中問題勃発です。 何かの必然を更に感じ、今の自分が失っているモノ、足りなかったモノを 確認する為に5日間太極拳漬けの毎日を過ごしてきました。 だらだら続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.10.04 15:30:33
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