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カテゴリ:太極拳
上海でひっそり太極拳を指導中です。上海浦東太極拳教室よりレポート。
先月までじっくりと悩んでいました。 太極拳、自分、仕事、世の中・・・・・。 何だか、学生の頃に戻ったようです。 最近は悩んだり、思いにふける状態を『病んでいる』と解釈する人も いるようです。 でも、この思い悩む事を突破する事が何かの力を生むと私は信じています。 さて。 続きです。 9月中旬からの日本と中国は完全にパニック状態でした。 何を基本に考えるべきかと言う事より、見えないこれからの有るかどうか 解らない危機を論じる毎日。 今までメディアで見聞きしていた情報がイキナリひっくり返った感じです。 でも、知っている人は知っている。 友好したい人が友好していただけと言う事。 今の世の中は何か『安心できる安定した事象』を体感する事に慣れてしまった 感じがします。だからって、破壊や改革が良いとは思いませんが。 でも、安定しながら前に進む気力を持ち続けるのってとても大変です。 さて、結論行ってみましょうか。 洛陽での修行中、毎朝同じ所で羊肉湯を後輩や師父と食べていました。 その羊肉湯のお店は長年、温県の名店で修行した親族が起こした店で、 味は申し分ないです。 4日目、突然隣の牛肉湯を食べようと私は思いました。羊肉湯が美味し いので、すごく迷ったのですが、他の美味しいモノも食べたいなあ~と。 『あそこ、おいしいかな』(私) 『わかんないよ、まあ、食べてみようじゃないか』(師父) 『ついていきますっ!』(後輩) お客さんはまばらです。 美味しかったです。 『おいしいですよね~』 『いいね、ここは』 翌日、その店の軒先はお客さんで一杯です。実話です。 やっぱり、美味しいと感じると、皆来るんだな~・・・・・ !!!!!!!!!!!!!!!と、私は突然悟りました。 禅の世界でも、悟ってこんなもんらしいです。 別に宇宙が見えた!とか、そう言う事では無いです。 感動する事、素敵だと少しでも感じる事。これが生きる力。 人は感動する為に生きている。 感動するから、次の感動を目指す。 おいしい、きれい、たのしい、かなしい、きもちいい、 沢山の感動があります。それが正しい感動であれば次を目指します。 感動したいからもっと頑張ります。もっと良い感動を人は目指す。 だから文化が生まれ、文明が育つ。 でも、感動を他者にゆだねると、それは既に過去の感動になる。 感動を発する事象を捉えるモノ・・・・感性。 だから動物や子供は素直。生きるエネルギーで事象を捉える。 一方、経験を積むと人は知恵を持つ。感性は100%正解を出さないので だんだんと、安全な他者にゆだねられたモノを疑問無く享受する。 傷つかない代わりに段々と生きるエネルギーを失っていく。 商品でもサービスでも、感動体験なモノは売れ続ける。また、その市場や 対象群に感動を呼び起こすムーブメントは大きなうねりとなる。 日本で売れたから、そこでも売れるとは限らない。 そこの人達がワクワクドキドキするそう言う事を感じないと。 デッカイ自然を感じた時、誰かの強烈な努力と成果を体感した時、衝撃と 共に身体にこみ上げるチカラ。 でも、そう言うデッカイ・強烈な事は刹那的な事が多いでしょう。ですから、何時 もあるとは限りません。突然発生し、突然起こるのです。 では、そう言う時しか感動できないか?と言うとそうではない。 何時も幸せそうにしている人、楽しい人、楽しいフィールド・・・・・ 少しのプラスの事象を感じ取るチカラ。 それが感性なんだろう・・・・・・・ な、長い・・・・・。 でも、せっかく良いものが有っても、停滞した心では感性が働きません。 その感性を磨く事。それが先人が残してくれた様々な文化・芸事なのだと。 例えば、ある曲を一生懸命練習していたとします。 最初は音符をなぞるだけだったのが、慣れてくるに従って、その曲の意味を 理解します。段々と今の環境とその曲とが自分を通じて一体となる感じ。 ・・・・大げさではないと思います。そう言う事を繰り返す事によって 感性のアンテナがドンドンと広がるのでしょう。 芸術家やデザイナーが感性豊かで経済人と違う切り口の発想をする基点はこの 感性にある。 さて、では武術は? 結論を言うと、伝統武術は感性を鍛え、心を鍛えます。 武術で鍛える感性は他の芸事とはちょっと違うと思います。 伝統の何かを追求していくとはある種の厳しさが共通であります。 別に相手を打ち負かす力を付ける事だけが主眼では無い。でも、 前に進む心を養い、停滞しがちな精神を動かし循環させる。 幾らなんでも本文が長すぎるので、明日に続きます。 長文ですが、凄く拍子抜けな結論ばかりでスイマセン。 ところで、問い合わせの中に 太極拳の技術的な事を何故ブログで 書かないのかと言うコメントを貰いました。 理由は、技術的な事は各教室の先生に聞いてほしいからです。 私は伝人ですが、うちの教室以外では先生ではないので・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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