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カテゴリ:太極拳
上海で陳氏太極拳を指導中、浦東太極拳教室より。
先週から、他派他教室との“ちょっと交流”で、色々と考えさせられる事が ありました。 楽しく運動する事が大事ですが、せっかく習うのであれば、キチンとした事を 習ってほしいなあ・・・と言う事。 中国ではややもすると、身体を動かしてする仕事は格下的な扱いになりかねないし、 ついでに『手軽』『量産』『使い捨て』の文化が大勢なので、伝統文化の良い 教室を探すのは大変なのだとあらためて感じました。 中国でも日本でも『あっさり奥義を受け継いだ』的な事が良い事の様になっている みたいです。私だけが受け継いだ!的な・・・・ でも、簡単に手に入る物は簡単に手からこぼれて行きます。 当然ながら、長い歴史を積み重ねた技芸であれば学ぶ方も教える方も・・・です。 カンフー映画でも、日本の漫画でも、 『凄くイイ奴なので、奥義を教えてあげる事にした』 『来歴は良くわからないし、出会ったばかりの外国人だけど、タダで奥義を・・・』 『この技術は○○では失伝(伝える人がいなくなった)技術で・・・・』 などなど。まったく。 伝統文化世界は保守的で、自分の家族にだって簡単には技術をつたえません。 中途半端に学ばれて、外で恥を掻いたら・・・・そのまま一派の面子になるから。 その辺の事情をキチンと把握していないと、目くらましに簡単に出会います。 西洋の古典文化や新技術の場合、『漢字文化圏』では無いので、注意深く見詰め、 尊重し・判断し・接して行くと思うのです。漢字文化圏の人達は。 でも、同じ漢字文化圏の場合はどうも手放しの様です。 特に日中の文化交流の場合はそれが良く見られます。 朝貢貿易を辞めて千数年、日本と中国とではカナリの文化差異・意識の組上げ方の 違いが存在します。言葉が解るだけではとても事情は理解できません。 今の時代が失ってしまった多くが、この意識の中に含まれていると感じます。 さてと、前置き終了です。 外似処女内似金剛 外観は乙女に似て、内なるは金剛に似る カッコイイですね。でも、武術文化・太極拳としてキチンと修行と指導を 受けていないと、中国人でも以下の様に考えます。 『外見の動きは緩やかに乙女の様だが、実際の身体内部の動きは力強い』 日本語でも行間を読め!と言う訓戒があります。ですが、そこに至る素養が 無ければ難しいです。 『外観の動きは乙女の様に柔らかく』・・・・ここまでは正解。 『内側の動きは力強い』・・・・・・・・・・ここは間違いです。 太極拳では内側の動きが柔らかいから外の動きも柔らかく見えるのです。 そして、柔らかく鋭敏に動く技術が『金剛の様な強さとなる』と言う事。 『凄く柔らかく乙女の舞いの様だけれど、実際すっごく強いですね~』 と言う意味です。 柔らかく練習する事が、筋骨を鍛えるに至らないと感じるのは早計です。 例えばです。ゴムチューブの中に、水で溶いた小麦粉を流してみるとします。 小麦粉の量が多いとゴムチューブは固くなるでしょう。でも、循環どころか 詰まってしまいます。 水分が多ければ柔らかいでしょう。そして循環良く流れて行きます。 太極拳の動作以前に、人体は循環が大切です。太極拳の練習で循環を損なう 金剛を最初から求め、力強く動く事は循環を止める事に繋がります。 力む事、力を込める事は良くないです。 とはいえ、力を抜く事はとても難しいです。人間は生き物ですし、思考力が 有る程、身体的な停滞や緊張は発生します。あらゆるスポーツにおいて、 そして仕事において、反復する事によって段々と同一の動作からは無駄な 力が取れて行きます。 その辺は太極拳も同じです。ですが、更に身体の力をニュートラルな状態、 反動を使わないで動き続ける 『抜き』 が必要となります。 太極拳の練習において、更にどの様に力を抜くかはここでは答えられません。 それは各教室の先生の責任だからです。邪魔は出来ないのです。 健康と医療(全般) ブログランキングへ 浦東太極拳へのお問い合わせはtsukamoto.hironobu@gmail.comまでどうぞ。 最近、太極拳についての問い合わせも頂いています。 質問内容を公開して良い場合は『いいですよ』と明記ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.01.28 12:48:52
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