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カテゴリ:太極拳
上海で陳氏太極拳を指導中、浦東太極拳教室からレポートです。
先日、幾つかの質問を頂きました。 その中で幾つか 『今、他の教室で太極拳を習っているのです。その先生は中国人で 言葉が通じませんが、大体のジェスチャーで教えてもらっています。 たまに、日本語の出来る人(アシスタント?同団体の先生?)が 手伝いに来た時に 太極拳と気功は違う。 気功の習得は難しいから、太極拳と弊習しない様に・・・・・・・ と言う指導を受けました。陳氏太極拳の場合は如何ですか?』 ・・・・・・・・・・即答しました。 『本来の太極拳の動作に気功を含みます。その指導は間違え、とまでは言えません ですが、説明に沢山の不備が有ります』 さて、太極拳は黄帝経と言う中国の古い医学書を元にして身体の中のチカラ のめぐりを操作できる様に各動作の基本が作られています。 イワユル『気功動作』が最初から入っています。 簡単に見える手の動かし方、足の運び、目線、身体の振り方一つ一つがその法則に 従って出来ているのです。 1950年代から中国政府による『中国伝統文化を基礎にした国民体操として 生まれた簡化二十四式太極拳を始めとした普及規定拳は初期段階において、 気功的色合いが強かったそうです。ですが、成立の過程でより簡単に指導できる 様になっているので、 動作による体操効果+気功(二十四式など) だけでは物足りない所が多かったのでしょうか?段々と八段錦等を各練習団体が 取り入れるようになり、今に至ります。 ちなみに、師父と他派の長老のお話では出来たばかりの頃の二十四式はやはり 今とは少し風格が違ったとの事。 別枠ではありません。もともと含んでいたのです。 内外合一(内側の動きと外見の動きの一致を目指す)と言う言葉が有る程です。 ですが、逆に簡化二十四・四十八等を努力して沢山練習すると、武術や気功の最も 優れた効果を手にするというのも勘違いです。あくまでも、誰もが手軽に出来る ように生み出された気功を含む体操ですので、超達人を目指すモノではないのです。 一般に普及する教室等で、二十四式を習得後、物足りなくなって沢山の別の動きを 憶えたくなるのはここが原因なのかもしれません。 ですから、二十四式が太極拳の最も重要な部分を抽出したと言う説明も間違いです。 あくまでも、誰もが健康に向けて手軽に運動できる様に作られたものですので これを練習していれば楊氏太極拳の精髄に近づけるわけでは無いです。 先生の多くが二十四式が全ての太極拳の最も基本でそして最も重要な動作である、 そして二十四式を練習してから次の太極拳を練習して行くと言う誤認をされて いますが、それは間違いです。 ナゼ間違いなのかは、脱線して長くなるので割愛します。 ですが、忙しい毎日のなかで手軽に中国文化によって健康を見出すと言う意味では 非常に完成されたモノだと感じています。 ☆★ ちなみに、うちの教室(陳氏太極拳・陳家溝の練習方法)では、最初から陳氏 太極拳老架一套を指導します。 ・・・・・・と言うよりも、それしかしません。 ちなみに、達人クラスの私の兄弟子達も毎日練習するのは老架一套のみ。剣も 爆破力の練習も、槍も大刀も、たまにしか練習しないです。 初心段階は初心段階での内容で、動作に慣れたら更に意味を加え、無駄を削ぎ・・・ 最初は動作の大枠を憶えて、第一段階の意味を把握しつつ動けるようになったら 気功の意識を加えて、それに慣れたら・・・・・と言う流れです。 幾つも幾つも別の動きや武器を習っても、陳氏太極拳は意味を見出しません。 沢山の料理のレパートリーをやみくもに憶えるよりも、一つの得意な料理を突き詰め て行った方が、次の食材を扱った時の応用力が違います。 まどろっこしいようで、確実に習得を目指すのがうちの方針です。 次回は同時に質問を受けた、心を鍛えたい!についてです。 浦東太極拳へのお問い合わせはtsukamoto.hironobu@gmail.comまでどうぞ。 最近、太極拳についての問い合わせも頂いています。 質問内容を公開して良い場合は『いいですよ』と明記ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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