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カテゴリ:太極拳
このブログは上海・東京・藤沢等で指導する陳氏太極拳養芯会の塚本がぶつぶつ書いているものです。
中国と関わってしまったのは25年前。 そして、中国で仕事を始めたのは16年前。 まだ、日本のインターネットが電話回線だった時代。 中国がまだ、ポケベルが主流でまだ固定電話主流。携帯の普及が始まった頃。 ネットの情報より、現地情報は紙媒体を探し、かつ、大手の書店でも中国語のテキストコーナーがその他外国語枠に数冊しかなかった頃。 まったくの手探り、バックパック一つ・トランク一つで地方都市にわたってからの16年間のお話です。 ******************************** 9月16日 学校に行くと、校長から先ず学校と東京の“S外語院”の合同『日本留学説明会』があるので参加を依頼される。 説明会場のホテル21階から外を眺めると、街全体が灰色っぽく見える。いろんなところで改修工事を行っていて、酷く埃っぽい。元々乾燥しているけど今はソレに輪を掛けて凄まじく空気が汚れた感じだ。 説明会には50人以上の日本に夢を見る若者たちが集まり、説明席には日本側が僕を含む4人・あと洛陽の教師が3人。最後に日本側の代表が1時間半に渡る説明を長々と、自信たっぷりに演説した。内容は、 『いかに、日本に早く来るか、日本で生活するにはいくら掛かるか、“S外語院”ではいくら掛かるか、って言うか是非にも“S外語院”に来て♪』 まぁ、マッタク日本の生活情報の無い洛陽の人達にとって、S外語院の説明は有意義かもしれん。 でもね、 『国公立の大学は学費が安いだけでなく、私立の大学よりレベルが高い。』 『日本の治安はトテモ安全で、夜3時に一人で外を歩いていても問題ない。』 『今、日本語がしゃべれなくても、日本語の授業に150時間出席していれば留学ビザが下ります。勉強は日本ですればOK』 『確かに、日本の生活費、そしてうちの“授業料は高い”、でも、日本のアルバイト料は非常に高額なので、授業の合間にアルバイトをすれば、マッタク問題ありません。』 『日本語会話も、アルバイトをすれば直ぐ友達が出来て会話の練習が出来ます』 現在の日本での中国人留学生受難の実態を知る俺からすれば『あまりにもイイカゲン、あまりにも集金できればOK』、こういう態度が見え見えなので、 『おい!出鱈目言ってんじゃねぇぞオッサン!』 って言いそうになった。 『日本人でもバイトが探しにくいのに喋れない学生が高給で雇ってもらえるか?いい仕事なんかあるか?仕事中にしゃべれねーヤツに手取り足取り言葉教える酔狂なヤツいるのか?たださえも海外の生活は大変なのに、授業+アルバイトで休む時間は無しか?第一さぁ予習する時間はよ?、夜中の3時に外ほっつき歩いたらカツアゲか暴行が待ってるぜ(どの国だって同じだろ)、国公立の大学が私立よりレベルが高い?・・・・・授業料が安いからオメーの学校の集金計算がし易いだけだろーが!』 ・・・・・・・・・・・ って事を後日、一部の幹部クラスにやわらかく説明した。皆さん『む~』だとよ。 そのあと、幹部連中と日本側で昼食会。S外語院の代表に 『塚本さん、何か学校で問題点はありますか?』 『コレとコレと、これ。直ぐに手を打たないとダメです。』 『そうですか、問題点は話し合いながらユックリ解決していきましょう』 お終い。 こいつ、始めから問題を見つけて解決する気なんか無い。一応『私も責任がありますから』ってポーズを執るだけ。 ほんで、 『問題点は連絡してください、こちらからも連絡します』 だとよ。しねーよ、俺は。だって信用できないもん。それに、メールアドレス教えても『直ぐ連絡する』っつって一回の挨拶文も送ってこないジャン。洛陽側にコレまで選択肢が無かったから好き放題だったかもしれんけど、もう簡単に甘い汁は吸わせねー。 生徒に教えるのは日本語だけじゃない。知恵も教える。 舐められた分好きにやらせてもらうぜ! 午後からイキナリ授業開始。でも、初めての学生にまともに教えられるわけが無いので、先ず今週は『日本語を勉強する事について』教える事にした。 生徒たちからの受けは大変よろしい。って言うか、カナリ僕が珍しい生き物に見えるらしく、ノリノリ。で、僕は 『日本語勉強したいヤツはちゃんと聞け。そうでないヤツは寝ようが他の勉強しようが自由だ。だけど、授業の邪魔はスンナよ!』 って、宣言。僕、高校の頃、まともに授業に出て授業を聞いた覚えは無い。でも、一度も授業を邪魔したり騒いだ事はないのだ!! で、これから一週間、同じ説明を9クラスにする事になった。 最初40人の生徒のはずが、着いてビックリ、 一クラス50人前後X9クラス=450人 そいつはいくらなんでもねぇ。イキナリ100倍以上ですよ。俺、さすがに怒って、校長に 『う~ん、早めに日本語クラス向けの学生ををチョイスするから待ってくれ』 って言われた。普通、外人に言語を教える場合、一クラスの最大人数は20人。多ければ多いほど精度が鈍るのだ。 ついでに、学校側には僕以外の日本語教師がいない、日本語を喋れる人間もいない事が発覚。ヤラレタ! 『俺、文法や日本語水準試験用の授業は出来ないですよ。第一、一人で教えきるのは無理だし。だから俺の責任は日本語コミュニケーション能力のみ!』 って事を約束付けた。 でも、それでもキツイよね。 授業終了後、劉さんに連れられて携帯電話を買いに街へ。約14000円。今日、L君と会食の予定だったが、スッポカされた。またである。しかし、すかさず劉君とその友達に誘われて食堂で飲むことになった。 洛陽のあまり立派ではない食堂の多くが店の外にも席を出す。ハッキリ言って道の上である。ちゃぶ台が少し高くなった程度の卓の真ん中に七輪の鍋が埋め込まれていて、出し入りのスープが煮立っている。そこに牛肉の臓物を串刺しにしたヤツを何本も突っ込んで食べるのだ。それと、羊や牛肉の串焼き、中国の焼きパン、野菜。酒は二鍋頭。友達は事務の康さんと孫君・孫君の彼女・劉君。イカにも不衛生で、肝炎大丈夫か?とか思うが、痛快で直ぐにイラン考え事は吹っ飛んだ。 はぁ、外で飲むのってキモチイィ・・・・ 洛陽の夕暮れ・・・・・・ ******************************** この日の日記はかなり憤慨して書いていたようです。 元々、当時の感覚を大事にする為に、文章の校正や手直し等は行わないようにするつもりでしたが・・・・・今回は迷った末。 手直しは一人称以外なしです。 迷った理由は、それから1年後、結果的にこの日の決断で大問題になった事件から生徒を護った事になり、それが回り回ってたくさんの出来事や判断を私に繋げた重要点でもあったからです。 あれから15年たったのに、いまだに、あの時以上に凄い事になっているのを見ると、何だか切なくなるものですが・・・・でも、後悔は全くないです。 ****************************************** 太極拳にご興味のある方は養芯会HPまでご連絡ください。 映像はこんな感じです。 太極拳は老若男女、体力の弱い強い、運動能力に関わらず、誰でも練習できます。 平たく言うと、中国式の筋トレです。練習するほど色々な事が出来るようになって楽しいですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.11 17:20:35
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