激的びふぉああふたあ
中国旅行記その5注意:晩御飯にお肉がでる人や血が苦手、想像するのもダメという人はこれは読まないほうがいいです。8/20寒ッ。と目が覚めた。毛布の中で丸く縮こまって寝ていた。夏とはいえ草原は冷える。夜は零下にまで冷え込むとのことだったので、持ってきている服はほとんどが長袖の冬服。その上にユニクロのフリースを着て寝たのだが、それも寒かったらしい。お腹にぴったり足をくっつけていた。寝ぼけながらみじたく。お風呂はないので頭を洗っていない。水を使わず洗えるシャンプーを日本で買って来ていたので、それを使ってささっと頭を洗い、顔を洗った。水が真冬のように冷たい。その後朝ごはん。大きなゲルでおかゆと揚げパンと蒸しパン、それに日本で言うと漬物のような塩っ辛いものがでてきた。ザーサイかな。おかゆにちょびっとづついれて食べると美味。3,4杯食べた。荷物をまとめてバスに放り込む。乗馬2日目、思ったより筋肉痛はひどくないのでなんとかいけそうだ。今日は昨日とは別の馬に乗ることにした。速い馬と普通の馬とおとなしい馬。今日は普通の馬から速い馬に乗り換え。茶色の体に特徴的な鬣の刈り込みをされた馬だった。頭と体の付け根辺りの鬣だけ長く、首の鬣は短くデッキブラシの毛のように刈り込まれている。毛先はやや黄色いが濃茶色の鬣だ。正面から見ると、馬の額の中央やや右上にぽつんと白い斑点が。くの字の頭の辺りが消えたような形。これはいい、この斑点で見分けよう。乗ってみると、昨日の馬より断然速い。先頭集団についていこうとする。昨日の馬は最後尾あたりをぽこぽこしてたんだが。今日は駆け足をしてみる。なだらかな草原で、一気に走る。速い速い、が怖い。風が顔に当たってぶおんぶおんしている。馬の体が、しなやかにはねて、振動がこちらに伝わる。昼になると、白いバンがどこからか走ってきて、小学校の給食のような大きな鍋から、ご飯と野菜炒め(トマトと卵の炒め物。中国料理の定番だそうで美味)とスープを器によそってくれる。と、今まで見たことがない顔の現地スタッフの方が、馬頭琴を演奏してくれた。馬頭琴が草原で愛されたわけが分かる。風と空気に乗って、ずうっと遠くまで響いていく。遠くから聞こえたら、人恋しさに寄っていきたくなるかもしれない。人が恋しいときに弾いて人が来たらうれしいだろう。午後も馬に。と、午後になると先頭集団を抜けて現地スタッフを追い越していこうとする私が乗っている馬。先頭は現地スタッフの方たちである。群れの馬が暴走するとへたっぴの私たちでは馬を静止できないためにひどいことになるのだ。そのため現地スタッフは鞭を持っていて、前に行こうをする馬の前の地面に振り下ろす。ピシィッと響く、音。痛いのがわかっているらしく、馬は大人しくとま・・・・・らない。やや後ろに下がるがまた前に行こうとする。結局またピシィッ。薄曇の空の下、目的地に到着。内モンゴル自治区のあちこちに散らばっている民家のそばに泊まるらしい。本当はゲルを立てるのを体験するはずだったが、どうにも天気が悪い。雨粒がぽつぽつと落ちてくる。本降りにはなっていないが、雨のせいか大分寒いので全員ゲルの中に避難。ちなみに男子は1番でかいゲルにつめこまれることとなった。約6メートル四方のゲルに30人近くはきついだろうに。女子は3つのゲルに別れて泊まる。ここのゲルは壁がフェルトでできていた。が、扉の立て付けが悪く、叩きつけるようにしめないとしまらない。しかも扉の近くのフェルトが一部はがれて外の空気が流れ込んでくる。荷物から使わないタオルを取り出してその部分につめた。そのゲルが並んでいる前に、木製の電柱のような棒が立っていて、天辺には電球がつるされ、そして紐が結ばれて中型犬ほどのサイズの羊がいた。おお、かわいいな。と思ったがふと思い出した。確か今日って、羊の解体を見物する予定だよね・・・・・・・「羊の解体するよー!」やっぱこの羊でした。現地スタッフのおじさんがやってきて、解体が始まった。まず羊をひっくり返して前脚を束ねて持ち、ナイフを羊の左胸に当てて小さく傷を付ける。羊が痛みで少々暴れる。と、おじさんがその傷口に手をつっこんだ。ガイドさんの解説が入る。心臓のそばの血管をちぎって殺すそうだ。このやり方だとほとんど暴れず血も流さず殺せるそうだ。羊側も痛みをほとんど感じないらしい。理屈はわかった。心臓脇の血管を切れば血液の送流が悪くなり、まず脳が脳貧血に近い状態になる。失神するわけだ。でその間に死ぬと。実際羊はおじさんが手を引き抜いてからものの数秒とたたないうちに動きが鈍くなり、ぱたりと動くのをやめた。おじさんが前脚をもって体を持ち上げ地面に荒っぽく頭から落としても反応しない。その後、前脚の付け根辺りからナイフを入れ、皮と肉とをはがしていく。イカの皮をむく作業を思い出した。蹄の上の関節でナイフを入れで関節を逆にとって骨を折り、取り外す。もう前足も終わらせると首の方も解体し、食道と気管を切ってしまう。食道は未消化物が逆流しないように結んでいた。そして腹と足も。内臓はお腹を切ってあらかじめ持ち出していたたらいに放り込んでいく。と、そこにおじさんが別の小さなたらいを入れて、何かをすくった。血だった。料理に使うのだそうだ。そして解体が終わった。30分程度しかかかってないと思う。おじさんがとれたて(?)のレバーをくれると言う。手を差し出すと、大きな真っ赤な肝臓から小さな欠片をナイフで切り分けて手の平に落としてくれた。口に入れる。しこしことした食感。そして苦い。臥薪嘗胆とはよく言ったものだ。これはなめたら苦い。そしてこの羊の肉は、今晩のスープの材料となり、雨で体が冷えて震えていた私は、写真をとるのを忘れてばくついたのだった。次の日の朝ごはん、羊の腸と内臓のスープ。※解体中の写真は結構撮りました。血と内臓がもちろん写ったいわゆるスプラッターですが、非常に美しい一見の価値がある画像です。フリーページにアップしておくので、血とか内臓とか大丈夫な人は見てください。ちなみにこれを見たツアーメンバーは誰一人として逃げ出したり卒倒したりしていないので大丈夫です。もしかしたら速めに片付けて消しとくかも。見てしまった後の苦情は受け付けません。