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テーマ:DVD映画鑑賞(14216)
カテゴリ:ヒーロー映画
遠くない未来、一部の人類が、DNAの突然変異による超能力をもつミュータントとして生まれてきた。一般人類はミュータントを恐れ、「ミュータント登録法案」を成立させようとする動きがある。ミュータントの中には、人類と共存に希望を持つグループ(X-MEN)と、その一方でミュータントが人類を支配すべきだと主張する集団があり、互いに対立していた。
「X-メン(2000)」 監督:ブライアン・シンガー ローガン:ヒュー・ジャックマン プロフェッサーX:パトリック・スチュワート マグニートー:イアン・マッケラン 超能力がほしかった(今でもほしい)。 石ノ森章太郎のマンガに、ある少年が隕石の落下した場所で遊んでいたら、不思議な力が身に付いてしまった、という展開で始まる作品がありました(タイトル忘却)。とてもとても羨ましかった。そんなに簡単に超能力が手に入るなら、どこかに隕石が落ちてこないかと探したものです(隕石を探すことの方が難しい)。 だって、心に念じるだけで物を動かすことができたり、人の心を読めたり、瞬時に違う場所に移動したりと、超能力って便利じゃないですか。さらに、そういった人並みはずれた力によって、犯罪に立ち向かい悪人を倒して、人々からの支持を受ける。すばらしいじゃないか(きっと、なんかのコンプレックスがあるんでしょうね)。 一方、白土三平の「カムイ外伝」だと思ったけれど、つぎのようなストーリーがありました(記憶が正確ではないかもしれません)。 カムイは、瀕死の重傷を負って、ある寒村に辿り着く。そこで村の人々に手厚い看護を受けて、健康体を取り戻します。寡黙なカムイですが、農作業を手伝い、村で生活する内に、村娘に思いを寄せられたり、子供達から慕われたりします。そんな平和な村を賊が襲ってくる。カムイは、忍者の正体を現し、あっという間の早業で賊の軍団を壊滅させてしまう。 つぎの瞬間、村の人々はカムイを恐れて悲鳴とともに逃げ去り、あの娘も子供達も、みんな家に閉じこもってしまったのです。 カムイは、無言のまま村を後にする・・・。 この話を読んだときは、衝撃が走りました。ヒーローが敵を倒せば民衆に感謝されるものと思っていたのに、一斉に背を向けられてしまったからです。 カムイは村を守りました。敵をズタズタにして。首は飛び、腕はもげ、内臓がはみだす。人を殺害するとは、そういうことかもしれない。瞬時に、ためらいもなく大勢の命を奪ったカムイに対して、村人は恐怖心しか抱けなかったのです。 映画X-メンにおける「ミュータント登録法案」を制定しようとする動きは、カムイを恐れた村人の心境と共通するものがあると思います。 特殊な能力をもった人間は、視点を変えればマイノリティなのです。「ミュータント登録法案」は、人並みはずれた能力をもつミュータントたちが人類の中から見れば少数派なので、その他大勢の一般人達のために、規制されようとしているのです。 ミュータントの中には、人類との共存をめざし、マグニートーと対抗するプロフェッサーXのグループ(X-メン)があれば、自分たちを迫害する人間を逆に支配しようと企むマグニートーたちもいる。 つまり、X-メンのお話は、ミュータント同士がヒール(悪)とベビーフェイス(善)に分かれて闘うのです。(というか、人間対ミュータントの様相もはらんでいます) これは、勧善懲悪のスタイルからすると、感情移入が難しい。映画としては、ストーリーなどきっちりしているのですが、マイノリティ同士の争いというのが、どうもね、なんか気の毒でね。マグニートーは、ミュータントであるがゆえに、子供の頃からいわれなき差別を受けているのです。これは同情を誘います。だからって、人類を支配してもいいわけはないのですが。 ヒーローの活躍に声援を送りたくなるのは、敵対する相手が、権力とか超能力とか、財政力とかいろんな意味で強大なパワーをもっているからです。マグニートーも、すごい超能力をもっていたり、大変に狡賢だったりと、悪玉の要素は備えています。けれど、映画の冒頭で、ミュータントであるがゆえに、両親と引き離されるのです。かわいそうですよね。 マグニートーとプロフェッサーXは、敵対するけれど、ホットラインで結ばれていたりもします。このあたりは、マイノリティ同士で、完全な対立関係としては描けない部分ではないでしょうか。 趣味や好みや、興味の対象がちょっと変わっていたりすると、マイノリティに見られがちです。マイノリティとは、少数派ですが、反対に希少価値があるともいえます。だから、自分のことをマイナスに見ないで、貴重な役割や視点をもった人材として、アピールしていけたらいいのじゃないかと思うのです。 人気blogランキングに参加中。クリックしてね。 ご協力、よろしくお願いします。 みんなブルース・リーになりたかった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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