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November 25, 2007
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カテゴリ:ヒーロー映画
国際犯罪組織BIG・Oは、“死の灰作戦”を進行していた。ミサイルを誘導して、アメリカの地下核実験場を破壊し、放射能をまき散らす。ミサイル攻撃をソ連の仕業に見せかけて、両国に戦争させて国力を弱体化させる。その後にBIG・Oが世界を支配する計画だ。これに対してアメリカの情報局ICEは、エース級のエージェント、マット・ヘルムを派遣する。

「サイレンサー沈黙部隊(2006)」

監督:フィル・カールソン
出演:マット・ヘルム:ディーン・マーティン、
ゲイル:ステラ・スティーブンス、

 いきなりですが、パチもんとは偽者のことです。駄菓子屋にいくと「怪獣カード」なんてものが並んでいます。「ウルトラマン?」と思うのですが、なんだかちがう。よーく見ると、目の中に瞳があったり、頭の飾りがなかったり、はたまた体色がちがったりする。
 著作権や版権の関係があるから、本物の写真や絵を使うことはできません。ならばと、ウルトラマンやゴジラに本来はないはずの部品をくっつける、またはあるべき部品をとりはずす。そうして「これはウルトラマン(またゴジラ)ではありません。オリジナルのヒーロー(または怪獣)です」と販売にこぎつける。これらはパチヒーロー(またはパチ怪獣)と呼ばれます。
 本物と思ってうっかりパチものを買うと、後で「だまされた」と悔しくなります。けれど、最初からパチだとわかっていると、似せるための工夫と違いを見せるため工夫を鑑賞できて、とても楽しい。

 マット・ヘルム。名前がいかにもヒーローっぽくて、かっこいいですね。彼は、映画サイレンサー・シリーズの主人公、アメリカ秘密情報部ICEのエージェントです。まあ平たく言えば、007ジェームズ・ボンドのパチものなのであります。
 そのパチぶりを見ていきましょう。

その1 美女にモテモテ
 ジェームズ・ボンドはいつも女をメロメロにします。勿論本人も大の女好き。007の映画は、そのことを象徴するかのように、オープニングのタイトルバックでヌード・シルエットの美女が踊ります。
 で、「サイレンサー沈黙部隊」のタイトルバックはというと、いきなりステージでストリップが始まります。007を意識しているのでしょうが、片方がシルエットという押さえた表現を使っているのに、最初からストリップかよぉ?(さすがに裸体はカモフラージュして見せません)。なんか品のなさを感じます。
 ジェームズ・ボンドは、究極のフェロモンでも発しているのでしょう。女性と会った瞬間、即座に唇を重ねます。言葉を交わす間もないほどに、うらやましくい。それはマット・ヘルムもご同様。違うのは、マット・ヘルムは、暇があると美女とのアバンチュールの妄想にふけっているところ。デレデレと白昼夢に浸っています。色ボケ情報部員と言ってもいいでしょう。ボンドも、頭の中はSEXのことばかりだったかもしれませんが、表面上はきりっとしていました。

 その2 敵組織とその陰謀
 007のスペクターにあたるのが“BIG・O”、スペクター首領のブロフェルドに相当するのが、ボスのタン・ツェー(中国人であることを考えると、ドクター・ノオかもしれない。中国人には見えないけど)。
 “BIG・O”の陰謀“死の灰作戦”は、アメリカを放射能汚染し、米ソの対立を煽ろうとするものです。これはスペクターがよく使う手だ。
 マット・ヘルムは、敵基地に侵入し、壊滅させるわけです。ジェームズ・ボンドと同じように。“BIG・O”の基地は、洞窟のようなところにあります。どこかで見たような。そう、テレビシリーズ「バットマン(1966~1968)」のバットケープ(バットマンの基地)に似ている。このバットマン、格闘場面になるとバゴーン、ドカーンなどと擬音が文字で画面に飛び出すマンガチックな世界観をもっています。「サイレンサー」には、擬音の表示は出てきませんが、なんだかマンガ的な基地なのです。

 その3 秘密兵器
 007映画には、様々な新兵器、秘密兵器が登場します。アイデアの見せどころといった感じの楽しい兵器が目白押し。
 もちろん、「サイレンサー」にも新兵器、秘密兵器が出てきます。まずは、リバース銃。これを使うためには、わざと敵に銃を取られるように仕向けます。その敵がマット・ヘルムを撃つと、弾は銃の後ろから飛び出し、撃った人間にあたります。敵の裏をかいて危機を回避できるようでありながら、なんだか回りくどい兵器です。
 それからボタン爆弾。マット・ヘルムのジャケットに付けられているボタンは、手榴弾になっています。引きちぎって投げると、ドカーンと破裂します。マット・ヘルムは自殺的な危ない衣服を着用しているという以上に、見ているほうとしては大き目のボタンが爆弾なのだと想像力を働かせなければなりません。もうちょっと、ビジュアル的に楽しめる兵器を作ってほしいなぁ。もしかして、手抜き?
 “ビッグO”もさすがに国際犯罪組織だけあって、秘密兵器をもっていました。レーザー砲です。これは、音がうるさい。レーザーを発射するときに、ウィン、ウィンと騒がしいのです。このレーザー砲、光線が見えません。砲身が赤くなると、攻撃を受けた壁などが溶けます。光線は、観客の想像に任されています。しかも、マット・ヘルムは、トタン板みたいなのを被って、レーザー光線の攻撃を防いでしまいます。
 007では、「ゴールドフィンガー(1965)」にレーザー砲が初登場。あわやジェームズ・ボンドが焼き殺されるかというスリリングな展開。ちゃんと光線も見えました。
 そのほか、兵器ではないけれど、マット・ヘルムの自宅には最新設備が整っています。ベッドがプールのような風呂場の縁まで移動していって、グーッと片側がせり上がると、すべり台みたいになって、マット・ヘルムと美女が風呂へ飛び込みます。風呂上りには、体拭き機やバスローブを着せてくれる機械もあります。ボンド・カーならぬマット・ヘルム・カーは、ボタン一つでベッドができあがります。いつでも美女のお相手ができるというわけ。それぞれあんまり意味のある設備投資には思えませんが、まあ、何にお金をかけるかは、個人の自由ですから。

 その4 歌う情報部員
 ここまで007的なものを見てきましたが、007的でないものもあります。
 ディーン・マーチンは、ジャズ・シンガーとしても有名です。だから、なんと“歌う情報部員”なのです。マット・ヘルム・カーでいざ出撃、めざすは敵基地という場面で、“メキシコ旅行なら楽しいけれど 行く手には楽しくない敵ビッグO”“あどけないこの美女と 西部旅行も悪くはないが 彼女の陰にはビッグO”と心情を歌に託すマット・ヘルム。これは、007も真似ができなません。まぎれもなくオリジナルの設定だ。
 ヒーロー、マット・ヘルムは当然音楽にうるさい。カーラジオから“僕と飛ぼうよ空のかなたへ(Come Fly with me) ”とフランク・シナトラの歌が流れてくると、「ひどい歌だ」と切り換えてしまいます。ディーン・マーチンのヒット曲「誰かが誰かを愛してる (Everybody Loves Somebody)」が聞こえてきたら、「これならいい」って満足していました。

 1960年代、007ファンとしては、一刻も早くシリーズの新作を見たいと思っていました。けれど、テレビ番組とはちがいますから、新作が公開されるまでは2年ほど待たなければならない。そんなときに、この「サイレンサー・シリーズ」やジェームズ・コバーンの「電撃フリント・シリーズ(1966~67)」のようなパチ007映画が上映されると、見てしまいます。ビールがなければ発泡酒でもいいよ、てなものですね。売る方もそれを意識して、発泡酒をちょっと見にはビールみたいにしてありますし。
 でも、発泡酒には発泡酒の存在意義があります。ビールの代替品、ビールよりはワンランク下というのではなく、価格が安いとか、飲み口が軽いとか。
 パチ007映画も、映画会社にとってはお手軽便乗商法かもしれません。けれど、見る方だってパチ映画と心得ています。映画の中の“パチ度”を楽しみながら映画を見るのです。007的なもの、あるいは007らしく見せようとことさらデフォルメしてある点、そしてまた「これはうちのオリジナルだよ」とばかりに見せてくれる相違点、などなどを味わうのです。

 「サイレンサー・シリーズ」は、「沈黙部隊」のほかに「殺人部隊 (1966)」「待伏部隊(1967)」「破壊部隊(1968)」の全4作です。レンタルビデオ屋さんにありました。公開当時には見られなかったものも揃っているので、続けて全部見てしまうんだろうな、きっと。
いやあ、007って偉大だなぁ。
 
藍昂太郎会員制ファンクラブログ

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Last updated  November 25, 2007 06:56:47 AM
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