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June 22, 2008
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カテゴリ:アドベンチャー
 125分飽きないで見ることができましたよ。
 しかし、例えば、整った顔立ち女性を見て、その方がいい顔をしていると理解できるんだけれど、セクシーとはいえない。この映画もそんな感じでしたね。彫刻のように、目も鼻も口も、ほどよくまとまった顔立ちは、意外に魅力に乏しいものです。それよりは、おっきい目をした人やピッと鼻が高い人、唇がちょっとポテッとしているなど、多少ほかの部分よりアンバランスな顔立ちの方が印象に残るもの。一見マイナスポイントになるものが、プラスに作用しているのですね。
 プロレスラーだって、おとなしい顔立ちをしていると目立たないから、こけおどしの覆面を被ります。あるいは、プロレスラーは、ほかのレスラーとの違いを強調するために、自分だけの得意技をもっています。試合の中では、このほかの格闘技ではあり得ない必殺技を、強引なまでに必ず使って、見せ場をつくります。覆面や必殺技を見て、観客は喜ぶのです。
 そんな灰汁の強さが、この映画にはありませんでした。

 前作「ナショナル・トレジャー(2004)」は、歴史学者のトレジャー・ハンター、ベン・ゲイツ(ビル・ゲイツではなく、ベン・ケーシーでもない……ベン・ケーシーは知らないか?)が伝説の秘宝を探す話です。ところが、秘宝のありかは、なんとアメリカの国宝ともいえる“アメリカ合衆国独立宣言書”の手がかりが記してあるのです。“アメリカ合衆国独立宣言書”を盗み出す、そんなことができるだろうか、あるいはそんなことをしてもいいのか!
 そのへんが灰汁の強さでしょう。ディスニー映画ですからスマートなものですが。いずれにしろ、超難問の課題解決が、「ナショナル・トレジャー」を他のトレジャー・ハンター映画と一線を画すものにしているのは確かです。

 2作目の「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺の日記」では、前作を踏襲して、バッキンガム宮殿の女王執務室に潜り込む、次いでホワイトハウスの大統領執務室へも侵入して、机を探ってしまいます。さらに、アメリカ大統領の誘拐まで。不可能を可能にしていきます。
 それぞれ超難問にはちがいないです。最初はそんなことができるのか、とハラハラドキドキします。けれど、超難問を次々と課題解決しちゃいますからねえ。すると、だんだんハラハラドキドキが静まって、「また、どうにかできるんだろう」ってな気分にもなります。不可能の高い壁が、次第に低く感じられるのです。刺激に慣れてきちゃうんですね、人間は。

 セットなんかもすごいですよ。秘宝が隠された広い洞窟の中(ラシュモア山)で、あっちこっちから大量の水が流れ込んでいる様子を再現していますから見事です。けどね、金をかければなんでもできるのです。なにせディズニー資本ですから。
 逆にB級は、いかに金も、才能もないところで頑張っているのがわかるから、観客の目を引くように工夫している場面があると、そのけなげさに感動してしまいます。人情ですね。
 
 「ナショナル・トレジャー」は映画を見終わって「ああ、おもしろかった」と完結できる映画といえるでしょう(ちょっとストーリー的には?と思うところもあるけれど)。
そういう点ではお薦めの映画です。
 でも、つかみどころ、ひっかかりどころがありません。映画を見終わってから、何度も反芻して、楽しみたい人には向いていないかも知れません。

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Last updated  June 22, 2008 07:09:46 AM
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